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ブラジルのリオデジャネイロで夏季五輪が開催されてから約1年半。韓国の平昌では、冬季五輪の開幕が迫っている。
大会としては成功を収めたものの、リオ五輪の施設はたびたび批判にさらされてきた。選手村は「生活をするのに適さない」と言われ、セーリング会場にいたっては、競技が始まる前に、その一部が約3メートルの波によって壊れた。
過去のオリンピックを振り返り、五輪を招致する価値が本当にあるのか、疑問に思い始める都市も増えている。
大半の都市は単純に、オリンピックのために流入する選手、コーチ、ファン、メディアを受け入れるだけのインフラを持たない。最新の競技施設の建設費は膨らむばかりで、2週間のイベントに何千億円も費やすのは、賢い投資とは言えないとする学術研究もある。
開催都市にとって最悪の場合、オリンピックの競技施設は、大会が終われば全く使われることのないホワイト・エレファント —— 場所とお金の完全な無駄遣い —— になる。我々はこれを世界各地の開催都市で見てきた。
もちろん、その理由は国によってさまざまだ。例えば現在のボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボの場合、恐ろしい戦争のために、1984年に開催された冬季五輪の施設は崩壊した。他にも、オリンピック招致のマイナス面を捉えた写真は数多くある。
平昌で開催される2018年冬季五輪も、似たような道をたどるのだろうか?
2020年に東京で夏季五輪の開催を控える日本にとっても、これは他人事ではない。
2016年、ブラジルのリオデジャネイロで夏季五輪が開催された。
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大会によって出たゴミの多くは、今もそのまま残っている。左に写っているのは、すでに取り壊されたメディアセンター。
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リオの中心部にある、市役所やコンベンションセンター、介護施設にも近いこの場所は、健康上有害だという。
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多くのオリンピック関連施設で、さびた鉄筋などが散乱している。
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サッカー競技が開催されたマラカナン・スタジアム。
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芝生はほぼ枯れている。
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水泳などの競技会場となった、アクアティクスセンターも荒廃している。半透明のタペストリーがはがれかけている。
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タペストリーがないと、もっと荒れて見える。
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施設内の水は抜かれている。ところどころに水たまりがあり、蚊が繁殖している。
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外側もひどい。施設は、オリンピックが終わった後すぐに解体される予定だったが、進捗はない。
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五輪マークは市内各地に今も残っている。
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オリンピック・パークから見たリオの街。
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この貯水槽も置き去りにされている。
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セーリングなどの会場となったグアナバラ湾。
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散乱するごみの中には、大量のオリンピックのパンフレットが。想定外の負の側面だ。
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サラエボで冬季五輪が開催されたのは、1984年。
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だが1990年代に入ると、ユーゴスラビアが解体し始め、内戦が勃発。
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激しく落書きされたコースは、今では時々BMXのレースに使われている。
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開会式などが行われたアシム・フェルハトヴィッチ・ハセ競技場の前を、犬が歩いている。
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競技場の壁は、雑草だらけ。
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イグマン山のスキージャンプ台。今は使われていない。
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観客席も草だらけ。
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別の角度から見たジャンプ台。
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ジャンプ台も荒れている。
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割れた窓から見たジャンプ台。
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かつてのフィギュアスケート場の上にあるタワーには、五輪マークが。
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閉会式などが行われたゼトラ・ホール。
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アメリカのアトランタで夏季五輪が開催されたのは、1996年のことだ。野球競技などに使われたアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアムは、1997年に解体され、4000台を収容する駐車場になった。
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Source: Atlanta Journal-Constitution
聖火台は、センテニアル・オリンピックスタジアムがアトランタ・ブレーブスのホーム球場「ターナー・フィールド」に名称を変えたときに移された。今日、聖火台は高速道路を所在なげに見下ろしている。ターナー・フィールドは2017年に解体された。
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Source: Around the Rings
中国の北京では2008年に夏季五輪が開催され、2022年には冬季五輪も開催される。
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かつて野球場があった場所には、サインが残っている。
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野良犬が、かつての野球場の中で休んでいる。
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かつてのオリンピックの「緑地」には、急ごしらえのほうきが。
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元「緑地」の隣にある、五輪マークの前で記念撮影をする観光客。
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カヤックの競技施設のサインはさびている。
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BMXの競技会場。
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ビーチバレーの競技施設を含め、多くのスタジアムは一般の立ち入りを禁止している。
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だが、ビーチバレーの宣伝バナーはそのまま残されている。
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外側のパネルは一部はがれている。
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かつての競技施設の前をボートが通り過ぎる。
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その近くでは、ごみも漂う。
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選手村も今は使われていない。
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観客席は雑草に覆われている。
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階段はさびだらけ。
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ここも、今は使われていない。
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その一部は、干上がっている。
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いたるところに落書きが。
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ビーチバレーの練習用コートは、荒れ放題。
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遠目から見た、ビーチバレーの競技会場。
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その内部は、悪夢のようだ。
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もはや使えない。
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雑草がはびこっている。
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飛び込み競技の会場は、干上がっている。
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選手村にあるプールは汚い。
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そして、ごみだらけ。
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少なくとも、カエルたちは住む場所を見つけたようだ。
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陸上競技場は、今も一部の人々が使っている。
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フィールドホッケーの競技会場。
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そして、古くなった表彰台。
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[原文:What abandoned Olympic venues from around the world look like today]
(翻訳/編集:山口佳美)