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スペースXは、現行で最強のロケット「ファルコン・ヘビー」を予定通り打ち上げた。
2月6日(現地時間)、ファルコン・ヘビーはフロリダにあるケネディ宇宙センター39A発射台から打ち上げられた。およそ50年前、アポロの宇宙飛行士が月を目指したときと同じ発射台。数分後、2基のロケットブースターは無事帰還し、着陸した。
ファルコン・ヘビーは再利用可能で、競合のロケットよりも打ち上げコストが安価。だが同社CEOのイーロン・マスク氏は、今回の打ち上げはまだテストに過ぎないと慎重な姿勢を見せた。
「失敗する可能性は大きい」とマスク氏は打ち上げ前の5日に語った。
実際、予定どおりではないこともあった。3基のロケットブースターのうち、最後に切り離された1基は、ドローン船に着陸する予定だったが、大西洋に落下し、大破したとマスク氏は語った。
ケネディ宇宙センターから飛び立った巨大なファルコン・ヘビーを振り返ってみよう。
ファルコン・ヘビーはNASAケネディ宇宙センターから打ち上げられた。スペースXは、現行のロケットの中で最も強力と語った。
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高さ230フィート(約70メートル)、23階建てのビルに相当する。
打ち上げ準備を行うファルコン・ヘビー。2月5日。
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打ち上げ時の推力は約2270トン。「TNT火薬1800トンに匹敵する」と5日、マスク氏は述べた。
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ファルコン・ヘビーは、1970年代にアポロ計画に使われたサターンV型ロケット以来の強力なロケット。
スマートフォンを手に打ち上げを見守る人たち。
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スペースXによると、打ち上げコストは9000万ドル(約100億)円。従来より極めて安価。
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コストは競合の3分の1。3基の再利用可能なロケットブースターがコストダウンを可能にした。
テスト飛行用に搭載されたマスク氏所有のオープンカー。火星を目指す。
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当初、マスク氏はロケット上段に搭載したテスラ・ロードスターを火星に打ち込む「極めてわずかなチャンス」があると語っていた。だが、そうはならなかった。
先端にテスラ・ロードスターを載せて宇宙空間を飛行中。
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オープンカーは、永遠に太陽のまわりを飛び続ける。
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3基のロケットブースターのうち2基は、打ち上げ後、無事に帰還し、着陸した。
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2基のブースターは同じタイミングでケープカナベラルに着陸した。「今まで見た中で、文字通り最高のシーンだと思う」とマスク氏。
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だが3基目のブースターは大西洋上の予定された着陸地点に戻らなかった。「時速300マイル(約480キロ)で海面に衝突したようだ」と6日夜、マスク氏は語った。
ファルコン・ヘビーは、3基のロケットブースターに合計27基のロケットエンジンを搭載している。
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回収に成功するまでに何年もかかった。何度も失敗を繰り返した。
2015年1月、着陸に失敗して爆発したファルコン9ロケットのブースター。
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[原文:SpaceX launched its biggest and most powerful rocket ever — here are Falcon Heavy's impressive stats]
(翻訳/編集:増田隆幸)