Antonio Villas-Boas/Business Insider
スマートフォン・メーカーは長年、全面がディスプレイで、ホームボタンやベゼルがないピュア・デザインのコンセプトでユーザーを期待させてきた。
だが結局、コンセプトは完璧には実現していない。人気の端末にも極めて細いベゼルがあり、あるいはiPhone Xは細いベゼルに加えて、端末上部にカメラや顔認証センサーを収めたノッチ(切り欠き)がある。
だが、依然として我々は全画面スマートフォンについての特許や噂を耳にする。今後実現するかもしれないスマートフォンの未来を見てみよう。
最近明らかになった情報によると、スマートフォンのデザインは様々な方向に変化しそうだ。
Vivoのエッジレス・スマートフォンのコンセプトモデル。
Slashleaks
Slashleaksが公開したのは、中国のスマートフォン・メーカーVivoのベゼルレス・スマートフォンのプロトタイプ画像。
物理的なホームボタンもなく、同社が1月に発表したVivo X20 Plusと同様にディスプレイに指紋認証センサーを内蔵していると思われる。
ベゼルレス・デザインを検討しているのはVivoだけではない。
サムスンのエッジレス・スマートフォンの特許。
Let's Go Digital
サムスンは「全画面ディスプレイ」を搭載したスマートフォンの特許を取得。
特許画像には、ディスプレイ上部にLETSGO DIGITALがトップ・ノッチと言及した部品が見られる。だがこれは単にフロントスピーカーのための切り欠きかもしれない。
画像からは、ディスプレイに切れ目があるかどうかは判断できない。
全画面スマートフォンが主流になるには、もう少し時間がかかりそう。
ZTEの「Axon M」、2画面で折りたたみ可能。
Antonio Villas-Boas/Business Insider
アップルのiPhoneは近い将来、すべてTrueDepthカメラ(つまり「ノッチ」)を備えることになるだろう。さらにグーグルもノッチのあるスマートフォンを開発中と噂されている。
ブルームバーグによると、グーグルの次期OS「Android P」は、iPhone Xのような端末上部のノッチを正式にサポートするようだ。
またグーグルは次期OSで、ノッチのみならず、フレキシブルディスプレイや複数画面といった様々な最新スマートフォン・デザインもサポートする見込み。
スマートフォンメーカーは2017年、従来とは異なる端末デザインに積極的に取り組んだ。
Androidの父、アンディ・ルービン氏が手がけたエッセンシャル・フォン。
Antonio Villas-Boas/Business Insider
アップルはiPhone Xでノッチを広めたかもしれないが、ノッチで最初に注目を集めたのは、Androidの父と呼ばれるアンディ・ルービン(Andy Rubin)氏が生み出したエッセンシャル・フォン(Essential Phone)だ。
ディスプレイを最大化するために、エッセンシャル・フォンは前面カメラを収めたノッチを備えている。
だがエッセンシャル・フォンはAndroid 7.1.1 Nougat(ヌガー)を搭載、ヌガーはノッチに最適化されていなかった。そのためノッチの周りまで表示できないアプリもあり、全画面デザインを意図したにもかかわらず、画面を使い切れていなかった。
最新のAndroid 8.0 Oreo(オレオ)も、まだエッセンシャル・フォンのユニークなデザインに最適化されていない。
iPhone Xも似たような問題を抱えている。ノッチを囲むような最適化が全アプリで行われているわけではない。これは、アップルが今後のソフトウエアアップデートで解決しなければならない課題と言えるだろう。
(繰り返しになるが)サムスンはディスプレイ上部にノッチがあるスマートフォンの特許を取得。
サムスンの特許画面。
Let's Go Digital
この特許画面を見ると、サムスンはiPhone Xよりも、エッセンシャル・フォンに近いデザインを考えているようだ。
サムスンがノッチを備えた端末を発売するという保証はない。特許は実際に開発中の端末というよりもコンセプトに近いもの。だが、同社の将来の端末開発計画を知る良い手がかりとなる。
またサムスンはディスプレイを半分に折りたためるスマートフォンを発売するかもしれないとする記事もある。発売されれば、グーグルの次期OS「Android P」のメリットを最大限に生かすことができる。
(翻訳:塚本直樹/編集:増田隆幸)