先延ばし、ネット広告、脳の働き、教育 —— 20分で視野が広がる、お勧めTEDトーク8選

ミーガン・フェルプス=ローパー

TEDに登壇したミーガン・フェルプス=ローパー。

TED

TEDトークはこれまで、最も優れた研究者やビジネス・リーダー、作家の洞察を、多くの人々に届けてきた。

時間をあまりかけずに自己啓発したいなら、刺激的かつ視野の広がる、このTEDトークのリストさえあれば十分だ。

未来へのビジョンを語るイーロン・マスクから、なぜ現実が幻覚に過ぎないのかを語る神経科学者まで、彼らのTEDトークは、自分自身とその周りに広がる世界に対する見方を変えてくれる。

15~20分という時間を有効活用する術がここにある。

以下、特にお勧めの8つのトークを紹介する(7本目までは、すべて日本語字幕あり)。

(敬称略)

ティム・アーバン『先延ばし魔の頭の中はどうなっているか(原題:Inside the mind of a master procrastinator)』

人気ブログ「Wait But Why(待って、だけど何で?)」の筆者ティム・アーバン(Tim Urban)は、先延ばし魔だ。

このユーモラスなトークでアーバンは、難しい作業 —— 長い記事を書くことなど —— を成し遂げる自身のプロセスを、素晴らしいイラストを交えて教えてくれる。

アーバンは、なぜ先延ばしにしているのかを深く考えて欲しいという。「パニック・モンスター」が目を覚ます前に。

時間:14分2秒

ジーナップ・トゥフェックチー『ネット広告の仕組みが拓くディストピアへの道(原題:We're building a dystopia just to make people click on ads)』

ノースカロライナ大学の教授でニューヨーク・タイムズのライターでもあるジーナップ・トゥフェックチー(Zeynep Tufekci)は、フェイスブック、グーグル、アマゾンといった世界のテック企業の行動に詳しい、最も優れた「声」の1つだ。

この啓蒙的なトークでトゥフェックチーは、大手ポータルサイトやソーシャル・ネットワーク企業の広告ビジネスを動かすアルゴリズムが、悪意ある者によって無断で使われ、わたしたちが目にする情報を構成する可能性があると警告する。

一見の価値あり。

時間:22分56秒

ジル・ボルト・テイラー『パワフルな洞察の発作(原題:My stroke of insight)』

ジル・ボルト・テイラー博士(Dr. Jill Bolte Taylor)は、ほとんどの神経科学者が経験したことのない経験をした。生死に関わる発作、脳卒中だ。

脳卒中によって彼女は、自らが人生を捧げて研究してきたことを実際に見て、感じるというユニークなチャンスに恵まれた。自分の脳の機能が停止し、話すこと、動くこと、ついには自分自身を認識することもできなくなることを見たとき、彼女は脳がどのように機能するのか、人間であるというのはどういうことなのか、深い洞察を得た

時間:18分33秒

チママンダ・アディーチェ『シングルストーリーの危険性(原題:The danger of a single story)』

「物語は人の尊厳を砕くことができますが、打ち砕かれた尊厳を修復する力も持っています」ナイジェリア生まれの作家、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(Chimamanda Ngozi Adichie)は、トークの中でそう語った。

直近の著書『アメリカーナ(原題:Americanah)』では、アメリカに移住したナイジェリア人としての経験や、ナイジェリア人とアメリカ人の相違点と共通点について書かれている。アディーチェはトークの中で、物語の力を強調し、ある場所を真に理解するためには多様なストーリーや意見を追求することが必要だと指摘する。

もしわたしたちが他者や他国について、1つの話(シングルストーリー)しか聞かなければ、致命的な誤解を招く恐れがあると、アディーチェは言う。

時間:18分42秒

ミーガン・フェルプス=ローパー『ウェストボロー・バプティスト教会から去った理由(原題:I grew up in the Westboro Baptist Church. Here's why I left)』

アメリカのカンザス州を中心に活動する、過激な言動で知られるウェストボロー・バプティスト教会の会員だったミーガン・フェルプス=ローパー(Megan Phelps-Roper)は、教会を去り、活動家へと転身した。これは分断するイデオロギー同士の懸け橋となる、ソーシャルメディアの力を証明した珍しいケースだ。

そのパワフルなトークで彼女は、この教会の支配下に置かれて育つことがどのようなことであったか、そして、ルイジアナ州ニューオーリンズで「神はユダヤ人を憎む(God Hates Jews)」と書かれた看板を持っていた彼女にイスラエルのデザートを分けてくれた1人の男性が、最終的にどのように彼女を改心へと向かわせたのかを語った。

時間:15分17秒

ソーディス・エルバ、トム・ストレンジャー『レイプを経験し和解に辿りついた私たちの物語(原題:Our story of rape and reconciliation)』

これは、リストの中でも特にユニークなトークであり、最も見るのが辛いトークでもある。ソーディス・エルバ(Thordis Elva)とトム・ストレンジャー(Tom Stranger)は、あり得えない組み合わせの2人だ。18歳の交換留学生だったストレンジャーは、当時16歳だったエルバをレイプしたことを認めた。

音信不通のまま何年も経った後、2人は連絡を取り合うようになった。そして、TEDのステージで語られたのは、罪から目をそらすことのない和解だ。

#TimesUpや#MeTooといった、恥ずべき性的暴力と人間性への信頼を回復しようとする運動が注目を集める中、この和解のトークは今まさに聞くにふさわしい。

時間:19分6秒

ケン・ロビンソン『学校教育は創造性を殺してしまっている(原題:Do schools kill creativity?)』

作家で大学教授でもあるケン・ロビンソン卿(Sir Ken Robinson)は、わたしたちは学校について少し違う考え方をしてもらいたいという。機械的な暗記ではなく、教育システムは好奇心を育てるべきであり、標準化された統一テストばかりを重視すべきでないと、彼は考えている。

幼い頃から創造性よりもルールに従うことを推奨するアメリカの学校を、ロビンソンは批判する。彼のトークはTEDの中でも常に最もよく見られており、再生回数は5000万回を超えている。

時間:19分22秒

アニル・セス『Your brain hallucinates your conscious reality(あなたの現実は、脳が見せている幻覚)』

15分のトークを聞いて自分自身の存在を疑うことは、そうあることではない。だが、イギリスのサセックス大学の神経科学者アニル・セス(Anil Seth)のトークは例外だ。

セスは、わたしたちの脳が常に「幻覚を起こしている」と断言する。そして幻覚が他者の幻覚と一致するとき、わたしたちはそれを「現実」と呼ぶのだと。これまで知っていると思ってきた全てのことを考え直す準備をしよう。

時間:17分1秒

[原文:8 mind-expanding TED Talks to watch if you have 20 minutes to spare]

(翻訳:Ito Yasuko/編集:山口佳美)

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