コインチェックの大塚雄介取締役は2月13日夜、メディアの取材に対し、事業を継続していくことを強調した。
仮想通貨取引所コインチェックから約580億円相当の仮想通貨NEM(ネム)が不正流出した問題で、同社の大塚雄介取締役は2月13日夜、メディア各社に対して、「継続して事業をさせていただく。いま、一歩一歩改善を進めている」と述べ、あらためて事業を継続する方針を強調した。同社は13日から日本円の出金を再開したが、同日中に401億円の出金処理を完了したとしている。
流出したネムの補償については、「時期についてめどがたってきて、明確な時期が確定すれば、みなさまにご報告する」と述べた。大塚氏によると、流出したネムについては、引き続き日本円で補償するという。対象者は26万人で、流出したネムは総額5億2300万XEM(XEMはネムの通貨単位)にのぼる。
同社は2018年2月13日、流出事案を受けた業務の改善策などについて、金融庁に報告書を提出した。
14日以降も、出金の依頼があった日本円については、順次出金するという。
仮想通貨の送金、売買について大塚氏は「外部のセキュリティ専門の会社と、ひとつずつ確認し、ネットワーク、システムの安全を確認できれば、送金と売買を再開する形で順次進めている」と説明した。
金融庁は1月29日にコインチェックに対して、資金決済法に基づき業務改善を命じ、13日までに報告するよう命じていた。同社は以下の4項目について報告した。
- 顧客への適切な対応
- 本事案の事実関係及び原因の究明
- システムリスク管理態勢にかかる経営管理態勢の強化及び責任の所在の明確化
- 実効性あるシステムリスク管理態勢の構築及び再発防止策の策定等
大塚氏の取材対応は、13日午後8時ごろから、コインチェック社の本社がある、渋谷駅近くのビルのロビーで行われた。取材対応は20分ほどで打ち切られ、和田晃一良社長の姿はなかった。
(文・小島寛明、写真・木許はるみ)