CATVからインターネットテレビに変えてみた —— アメリカで話題の“コード・カッティング”、結果は?

スリングTVのロゴ

Antonio Villas-Boas/Business Insider

ある日ケーブルテレビの請求書を見て、思った。

「ケーブルテレビに月100ドル(約1万1000円)も払っている、インターネット接続は別で。月100ドルも払って、見ているチャンネルは8つくらい」

「そこまでお金を払わずにテレビを見る、別の方法があるはず」

インターネットを使ったTVライブストリーミングサービスを試すときだ。一般的に、こうしたサービスは安価なため、出費がかなり抑えられる。しかも、我が家のスマートテレビは、ストリーミングプレイヤー「ロク(Roku)」の機能を内蔵しているので、希望するほとんどのサービスを選ぶことができるし、ソファーで快適に見ることができる。

まず試したのが「スリングTV(Sling TV)」。月額30ドル(約3200円)でオレンジとブルーのパッケージを選んだ。これでスリングTVの主なチャンネルは網羅できる。それに「クラウドDVR」とニュース・チャンネル「ニュース・エクストラ(News Extra)」、それぞれ5ドル(約540円)のサービスを追加した。月額100ドルのケーブルテレビに対し、スリングTVの月額はトータルで40ドル(約4300円)になった。

残念なことに、スリングTVにはいくつかのチャンネルと、DVRでよく使っていた機能がない。だが、月に60ドル(約6400円)節約できることを考えて、それらがなくてもやっていけるかどうか試してみることにした。

1カ月後、ケーブルテレビに戻した。その理由は以下を読んでほしい。

スリングTV、動作は良好。

スリングTVの画面:「On Now」タブ

YouTube/Sling TV

我が家のテレビはロクの機能を内蔵しているため、始めるのは簡単だった。スリングTVのアプリをダウンロードしただけ。もともとあったテレビで、ハードウエアを追加することなく見ることができた。

スリングTVがネット配信する番組は、データを先にダウンロードする必要はなく、途切れることもなかった。

ガイドやメニューに慣れるのには少し時間がかかった。見た目は、初期設定だとネットフリックス(Netflix)に少し似ている。サムネイルがたくさん並び、視聴可能な番組が分かる。だが、昔ながらのチャンネル切り替えが好きなので、設定を変えた。

明らかな利点は3つ。最大の利点は、ケーブルテレビより月60ドル、年720ドル(約7万7000円)も節約できること。

マイリ―・サイラス(Miley Cyrus)

Scott Barbour/Getty Images

2点目は、ロクなど3つの異なるメディアストリーミング・デバイスが使えること。ケーブルテレビのように専用チューナーをレンタルする必要はない。

ロクのストリーング・デバイスとリモコン

Roku

ケーブルテレビの専用チューナーは場所を取るうえ、レンタル料もかかる。筆者が契約していたケーブルテレビでは、月10ドル(約1100円)かかる。ロクやクロームキャスト(Chromecast)のようにテレビの後ろに隠れるサイズのおしゃれなストリーミング・デバイスが使えることはとてもありがたい。しかも20ドル(約2100円)くらいで買える。

3点目。スリングTVは、デジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)の機能をクラウドで提供する数少ないサービスであること。DVR機能がなければ、利用しなかった。

オプション追加画面上の「クラウドDVR」にマーキング

Screenshot

筆者は、ケーブルテレビをリアルタイムではほとんど見ない。90%はDVRに録画して見るか、広告をスキップできるよう、一時停止してから再生し、少し遅れて見る。だから、TVライブストリーミングサービスにも、何らかの録画機能は必須だった。だが結局、スリングTVでは愛用の「ティーボ(TiVo)」は使えなかった。

では、何がダメだったのか?

コネクター

Wikimedia Commons

1点目。スリングTVは安いが、筆者が定期的に見るチャンネルがいくつかなかった。

スリングTVに変えてから、最もよく見ていたチャンネル —— 特にTLC、PBS(公共放送)、ディスカバリー(Discovery)、スミソニアン・チャンネル(Smithsonian Channel) —— がなくて困った。その間、見もしないチャンネルにお金を出していたことになる。

お金を節約できたとしても、どうでもいいチャンネルにお金を出し続けることには納得できなかった。それはケーブルテレビでも同じだったが、少なくともケーブルテレビには本当に見たいチャンネルもあった。

そして、筆者が定期的に見ていたチャンネルは、スリングTVではどのパッケージでも全く見ることができず、追加購入もできなかった。確かにスリングTVはケーブルテレビより安かったが、結局のところ、見たいチャンネルもなかった。

もちろん、人によって違うだろう。どのチャンネルを見たいのかによる。


2点目。一時停止できないチャンネルや番組があった。特に映画やスポーツの試合。

スリングTVは、DVRが使えないチャンネルもあるとしている。ほとんど(あるいは一部)は、ディズニー傘下のチャンネルで、ABC、フリーフォーム(Freeform)、ESPNの大部分、SECネットワーク(SEC Network)などだ。

見ないチャンネルばかりなので、関係なかったが......。

落とし穴は、一時停止できない番組や映画があったこと。回避方法は、DVR機能を使って録画して、あとで見ること。だが、リアルタイムで見たいときはどうしようもない。

だが、ティーボやケーブルテレビほど簡単ではなかった。以前は何も考えなくても、簡単に一時停止や広告をスキップするための録画しながら、後追いで再生できた。それができないのが嫌だった。

結局は、個人的な問題だ。筆者には合わなかったが、合う人もいるだろう。

スリングTVの画面:「Guide」タブ

YouTube/Sling TV

ことわざにもあるように、タダより高いものはない。チャンネルを減らして安さを取るか、高くても見たいチャンネルを取るか。スリングTVにすることでお金を節約できるのは魅力的だったが、コストパフォーマンスが高いとは思えなかった。

とは言うものの、あなたが見たいチャンネルは揃っているかもしれない。見たいチャンネルがあるかどうか、スリングのウェブサイトでチェックしてみることをお勧めする。DVRの機能に限りがあることも気にならなければ、問題ないだろう。

だが、同社がアピールする「アラカルト」とまでは言えない。

オプション追加画面

Screenshot

スリングTVは、見たいチャンネルを自由に選べる「アラカルト」TVとアピールしている。それはある程度は正しい。だが、実際は違う。チャンネル数によって料金が変わる点はケーブルテレビと同じだが、実際、見たいチャンネルを選ぶことはできない。

メインのオレンジとブルーのパッケージに加え、ユーザーが選べるのは「パッケージ」だけで、見たいチャンネルは、見もしない他のチャンネルと抱き合わせになっている。

パッケージはカテゴリー別 —— 例えば「ライフスタイル・エクストラ(Lifestyle Extra)」パッケージなど —— なので、見ないチャンネルの分も支払うことになってしまう。結局、その点はケーブルテレビと大きな違いはなかった。つまり、主な違いはチャンネルが減って、月の支払いが減ったこと。もし、見たいチャンネルがオレンジ・プランやブルー・プラン、あるいは追加のパッケージに入っていたら本当にラッキーだ。

徐々に改善するだろう。絶対にまた試してみたい。

スリングTVやHulu TV(フールーTV)、YouTube TVといったストリーミング・サービスはまだかなり新しく、今も進化している。常に新たなチャンネルを追加し、DVRやその他の機能の改良を進めている。できれば、録画や一時停止についての制限もなくしていって欲しい。

改良が進めば、スリングTVや他のストリーミング・サービスを絶対にまた試してみようと思う。そのとき、まだケーブルテレビより安ければだが。

[原文:I tried cutting the cord with Sling TV for a month — here's why I returned to cable

(翻訳:Ito Yasuko/編集:増田隆幸)

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