宇宙飛行士のおもちゃを手にするトランプ大統領。
Reuters/Carlos Barria
- NASAの宇宙飛行士は、厳しいテストを通過して宇宙飛行士に選ばれた。
- 宇宙飛行士の年収は政府の給与表に基づいている。給与グレードはGS-12、またはGS-13に該当する。
- 2018年の給与表によると、宇宙飛行士の年収は6万3600ドル(約680万円)から9万8317ドル(約1050万)の間となる。
スペースXの創業者イーロン・マスクのような起業家がパワフルに進化したロケットを打ち上げ、新たな宇宙開発競争を標榜し、初の有人飛行の準備を進める今は、NASAへの就職を考えるには最高の時期。
だが宇宙飛行士になるには、まず最初に厳しい条件をパスしなければならない。例えば、アメリカ国籍、科学、工学、あるいは数学の定められた学位、専門家としての3年以上の経験、ジェット機での1000時間の飛行経験などだ。
さらにそのあとには、ハーバード大学に入るよりも74倍難しいと言われる厳しい審査プロセスが待っている。NASAは2、3年に一度、宇宙飛行士候補生の選考を行う。2017年には1万8300人が応募、合格者はわずか12人。
では、NASAは宇宙飛行士の経験、長年の訓練、命を危険に晒すリスクをいとわない意欲に対して、いくら払っているのだろうか?
NASAのウェブサイトのFAQページを見ると、年収は「連邦政府の一般給与表のGS-12からGS-13に基づく」ものとなる。
また「各自の給与グレードは、学術的な功績や経験に基づいて決定される」とNASAは補足している。
これらの給与グレードは、多くの政府機関で働くホワイトカラーの給与を決定する際に使われ、求められる能力や勤務年数などによって、さらに1〜10のステップに細かく分けられている。
米人事管理局(US Office of Personnel Management:OPM)が基となる額を決定しており、額は毎年変更される。
アメリカ政府は宇宙飛行士にいくら払っているのか?
国際宇宙ステーションの外で活動するNASAの宇宙飛行士マイク・ホプキンス氏。この写真が撮影された2013年12月24日当時、多くの宇宙飛行士の年収は9万3175ドルだった。
NASA
2018年、OPMの給与表によると、新人宇宙飛行士はGS-12のステップ1に該当し、年収は6万3600ドル(約680万円)。その後の数年で優秀な実績を収めると、GS-12のステップ10となり、年収は8万2680ドル(約880万円)となる。
一方、より上のGS-13に該当する宇宙飛行士は、ステップ1で7万5628ドル(約810万円)、数年後にステップ3に昇格すれば、9万8317ドル(約1050万円)となる。
だが、宇宙飛行士のグレードがずっとGS-12、GS-13に留まるわけではない。給与表の一番上のGS-15のステップ10になれば、年収12万ドル(約1300万円)以上を受け取ることも可能。役職や責務、実績次第だ。
「一般人が宇宙飛行士候補生に選ばれた場合、グレードはGS-12かGS-13から始まることが多い。もちろん、より高いグレードの人もいる」と元宇宙飛行士のウィリアム・ビル・マッカーサー(William "Bill" McArthur)氏はBusiness Insiderへのメールに記した。
「現役だった頃、つまり2001年〜2007年、私のグレードは給与表の一番上だった」
[原文:Here's how much an US astronaut can earn working for NASA]
(翻訳:まいるす・ゑびす/編集:増田隆幸)