出場した起業家。左から、SHE 中山紗彩さん、オマツリジャパン 加藤優子さん、TOKIMEKU JAPAN 塩崎良子さん、Lead Tech 木村アリサ祐美さん。右端はモデレーターのiSGSインベストメントワークス 佐藤真希子さん。
2月22日〜23日に東京・渋谷で開催されたダイバーシティカンファレンス「MASHING UP(マッシングアップ)」。
国内外で活躍する4人の女性起業家によるビジネスコンテスト「エレベーターピッチ大会」では、病と闘う人のためのケア・介護用品ファッションブランド「KISS MY LIFE」を展開するTOKIMEKU JAPANを2016年に創業した、塩崎良子さんが優勝した。TOKIMEKU JAPANは現在病院内などに8店舗を展開している。
出場した起業家一覧
- 【優勝】ケア・介護用品ファッションブランド「KISS MY LIFE」/TOKIMEKU JAPAN(塩崎良子さん)
- 女性のための月額定額制レッスンクラブ「SHElikes」/SHE(中山紗彩さん)
- 人事系AIプラットフォーム「Lead」/Lead Tech(木村アリサ祐美さん)
- お祭りプロデュース事業「オマツリジャパン」/オマツリジャパン(加藤優子さん)
審査員一覧
- ロフトワーク代表取締役 林千晶氏
- コンデナスト・ジャパン社長 北田淳氏
- みずほ銀行イノベーション企業支援部長 大櫃直人氏
- ブレインパッド代表取締役会長 草野隆史氏
- レノボ・ジャパン代表取締役社長 留目真伸氏
- ファンコミュニケーションズ代表取締役社長 柳澤安慶氏
- 産経デジタル代表取締役社長 鳥居洋介氏
優勝したのはケア・介護用品のファッションブランド「KISS MY LIFE」を展開する、TOKIMEKU JAPANの塩崎良子さん。アパレル会社を経営していた塩崎さんは2014年に若年性乳がんを発症。その闘病体験が起業のきっかけになったという。
「デザインがダサくて着けるのが苦痛だった商品を、明るく華やかなものに」と、ファッション性を備えた脱毛用の帽子や介護シューズ、杖、スカート型のブランケットなどを販売。
病院内にケア・介護用品のセレクトショップとコミュニティスペースを兼ね備えた店舗を開店。施設内の空きスペースに設置できるワゴン型ショップもオープン。現在8店舗があり、今春さらに7店舗のオープンが決まっている。
全国の病院数は約2万2000カ所。大きな病院だと一日の来院者数が約5000人だという。「病気になることや介護が必要になることは誰もが将来経験し得る。人生のいかなる時も自分らしく生きられる社会をつくりたい」と語った。
流通が硬直したケア・介護用品の業界を突破するため、ブランドのストーリー性を重視。病院に出店するときも事業の背景などに共感してもらうところから始めるという。
ピッチイベントにはスタートアップ関係者を含めた多くの人が来場。審査は(1)ビジネスとしての可能性 (2)社会的意義 (3)起業家のパッション (4)イベントコンセプトとの親和性 の4つを基準に行われた。
(文・写真、西山里緒)