仮想通貨の資金調達「ICO」のルール作り、永田町で議論 —— 与野党キーマン「3月に一定の結論」

2017年秋以降、日本国内でも事例が出てきた、仮想通貨を用いた資金調達ICO(Initial Coin Offering)。海外では、ICOの事例が増加する一方で、資金を調達した後に連絡が取れなくなったり、資金を持ち逃げしたりするケースが報告されるなど、大きな課題も抱えている。

仮想通貨

2017年にはICOで約65億ドル(約7000億円)の資金調達が行われたが、2018年はそれを超えるペースで調達額が増えている。

写真:今村拓馬

こうした中で各党は、ICOの規制に向けて、急速な議論を進めている。自民党・IT戦略特命委員会とFinTech推進議員連盟(議連)はそれぞれ、ICO規制について早ければ3月末までに一定の結論を出す方針だ。同委員会特命委員長と同議連会長を務める平井卓也・衆議院議員が、Business Insider Japanの取材に語った。

平井卓也衆議院議員

ICOの規制について3月末までに一定の結論を出したいと話す自民党・平井卓也衆議院議員。

平井氏は「ICOはスタートアップ(の資金調達)などイノベーションを起こすという意味で有効に使える道はあるはずだが、今はどちらかというと、大変危険な、詐欺まがいのものがごちゃ混ぜになっている」とした上で、「現状は何でもアリだから今後ある程度厳しくした方が良いと思っている。健全なものと危険なものを何らかの形で仕分けしたい」と話す。

2018年はすでに1800億円を調達

調査会社Token Reportによると、世界のICOによる資金調達は2018年(2月23日時点)、すでに約480件に達している。調達総額は約16億6000万ドル(約1800億円)。暗号化メッセージアプリのTelegram(テレグラム)は1月29日にトークンを売り出し、約3週間で81人の投資家から約8.5億ドル分(約900億円相当)の資金を調達した。エストニアは政府として世界で初めてICOの実施を検討しており、今後地方自治体などが実施する可能性もある。

立憲民主党経済産業部会に所属し、東証一部に上場したIT企業の役員を務めた経験のある中谷一馬・衆議院議員も同様の見解を示した。

「過度な規制になることは望んでいないが、ICOのルール整備を早急に進めていくべきだ。カナダでは州がICOの各プロジェクトの安全性を判断している。これは日本でも検討の余地がある」

ホワイトペーパー

ICOではホワイトペーパー(事業計画書に相当)を作成するが、結局プロジェクトが実施されなかったり、約束されていた商品やサービスが提供されないリスクがある。

REUTERS/Bobby Yip

慎重なアメリカ、積極的なカナダ

アメリカでは米証券取引委員会(SEC)が未登録のままICOで調達した資産を凍結するなど、ICOに対して厳しい態度だが、隣国カナダは積極的な姿勢を見せている。2017年8月にはカナダで初めて、政府がICOを承認した。

カナダのケベック州金融市場庁は、スタートアップimpak CoinのICOの安全性を承認。ブリティッシュ・コロンビア州証券委員会(BCSC)も同月、仮想通貨関連の金融商品を提供するFirst Block Capital Inc.を国内初の仮想通貨の資産運用会社として承認した。

一方、日本国内では2017年に100億円以上の資金調達に成功したとするICOもあるが、金融庁は2017年10月27日にICOについて注意を促す文書を公表した。11月10日に公表した金融行政方針の中でもICOに触れ、「詐欺的なICOに対しては、関係省庁と連携して対応していくとともに、業界による自主的な対応の促進や利用者及び事業者に対するICOのリスクに係る注意喚起等を通じて、利用者保護を図っていく」と警戒色をにじませている。

2018年2月13日には金融庁が、マカオに本拠地を置くブロックチェーンラボ社に対し、日本で仮想通貨交換業者の登録申請をせずにICOの営業・勧誘をしているとして、資金決済法と金融商品取引法に基づき警告した。

ICOをめぐるルールづくりでは今後、永田町での議論の行方が注目される。

(文、写真・室橋祐貴)

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