「若者の8割が自分の収支状況を把握できていない」—— 金融リテラシー調査報告

金融教育や資産運用のアドバイザーツールを提供する株式会社Good Moneygerが行った「金融リテラシーに関するアンケート調査」で、アンケートに答えた20代・30代前半の約8割が自身の収支状況を十分に把握できていないことがわかった。

株価

REUTERS/Issei Kato

金融リテラシーよりも仮想通貨を知っている若年層

調査は2018年2月、大学生・大学院生200人、若手ビジネスパーソン300人の計500人を対象に実施。リサーチ会社の協力を得ながらインターネット上で行った。回答者は東京都と神奈川県在住の人が約30%と首都圏がやや多いが、全国から回答を得ている。

近年、FinTechが台頭し、「*金融リテラシー」の重要性が叫ばれているが、日本人の金融リテラシーは極めて低いと言われる。

金融リテラシー:金融に関する知識や情報を正しく理解し、自らが主体的に判断することのできる能力であり、社会人として経済的に自立し、より良い暮らしを送っていく上で欠かせない生活スキル(日本証券業協会)

今回、金融関連ワードの認知率について調べたところ、「金融リテラシー」の認知率は47%。一方、「仮想通貨」は72.8%と大半の人が知っている結果となった。また、「ICO」や「トークンエコノミー」「ブロックチェーン」など仮想通貨に関連するワードも3〜4割の人が認知しており、若年層に仮想通貨が浸透していることがわかる。

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iDECOやつみたてNISAよりも仮想通貨の認知率が高い。

出典:株式会社GoodMoneyger

金融への無関心と不信感

一方で、ニュースなど経済に関する情報を日常的にチェックしている人は少なく(11.6%)、「自身の収入や支出の状況をきちんと把握している」人はわずか23.2%。 つまり、自身の収支状況を十分に把握できていないと感じている人は、若年層の約8割を占めることになる。

こうした金融リテラシーの低さに対する自覚もあり、約9割(93%)が「自身の金融リテラシーは高くはないと思う」と答えている。

金融リテラシー調査

自身の金融リテラシーが低いと思っていてもニュースをチェックしたりはしていない。

出典:株式会社GoodMoneyger

GoodMoneygerは今回、日本人の金融リテラシーに対する問題意識についても調査している。

調査では、「日本人の金融リテラシーの 低さに対して、問題だと感じますか?」と聞いたところ、「問題だと感じる」と回答した人は60.2%にとどまり、若年層の約4割が、日本人の金融リテラシーの低さに対して問題意識を抱いていないということがわかった。

こうした問題意識や金融への関心の低さについて、「金融・投資商品の保有率の低さ」が要因の一つではないかと、今回調査を実施した株式会社Good Moneygerは分析。実際、今回の調査結果によって、若年層の大半が金融・投資商品を保有したことがないことがわかっている。

最も保有率・購入経験率が高かった「株式」でさえ保有率は11.8%で、これまでに購入した経験がある人も15.6%。金融・投資商品全体では、保有率は21.8%で、購入経験率も25.4%にとどまる。

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ほとんどの若年層が金融・投資商品を購入したことがない。

出典:株式会社GoodMoneyger

金融・投資への不信感が根強いこともわかった。

今回「金融・投資と聞いてイメージするもの」を自由回答形式で答えてもらったところ、「ギャンブル」「リスク」「お金もうけ」「騙されそう」「お金がなくなる」といった、ネガティブなイメージを1つでもあげる人は3割以上を占めた

一方、金融・投資商品の購入経験者と非経験者では、金融リテラシーに対する意識や行動が異なることも明らかになっている。

「ニュ ースなど、経済に関する情報を日常的にチェックしている」という人は、購入経験者と非経験者でそれぞれ26.8%と6.4%。「自身の収入や支出の状況をきちんと把握している」という人は、それぞれ41.7%と16.9%と、大きな差が見られた。

さらに、購入経験者の7割以上(73.2%)が「金融業界の変化は、若者にとってチャンスだと感 じる」と回答しており、近年の金融業界の変化に対してポジティブにとらえている様子も明らかになった。

現在、金融庁では年代別に最低限身につけるべき金融リテラシーの内容を示した「金融リテラシー・マップ」を作成するなど、2013年以降啓蒙活動に力を入れている。しかし、今回の調査によって金融リテラシーが依然として極めて低いことが浮き彫りとなった。

今回の調査対象者が特別に年収が低い層というわけではない。学生が4割を占めるため、年収300万円以下の人が過半数を超える(55.2%)が、若手ビジネスパーソン(34歳以下)に限定すれば、約半数が年収300万円以上(男性ビジネスパーソンの23.3%が年収500万円以上)と同年齢層の平均年収に近い層から回答を得ている。

(文・室橋祐貴)

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