[更新]なぜ? auとソフトバンクの「テザリング実質有料化」 —— ドコモは有料化の予定なし

テザリングするスマホ

いまは無料で使えるスマホのテザリング機能が、これから大手キャリアでは有料になる。

auブランドを展開するKDDIが3月2日、テザリングオプションに関する価格改定を発表し、ネット上で論議を呼んでいる。

これまで、KDDIを含め国内3キャリアは割引などのキャンペーンを適用することで、実質的に「テザリング」オプションの料金をとってこなかった。

今回、KDDIが発表したのは、同社のデータプラン「データ定額20/30」において、テザリングオプションの料金を500円徴収する(厳密には、無料キャンペーンを廃止し、従来の月額1000円から月額500円に「値下げ」する)というもの。

この「テザリング実質有料化」は、実はソフトバンクも同じ状況だ。Twitterなどでは、利用者を中心に「テザリングが有料とは時代錯誤ではないか」という声が多数挙がっている。

ユーザーは通信容量を「購入」しているのではない?

テザリングの設定画面

特にビジネスの場において、もはやテザリングは「当たり前」の機能ではないのか。

そもそも、テザリングオプションは、LTE(4G)が登場する以前の「3G」通信が主流だった頃の料金体系の名残名だ。

当時は、いまほど通信帯域に余裕がなかった。そのため、スマホの登場で急増した通信量に加え、テザリングを通してPCなど外部の機器がつながれば、ネットワーク負荷がさらに高まり、快適さが損なわれる可能性があった。

そのため、各社はテザリング機能の利用をオプションとし、利用するユーザーに負担を求めたが、実際には“期間限定のサービスで0円”が定着していた。

しかし、現代はLTE(4G)が主流になり扱えるデータ量が増加。さらに、多彩な種類のプランがある格安SIMの登場で、ユーザーは以前に増して「通信事業者から、毎月使うデータ量を買っている」という認識が広がってきている。

この時期になぜ、大手キャリアはテザリングオプションの有料化をはかるのだろうか?各社広報に問い合わせた回答は次の通りだ。

NTTドコモ広報部

ウルトラパックのテザリング利用料については、ドコモにおいて大容量パケットパックの導入は初めての取組みであり、テザリング利用による想定していないような通信トラフィックが発生することで、ネットワーク設備に過剰な負担が生じ、他のお客様の利用に影響を及ぼすようなことがないか状況を確認するために、テザリング料金を設定いたしました。

その上で、現時点では特にネットワーク設備への影響は発生していないことから、期限を定めないキャンペーンとして無料とさせていただいております。

ただ、今後テザリング利用により想定していないような通信トラフィックが発生し、ネットワーク設備に過剰な負担が生じることで、他のお客様の利用に影響を及ぼすようなことが発生した際は、キャンペーン終了を含め、対応を検討いたします。

KDDI広報部

「テザリング機能については、たくさんのニーズがあり、技術的な進化もあり、弊社としては今後も提供を続けていきます。auでは新プラン『auピタットプラン』『auフラットプラン』により通信費自体を抑える取り組みをしております。テザリングを利用される際には、オプションという形でご加入いただきたいと考えております」

ソフトバンク広報部

「弊社としては、通信機をアクセスポイントとして利用するための費用としてオプション料金をいただいています。2018年3月分まではより多くの方に、この機能の利便性を体験していただくためのキャンペーンとして無料にしてきました。ワイモバイルとしては、ブランドとしての方針の違いもあり、無料とさせていただいております」

状況が複雑なソフトバンク、ドコモは「課金なし」の見通し

通信キャリアとしては、「テザリング機能=有料」のものと位置付けたいという思惑が見え隠れする。KDDIは、オプション料金や通信費自体を安価にすることで、ユーザーに対し理解を求めている。

状況が複雑なのはソフトバンクで、サブブランドであるワイモバイルでは4月以降も無料なのに、よりサービスレベルが高いはずのフルキャリアであるソフトバンクで実質有料化、というちぐはぐな状況になった。この理由についても問い合わせたが、明確な回答は得られていない。

国内最大勢力であるドコモは、現時点においてはテザリング利用料は不要と考えているようだ。しかし、ほか2キャリアと足並みをそろえることはないのか、今後の発表には注視が必要だ。

なお、原稿執筆時点で、各社が予定している4月利用分からのテザリング料金の詳細は以下のとおり。

NTTドコモ

月額無料(無期限の無料キャンペーンを実施中)
ウルトラシェアパック100、ウルトラシェアパック50、ウルトラシェアパック30、ウルトラデータLLパック、ウルトラデータLパック、ウルトラビジネスシェアパック100、ウルトラビジネスシェアパック50、ウルトラビジネスシェアパック30

オプション料金なし 上記以外のプラン

au

月額500円(税抜)
auピタットプラン、auフラットプラン20/30、データ定額20/30、下記以外のデータ(パケット)定額サービスまたは料金プラン

月額無料
データ定額1/2/3/5、シニアプラン、ジュニアスマートフォンプラン、カケホ(ケータイ)、スーパーカケホ(ケータイ)、VKプラン、VKプランS、VKプランM、LTEプランS、データ定額1cp/3cp/5cp、データ定額1cp(auスマホはじめるプログラム専用プラン)、データ定額8/10/13、データ定額cp(0.8GB)

ソフトバンク

月額500円(税抜)
データ定額 50GB/20GB/30GB、家族データシェア 50GB/100GB、法人データシェアギガパック(50)/(100)

月額無料
データ定額ミニ 1GB/2GB、データ定額 5GB、データ定額S(4Gケータイ)

2年間無料、3年目から月額500円(税抜)
上記以外のプラン

ワイモバイル

オプション料金なし 全プラン

編集部より:NTTドコモ広報部からの回答を反映し、一部表現などをアップデートしました 2018年3月5日 14:45

(文、撮影・小林優多郎)

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