テザリング「有料化」auとソフトバンクに批判の声「牛丼の無料配布よりやるべきことがある」

スマホのテザリング機能

キャリアの「テザリング利用料」はなくならないのか?

2018年4月利用分より、国内通信キャリア大手でauブランドを展開するKDDIとソフトバンクは、それぞれの大容量データプランの契約者を中心に、テザリングオプションを実質有料化する。

Twitterでは「格安SIMでは無料で使えるのになぜ?」「(各社が契約者向けに無料プレゼントしている)牛丼やアイスを配るより、やることがあるのでは?」といった指摘が相次いでいる。

関連記事:[更新]なぜ? auとソフトバンクの「テザリング実質有料化」 —— ドコモは有料化の予定なし

最大手・NTTドコモは「有料化の予定なし」

NTTドコモ 報道発表

NTTドコモは、大容量プランについて当初は有料化を検討していたが、その後「終了期限を定めずに無料」としている。

NTTドコモ

NTTドコモ広報部はBusiness Insider Japanの取材に対して、明確に“現時点では、有料化の予定はなし”と語っている。具体的なやりとりは次のとおりだ。

Q. テザリング利用料の設定理由はなんでしょうか?

ドコモ広報部:
ウルトラパックのテザリング利用料については、ドコモにおいて大容量パケットパックの導入は初めての取組みであり、テザリング利用による想定していないような通信トラフィックが発生することで、ネットワーク設備に過剰な負担が生じ、他のお客様の利用に影響を及ぼすようなことがないか状況を確認するために、テザリング料金を設定いたしました。

その上で、現時点では特にネットワーク設備への影響は発生していないことから、期限を定めないキャンペーンとして無料とさせていただいております。

Q. 2018年4月1日以降、ドコモのテザリング利用料はどうなりますか?

ドコモ広報部:
現時点では特にネットワーク設備への影響は発生していないことから現在のテザリング無料キャンペーンを継続いたします。

ただ、今後テザリング利用により想定していないような通信トラフィックが発生し、ネットワーク設備に過剰な負担が生じることで、他のお客様の利用に影響を及ぼすようなことが発生した際は、キャンペーン終了を含め、対応を検討いたします。

Q. ウルトラパック以外のデータ料金に、テザリング利用料を設定する予定はありますか?

ドコモ広報部:現時点では考えておりません。

つまり、NTTドコモとしては、当初予定していたキャンペーン期間中に、想定していたほどのネットワーク負荷がかからなかったため、テザリング無料化に踏み切ったというわけだ。

auとソフトバンクでキャリア離れは加速するのか?

ワイモバイルのテザリング

例えば、ソフトバンクのサブブランド「ワイモバイル」では、メインのソフトバンクとは違いテザリング利用料が発生しない。

auとソフトバンクでややこしいのは、両社のサブブランド(「UQ mobile」と「ワイモバイル」)では、そもそもテザリングは無料で利用できることだ。KDDIについては、2017年1月よりKDDIの完全子会社となっているビッグローブの「BIGLOBE mobile」もテザリングは無料。料金プランに奇妙なねじれが発生している。

「格安SIMより高い金額を毎月払っているのに、なぜ追加で料金を払わなければならないのか」とユーザーが思ったとしても仕方がない。

auとソフトバンクの大容量プランなどでテザリングを使っている人たちはどう感じているのか? Twitterでの反応を見る限り、仮想通信事業者(以下、MVNO)が提供するいわゆる「格安SIM」への乗り換えを検討するという発言が多数ある。MVNOでは、一般的にテザリング利用料の徴収は行われていないからだ。

Business Insider Japanでは、そのようなユーザーの不満についてKDDIとソフトバンクの広報に問い合わせた。

Q.「サブブランドとの料金差」「テザリング機能への課金の妥当性」に疑問が上がっていますが、御社のお考えをお聞かせください。

KDDI広報部:
テザリングについては、スマホ単体での通信とはトラフィックパターンが異なり、ネットワークに与える負荷も高いことから、一定のご負担をお願いしたいと考えております。

必要なお客さまにのみオプションとして選択していただくことで、auピタットプラン・auフラットプランのように、従来よりもさらに廉価な料金プランを実現できているため何卒ご理解いただきたいと考えています。

また、UQモバイルは独立のMVNOであり、料金設計についても各社独自の判断で行っております。

ソフトバンク広報室:
“ソフトバンク”と“ワイモバイル”では、ブランドごとにサービスの提供方針が異なります。
“ソフトバンク”では、Wi-Fi対応のパソコンやゲーム機などから、スマートフォンもしくは4Gケータイをアクセスポイントとして通信機能を利用するための料金として、テザリングオプションの料金をいただいています。

Q.このような反響を受けて、テザリングオプションについて再検討の予定はありませんか?

KDDI広報部:
無料キャンペーン再延長、およびオプション料金の変更の予定は、現時点ではございません。

ソフトバンク広報室:
テザリングオプション無料キャンペーンは3月末で終了する予定です。

両社共に、現時点ではテザリング利用者への理解を促している。

「たかが500円」とはならないユーザーの心情

auとソフトバンク

auとソフトバンクのテザリングユーザーには、慎重な判断が求められる。

この問題は結局、ユーザーが月額料金として支払っている通信容量は、「自由に通信をする権利」なのか「スマホのみで使える権利」なのかという議論だ。その点では、ドコモが言う「特にネットワーク設備への影響は発生していないことから、(テザリングは)期限を定めないキャンペーンとして無料」という主張は、公平で理にかなったものに思える。

もちろん、テザリング機能を使ってPCからスマートフォン経由でインターネットにつないだ場合、スマートフォン単体で利用するよりも一度に多くのデータをやりとりする可能性は高まる。だとしても、それによる過度な回線混雑やスピード減少の兆候が出た段階で、設備投資や「有料化」を検討しても遅くはないはずだ。

容量20GBなどの大容量通信料をあえて負担しているユーザーの心情としては、「たかが500円のテザリング代」とはなかなか思えないのではないだろうか。

編集部より:申し入れにより、一部コメントの内容を改めました。2018年3月7日 11:15

(文、撮影・小林優多郎)

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