認知度ゼロ、英語力なし —— ローソンはハワイ事業をなぜ黒字化できたのか

ローソンがグローバル化を加速させている。 海外店舗の実数ではまだ一部競合に及ばないものの、最近急速に海外の店舗数を伸ばしている。

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ハワイに現在2店あるうちの1店、モアナサーフライダー店。

ローソン提供

中国に初めて出店した1996年以来、インドネシア、タイ、フィリピンとアジアを中心に店舗を拡大してきた。現在、海外には約1600店を展開している。

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いずれも年末時点の店舗数。

2012年、ローソンの海外事業本部では、ハワイへの出店という話が持ち上がっていた。同社初のアジア外への出店だ。

「社内公募で海外事業本部への異動に手を挙げ、着任後はハワイ事業会社の立ち上げ担当の一人になりました」

そう話すのは、ローソンの加藤慎也さん(36・アジア・パシフィック事業本部 アジア・パシフィック営業支援部マネジャー)。2004年に入社し、店長、スーパーバイザーとして国内の店舗運営について経験を積んできた。

「当時はまったく英語が喋れませんでした。ハワイは日本人観光客も多く、日系企業も複数あるため、ある程度日本語が通じると聞かされていましたが、行ってみるとそんなことはなかった(笑)」

最初は日本の本社で、現地社員の教育体制確立をはじめとした事業会社設立に関わる業務に従事。約半年後の2012年6月、現地運営責任者として1人で赴任した。1カ月後の7月に1号店を開店。ハワイには多い時で4店舗あったが、現在は2店舗。黒字化しているという。

その理由を、直営により効率的な経営ができていること、売り上げが安定して伸びていることと話すが、そこに至るまでにはさまざまな壁にぶつかった。

最も大きかったのは、社内で海外事業のノウハウが整理しきれていなかったことだ。

「ハワイ以前の海外進出は中国、インドネシアの2カ国。中国にはすでに現地採用の社員が多数おり、経営の中枢を担っていました。インドネシアでは現地パートナーが小売り大手であり、ノウハウの共有ができました。一方、ハワイは直営で、採用した現地の従業員には小売りの経験もなかったため一からの体制作りが必要でした」

従業員は全員、現地の人を採用した。

「ハワイは“スロー”な文化。日本ならその場で完結できることが、数日かかっても終わらないといったこともしばしばでした」

1号店の場所はワイキキにあるホテル「シェラトン ワイキキ」内で、ターゲットは日本人観光客。加藤さんは店舗運営、商品、物流、会計、ITの仕組み作りなどすべてに関わった。店舗数は少ないものの短期間で黒字化できた理由を、加藤さんは的確なマーチャンダイジング(商品施策)を行ったことだと話す。

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ハワイ第1号店はシェラトンワイキキ内にある。

ローソン提供

「日本人の宿泊客が平均6割というホテル内にあり、夏休みと冬休みに利用が増える立地。旅行の後半になると、多くの日本人は味の濃いレストランでの料理に飽きてきます。それを狙って、おにぎりやおでんなどの日本食を充実させました」

日本人好みの土産物を取りそろえることも意識した。

一方、小売りの要の「物流」では、規模の問題などで日本のようなDC(Distribution Center物流センター)一括納品ができず、約50社にのぼる現地のベンダーからそれぞれ納品される状況だった。当然作業は煩雑になる。日本の商品担当者や現地スタッフの協力を得て、一連の流れを効率することに務めた。

言語の壁、文化の違い、社内のノウハウをそのまま持ち込めないという問題。これらをどう乗り越えてきたのか —— 。

Business Insider Japanでは、海外ビジネスの成功と失敗について、実際に事業をリードしてきた方々に聞くトークイベントを、3月14日に行います。ローソンのほか、リクルート、旭硝子の海外事業担当者も登壇。登壇者も交えたネットワーキングの時間もあります。

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