北朝鮮はアメリカの圧力に本当に屈したのか? 韓国は成果をアピール、だがトランプ大統領や専門家は懐疑的

軍の高官に囲まれる金正恩氏

金正恩氏はトランプ大統領をだまそうとしているのか?

Reuters / KCNA

  • 韓国は、北朝鮮がアメリカとの対話を実現するため、大きく譲歩しそうだと話している。
  • 金正恩氏がトランプ大統領の圧力に屈した可能性もあるが、そう見せかけているだけの可能性もある。
  • 北朝鮮はこれまでにもアメリカと非核化の対話に入ったことがある。だが、何の進展もなかった。

韓国の大統領府は6日、北朝鮮が非核化についてアメリカと対話する意向を示したと発表した。国際的な圧力が高まる中、北朝鮮が大きく譲歩したように見える。

青瓦台は、以下の5つの点で北朝鮮と合意したと述べている。

  1. 韓国と北朝鮮は4月に板門店で再び会談を行う。
  2. 金正恩氏と韓国の文在寅大統領は、緊張を緩和し、互いの利益になる問題について話し合うため、ホットラインを設ける。
  3. 北朝鮮には非核化の意思があり、その安全が保障され、北朝鮮がアメリカの侵攻を恐れる必要がない限り、朝鮮半島の核問題についてアメリカと率直に話し合う意思がある。
  4. 北朝鮮は、アメリカとの外交的な対話を続けている間は、ミサイルや核の実験を行わない。韓国は、金正恩氏の方からこれを提案したと言い、4月に予定されている米韓合同軍事演習の延期は求めなかったと話している。
  5. 北朝鮮は韓国に対し、核兵器やその他の武器を使う意思はない。

額面通りに受け取れば、これは、金正恩氏が心を変えて、武器を捨てることへの関心を示し、暴力を否定し、非武装化に向かえばアメリカは攻撃してこないと信じていることを表しているのかもしれない。

だが、北朝鮮は数十年にわたってプロパガンダを使い、アメリカに激しく対抗してきた。北朝鮮の言葉を言葉通りに受け取るのは、賢い選択とは言えない。トランプ大統領も信じてはいないようだ。

「むなしい期待かもしれない」報道に触れたトランプ大統領はツイートした。「だが、アメリカはいずれの方向にも進む準備はできている! 」

ジョージ・W・ブッシュ政権下で非核化をめぐる交渉から北朝鮮がいかにして手を引いたかを考えれば、北朝鮮に対して懐疑的なトランプ大統領の姿勢は正しいのかもしれない。

北朝鮮に対する国際的な圧力がこれまでになく高まり、制裁が強化される中、北朝鮮経済は大きな打撃を受けている。スティムソン・センターの北朝鮮の専門家、Yun Sun氏はBusiness Insiderに対し、金正恩氏はアメリカとの対話を提案することで「時間稼ぎをしている可能性もある」と語った。

経済が危機的な状況にある中、北朝鮮は過去同様、非核化について議論する代わりに一部の制裁を緩和させ、その後、対話の扉を閉めて核開発に戻って行くのではないかと、Sun氏は指摘する。

だが、過去とは状況が異なる。金正恩氏と直接会った国家元首はいない。同氏がアメリカとこうした外交を試みたことも、こうしたコンテクストで非核化を議論したこともない。

韓国と北朝鮮の6日の会談が歴史的な外交上の突破口になるのか、それとも、アメリカを北朝鮮との戦争に近づける新たな発端になるのか。時が経たなければ分からない。

[原文:Kim Jong Un appears to have totally caved to Trump's pressure — but it could be a trap]

(翻訳、編集:山口佳美)

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