グーグルの元人事トップが語る、最高の人材を採用するための4原則

ラズロ・ボック(Laszlo Bock)氏

AIで働き方を改善する企業HumuのCEO、ラズロ・ボック氏は2016年にグーグルを去った。しかし、同氏が作り上げた方針はグーグルおよび親会社のアルファベットにまだ引き継がれている。

Neilson Barnard/Getty Images

  • グーグルの元人事トップのラズロ・ボック氏は、2015年に出版した著書『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える(原題:Work Rules!)』で、グーグルのマネジメントの基本な考え方をまとめた。
  • グーグル、そしてアルファベットが世界で最も成功している企業となった大きな理由は、採用に関して細かい点にまで行き届いたアプローチを取っているから。
  • ボック氏が採用において最も重要したことは、妥協せずに高い基準を設定し、採用候補者の同僚となる可能性のある社員を採用プロセスに含めること。

毎年、グーグルには世界中から200万を超える履歴書が届く。採用されるのは数千人のみ。

採用が決まるまでの期間は平均6週間で、全ての候補者は採用された場合に一緒に働くであろう上司および同僚、そして採用委員会によるチェックをパスしなければならない。

「このプロセスにグーグル社員の時間が大量に割かれているのではないかと思った人、その通りだ」と、元グーグル人事トップ、ラズロ・ボック(Laszlo Bock)氏は、2015年に出版した著書『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える(原題:Work Rules!)』に記した。

ボック氏は2016年末にグーグルを去ったが、同氏が築いた方針はいまだにグーグル、そして親会社アルファベットに引き継がれている。

ボック氏によると、グーグルの黎明期には、採用プロセスに管理職の時間が毎週4~10時間割かれ、幹部も丸1日を費やしていた。だが2013年までに同社の従業員数は4万人に増えたが、採用にかける時間は1週間に1.5時間程度に短縮された(ちなみに現在、グーグルの従業員数は6万人を超える)。

長年にわたる研究と試行錯誤により、グーグルは卓越した人材を採用することにかけては、もはや科学と呼べるレベルに到達していると同氏は説明している。

「小さなチームであろうと、採用プロセスをより向上させることができる4つのシンプルな原則がある」

ボック氏が語る4原則を見ていこう。

その1:高い基準を設定し、妥協しない

グーグルのCEO、サンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)氏

グーグルのCEO、サンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)氏

Justin Sullivan/Getty Images

ハードルを高く設定し、妥協しない。そうすれば応募者を1次面接に進めるか否かを素早く見極めることができる。

「採用活動を始める前に、どんな人材が欲しいか、素晴らしい人材とはどんな人材なのかを定義する。経験的に言えば、自分よりも優秀な人だけを採用すると良い」

これはどの役職を採用する場合にも当てはまると同氏。例えば、秘書なら、ただ電話応対やミーティングのスケジュール管理ができる人材ではなく、時間と優先順位をあなたよりもうまく管理し、あなたの仕事をよりスムーズにしてくれる人材を見つけることだ。

もし、採用に思った以上に時間がかかっても、焦らずに、より力を注ごう。

「妥協してはいけない」とボック氏。

「絶対に」


その2:候補者を自分たちで見つけよう

パソコンを挟んで話し合う男性2人

Google

グーグルも人材紹介企業の力を借りる時があるが、それは海外で新しくチームを作るなど、外部の専門性が必要になる特別な時のみ。

過去にはMonsterのような外部のサービスを使っていたこともあった。しかし自社の評判が高まり、ユーザーから大量の応募書類が送られてくるようになってからは、利用を取りやめた。

同社は現在、自社サイトの採用ポータルと社員による紹介を活用している。会社の成長が軌道に乗ってきたら、「良質な人的ネットワークを持っている人たちに、優秀な人材を探してもらえるよう依頼しよう」とボック氏は述べている。

同氏はまたLinkedIn、グーグルプラス、OBのデータベース、職能団体を活用して、人材を発掘することも勧めている。

その3:客観的に判断するために、複数の視点でチェックしよう

笑顔でパソコンに向かう男性

Spencer Platt/Getty

グーグルのような大規模な組織には、1人の候補者の採用に多くの人数を割く余裕がある。だが、たとえ小規模な組織であっても、1人に誰かを採用する重荷を課すことは避けるべき。

「部下や同僚も面接に出席させて、しっかりとメモを取らせ、そしてバイアスがかかっていないグループに実際の採用可否を決定させよう」とボック氏。

「面接官がとったメモを定期的に見直し、採用された新入社員の実際の働きぶりと比較することで、自分たちの評価能力を磨くことができる」


その4:候補者が入社したいと思える理由を提示しよう

マウンテンビューにあるグーグルの本社

マウンテンビューにあるグーグルの本社

Justin Sullivan/Getty Images

アルファベットのCEO、ラリー・ペイジ氏のアドバイザーを務めるジョナサン・ローゼンバーグ(Jonathan Rosenberg)氏は、かつて自分のオフィスにグーグル社員200人の履歴書を保管していた。

「候補者がグーグルに入社するか否かを決めかねている時、ジョナサンはただ履歴書の束を渡して、こう言う。『こんな人たちと働くことができる』と」

ボック氏によると、候補者はJavaScriptの発明者からオリンピック選手までが含まれる輝かしい履歴書の束を目にして、ローゼンバーグ氏にトップ人材だけを厳選したのかと質問する。ローゼンバーグ氏はただノーと答えるだけ。このテクニックが失敗することはなかった。

「あなたが取り組んでいる仕事がなぜ重要なのかを明確にし、入社後に素晴らしい人材と一緒に働くことができることを実感させる」とボック氏は述べた。

[原文:Google's former HR boss shared the company's 4 rules for hiring the best employees

(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)

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