Twitterにとって日本は最重要市場だ —— 決算を読み解く

今日の記事では、久しぶりにTwitterを取り上げたいと思います。

各種ニュースでも、遂にTwitterが最終利益ベースで黒字に転換したという報道がいくつかありましたが、今日の記事では一体どういった理由で黒字に転換したのかを詳しく見ていきたいと思います。

売上はYoY+2%に留まる

決算発表資料:売上

2017年10月〜12月期の決算発表資料から、まずは売上を見ていきます。

四半期当たりの売上は$732M(約732億円)で、YoY(前年比)+2%となっています。

これだけを見ると成長が止まってしまっているようにも見えますし、広告売上はYoY+1%と、ほぼフラットな状況でもあります。

ついに...ようやく黒字化!

GAAPベースでの営業利益

一方で、GAAPベースでの最終利益を見ると、ついに四半期当たりの利益が$91M(約91億円)と、黒字に転換しました。

利益率は12%と、決して悪くない水準です。

では一体どういった理由で黒字に転換したのでしょうか。

調整後EBITDA利益率は42%

EBITDAベースでの営業利益

Twitterは、このグラフを見ると分かる通り、調整後EBITDA(編集部注:企業価値評価の指標で、利払い前・税引き前・減価償却前利益(Earnings before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization))ベースではしばらく前から黒字になっており、 EBITDA利益率は42%と非常に高い水準になっています。

これまでEBITDAベースではずっと黒字であったにも関わらず、最終利益ベースでは赤字であった理由を、簡単に説明したいと思います。

営業利益とEBITDAの差分

この表は最終利益とEBITDAの差分を説明する表です。

これを見れば分かる通り、最終利益を計算する際に株式報酬 $102M(約102億円)と減価償却$92M(約92億円)などを差し引く必要があるため、EBITDAベースでは黒字であったにも関わらず最終赤字になっていた、というのが現状です。

では、Twitterは黒字転換して今後も安定的に成長できるのでしょうか。その辺りをもう少し詳しく見てみましょう。悪いニュースと良いニュースとに分けて書いてみます。

悪いニュース: アメリカで大苦戦中

始めに悪いニュースの方から書きます。

月間のアクティブユーザー

月間のアクティブユーザー数を見ると、グローバルでYoY+4%しか増えていません。

さらに厳しいのは、アメリカではYoY+2%と、ほぼフラットな成長しかしていないことになります。

広告売上

さらに広告売上を見ると、グローバルでYoY+1%、アメリカではYoY-10%と、減少傾向にあるということが分かります。

良いニュース: 日本のおかげ(!?)で黒字化

良いニュースも見ていきましょう。

上のグラフで見たように、アメリカでの広告売上は減少傾向にありますが、アメリカ以外の広告売り上げはYoY+10%と二桁成長しています。

決算資料の中でも特に成長を牽引しているのは、日本市場であると書いてあります。

決算資料の一部

日本からの売上はYoY+34%の$106M(約106億円)で、全社売上の15%。

という記載があります。

これを見る限り、日本はTwitterの中で最も売上成長が速い国の一つであり、アメリカを除くとかなり大きなポーションを占める重要な国であることが分かります。

今回、Twitterが黒字化したのは、この日本市場における急成長も一つの要因であることは間違いないでしょう。

良いニュース: DAUが2桁成長中

今回の決算発表では、もう一つ良いニュースが発表されました。

DAUの成長率

DAU(Daily Active Users)がYoY二桁成長を続けている、という発表です。

月間のアクティブユーザーは全体で+4%しか増えていないわけですが、日次でのアクティブユーザーは+12%成長しているということになりますので、コアなユーザーが使い続けている、と言うことでもあります。

現時点では、このDAUの二桁成長が売上成長に直結できていないわけですが、もしもコアなユーザーをより上手にマネタイズすることができれば 、Twitterはさらに成長スピードが上がるのかもしれません。

今後も日本市場における存在感も含めて、注目していきたいと思います。


シバタナオキ:SearchMan共同創業者。2009年、東京大学工学系研究科博士課程修了。楽天執行役員、東京大学工学系研究科助教、2009年からスタンフォード大学客員研究員。2011年にシリコンバレーでSearchManを創業。noteで「決算が読めるようになるノート」を連載中。

決算が読めるようになるノートより転載(2018年3月13日公開の記事

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