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なにかと変化の多い季節。新生活を迎えるにあたって就職や異動、契約更新のタイミングで引っ越しするために賃貸物件を探しているという人も多いのではないでしょうか。
でも、“なんとなく”で物件探しをしてしまうと、いざ契約という段階になって「こんなにお金がかかるんだ」「思っていたのとちがう」なんてことが起こりがちです。 そんなミスマッチを防いで、賢く・ムダなく引っ越しするために知っておきたい知識とは?
SUUMO編集長・池本洋一さん(左)、グループマネージャー・小泉清さん(右)
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不動産・住宅に関する総合情報サイトSUUMO編集長・池本洋一さんと事業開発部グループマネージャー・小泉清さんに話を伺い、その様子を5回に分けてお伝えします。連載の第1回目は、部屋探しの“基本のき”である「内見時のチェックポイント」をご紹介しましょう。
あなどるなかれ。理想の暮らしへ近づく内見のコツ
「物件探しは出会いだ」なんて、そんな呑気なことは言っていられないこの時季の部屋探し。とりあえず見てみようと軽い気持ちで臨むのではなく、いいと思ったらその場で即決するぐらいの意気込みで抜かりなく内見をしたいものです。
池本さんが教えてくれた、最低限のチェックポイントは以下の通り。
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1)水回りや物件の設備が稼働するかどうか
備え付けの家電や扉の開閉がスムーズかなどといった物件の設備は、入居後に修理が発生するなんてことがないように必ずチェックしておきましょう。とくに古い物件は、水道管の内側がサビてサビが混じった赤茶けた水が出たり、ゴムパッキンが劣化してそこから水漏れしてたり、カビが生えたりなんてケースもよくあるので、確かめておきたいポイントです。
2)共有スペースのルールは守られているか
部屋を見ただけで満足しては、せっかく現地へ出向いた意味がありません。駐輪場やゴミ置き場、郵便受けといった共有スペースではきちんとルールが守られているかを確認しましょう。もし不動産屋さんが案内してくれなくても、きちんと見たい旨を伝えることが、のちの快適な暮らしへの近道です。
3)掲示板は、居住者の属性を映す鏡?
物件に居住者向けの掲示板があれば必ずチェックすること。タバコの吸い方や洗濯物の干し方、騒音、ペットなどにまつわる苦情が書かれた文言を見れば、居住者たちの属性が想像できます。掲示板は住む人を映す鏡と心得ましょう。
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4)駅からのアプローチ、できれば夜道も
女性ではなくても夜道は怖いものです。内見へ車で向かう場合であっても、最寄り駅から物件への道は確かめておきましょう。街灯があるか、コンビニや商店などの有無のほか、ハイシーズンでは時間がないかもしれませんが、夜間の道のりもチェックできればベストです。
5)“住むレーション”をして動線をチェック
動線がスムーズな住まいなら、家事や身支度などをストレスなく行うことができる。内見では、どこで寝て、朝起きて、出勤するまでにどんな行動をするか。そして家に帰ってお風呂に入って料理をして洗濯をして……。生活動線や、自分の一連の行動パターンをシミュレーション(住むレーション)してみるというのが池本さんのおすすめだそうです。
内見で窓のチェックが欠かせない理由は
せっかく契約まで至って新しい暮らしが始まったのに、すぐ出たくなるようでは部屋探しは失敗。そんな悲しい結末を防ぐために、知っておきたいのが家を出たくなる「退去の原因」です。池本さんによれば、家に不満が募る原因のワースト1位は「音の問題」で、2位は「断熱性」なのだとか。内見時に「音」と「断熱性」をしっかりチェックしておきましょう。
6)上の階と隣に住む人は、どんな人か
個人情報なので詳細までは得られないまでも、上の階と隣の部屋に住む人がどんな人かはぜひ聞いておきたいポイントです。時間が不規則な職種や昼夜逆転するライフスタイルを送る方など、自分とは生活サイクルがあわない隣人なら、生活音や物音を気にすることになる可能性は否めません。
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7)意外な盲点、「窓」が家の品質を語る?
窓の開閉をチェックするだけではNG。家の断熱性をチェックするには、窓から隙間風は入らないかを確かめるほか、結露によって窓枠の隅に黒カビが生えていないかも確認しましょう。
また、最近はアルミなどの金属を使わず樹脂の上質なサッシを使っている物件もあるそうです。寒い日にサッシをさわってひんやりしないようであれば、樹脂のサッシである可能性が大。分譲住宅や注文住宅に増えている“ペアガラス”は2枚のガラス窓の間に空気の層があるので遮熱性や断熱性が高いそう。
「窓を見れば、家の品質がわかる」と池本さんが言うのはそのためです。
最後に、「南向き信仰」に終止符を
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ちなみに、「そろそろ払拭してほしい思い込み」として池本さんが教えてくれたのが、明るい家を望むなら南向きの部屋をという「南向き信仰」です。「たとえ北側であっても、開口面積が大きい、もしくは窓が多い、さらに窓から差し込む光をさえぎる建物などがないといった条件が揃えば、じゅうぶん明るさを確保できますよ」と池本さん。
分譲マンション購入時にはたいてい用意されている日影図(窓から何時に光が入って、何時に光が入らなくなるかを記したもの)がある賃貸物件は稀ですが、「あるかどうか、聞いてみてもいいかもしれません」とのこと。
内見時に部屋で過ごす時間は限られていますが、あとで後悔のないように、しっかりとチェックして自分にあった物件かどうかを見極めましょう。
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Source: SUUMO
(取材、文・大森りえ)
ライフハッカー[日本版]より転載(2018年2月8日公開の記事)