スティーヴン・ホーキング博士
lwpkommunikacio/flickr
スティーヴン・ホーキング博士が自宅で息を引き取った。76歳だった。
世界的に有名な物理学者であるホーキング氏は、21歳でALS(筋委縮性側索硬化症)と診断され、余命は2年と告げられた。
だがその後の約55年、ホーキング博士は医師の宣告を跳ねのけ、ブラックホールと宇宙に対する科学者の捉え方を変えたと言って間違いないだろう。
科学への貢献のみならず、ホーキング博士は強烈な政治的発言と辛辣なウィットに富む名言を持つ、哲学者のような人物だった。
ホーキング博士が科学と人生について遺した15の言葉を紹介しよう。博士の頭の中をのぞけるかもしれない。
障がいについて
x-ray_delta_one/flickr
「体に障がいを持つ人に対する私のアドバイスは、集中すればうまくやれるということ、そしてできないことを後悔しないこと。体だけではなく、精神にまで障がいをもたらしてはいけない」
優先事項について
YouTube screenshot
「私の目標はシンプル。宇宙を完全に理解すること。なぜ宇宙は今のような形になったのか、そもそも、なぜ宇宙は存在するのか」
自由意思について
AP Photo/Vincent Yu
「全てが運命で決まっていて、何も変えることはできないと主張する人でさえ、道路を渡るときには左右を確認する」
ブラックホールについて
lwpkommunikacio/flickr
「ブラックホールに飛び込むと、あなたの質量エネルギーは宇宙に返っていく。バラバラの形で、あなたが何者だったかという情報を含んでいるが、簡単に認識できる状態ではない。百科事典を燃やすようなものだ。煙と灰を取っておけば、情報は失われない。だが、読むのは難しい」
ひも理論の価値について
Flickr/Lwp Kommunikáció
「ひも理論を理解すれば、宇宙の起源が分かる。人生にはあまり影響ないが、人類がどこから来たか、これからの探求で何を発見できるかを理解するうえでは重要だ」
大衆向けに執筆する理由について
AP Photo/Elizabeth Dalziel
「『ホーキング、宇宙を語る』の執筆中は、肺炎で瀕死の状態だった。大変だったが、科学者、特に宇宙論の科学者にとって、自分の研究を説明することは重要だと考えていた。宗教についての数々の質問の答えにもなる」
新発見の瞬間について
AP Photo/Alastair Grant
「セックスと比較するわけではないが、より長く続く」
3人の子どもたちへのアドバイス
doug88888/flickr
「1つ、星を見上げること、足元は見るな。2つ、仕事を決してあきらめないこと。仕事は意味と目的を与えてくれる。仕事がなければ人生は空虚。3つ、幸運にも愛を見つけることができたら、その存在を忘れず、投げ出さないこと」
エイリアンについて
Lwp Kommunikáció
「エイリアンが来たら、コロンブスがアメリカ大陸に到達したときのようになるだろう。ネイティブ・アメリカンにとっては良いことではなかった。知的生命体がどのようにして私たちが会いたくないものに進化したのかを知りたければ、私たち自身を見ればいい」
壁にぶつかった時
AP Photo/L'Osservatore Romano, HO
「行き詰っても、逆上してはいけない。何が問題かを考え、他の方法を試す。前に進む道を見つけるのに何年もかかることもある。ブラックホール情報パラドックスには、29年かかった」
[原文:15 Stephen Hawking quotes that reveal how a genius thinks]
(翻訳:山口玲子、編集:増田隆幸)