AP
- ホワイトハウスでは職員の間に不安が広がっている。ここで働くのは「ストレスでしかない」というスタッフもいる。
- その背景には、政権スタッフが次々とホワイトハウスを去っていることがあるようだ。
- 政府高官の相次ぐ辞任や解任も、こうしたムードをむしろ強めるばかりだ。
ホワイトハウスの一部職員は、自らの職場を「地球上で最もブラックな職場」と呼んでいる。政権を去る者がまだまだ増えるのではないかとのうわさも広まっているという。14日(現地時間)、Axiosが報じた。
「普通なら、厳しい状況は人を団結させる」ホワイトハウスのある職員はAxiosに語った。「でも今の雰囲気はバラバラだ」
「リーダーシップもなければ、信頼も方向性もなく、希望もまず持てない」職員は続けた。「将来のキャリアが何の説明もなくつぶされるかもしれない職場に毎日通いたいと思うか? 」
ティラーソン国務長官の突然の解任に続き、ケリー大統領首席補佐官やマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)、セッションズ司法長官といった、トランプ大統領の怒りを買っている政府高官の運命がどうなるかは良く分からないと、関係者は話している。
トランプ大統領とティラーソン長官の不仲説は2017年から広まっていたが、ティラーソン長官を解任するのにトランプ大統領が取ったアプローチには職員も驚かされたと、Axiosは報じている。
国家経済会議(NEC)のゲーリー・コーン元委員長も、トランプ大統領の鉄鋼とアルミニウムの輸入関税を大幅に上げる決定をめぐって対立した後、今月初めに辞任した。
報道陣にホワイトハウスでの地位に変更はないかと聞かれたマクマスター大統領補佐官は、こう答えた。「ほら、まだいるぞ」
ホワイトハウスに漂う不安は、機密情報の取り扱いをめぐる人物調査(いわゆるセキュリティー・クリアランス)の結果、複数の職員がホワイトハウスを去ったことで更に高まったと、関係者はAxiosに語っている。トランプ氏の私設秘書を長年にわたり務めてきたジョン・マッケンティー氏が14日に解雇されたことに加え、ファーストレディのメラニア・トランプ氏の側近もホワイトハウスを後にしたと報じられている。
トランプ大統領のレーダーに引っかかっていると報じられているケリー首席補佐官は、元側近のロブ・ポーター(Rob Porter)氏のスキャンダルを受け、より厳しいセキュリティー・クリアランスを課した。手続きが見直された結果、トランプ大統領の娘婿で上級顧問のジャレッド・クシュナー氏が最高機密情報へのアクセスを失った。
(翻訳、編集:山口佳美)