8戸のカシータ(Kasita)を積み重ねた集合住宅の完成予想図。
Kasita
ジェフ・ウィルソン(Jeff Wilson)氏は、テキサス州のヒューストン・ティロットソン大学(Huston-Tillotson University)で2年間学部長を務めたとき、ゴミ収集箱に住んでいた。極小スペースで快適に暮らす可能性を追求するためだ。
同氏はこのときの経験をもとに、2015年に極小住宅のスタートアップ「カシータ(Kasita)」を立ち上げた。
「あのときの経験は極端だったが、小さく、シンプルに暮らしたことは大きなインスピレーションを与えてくれた」とウィルソン氏。同氏は元ハーバード大学の研究員で、IBMでプロジェクト・マネージャーを務めたこともある。
「1年ほどゴミ収集箱で暮らし、新しいカテゴリーの住宅のコンセプトを思いついた。美しく、広い場所は不要で、拡大しつつある住宅問題の解決策となる」
カシータの住宅は、もちろん単体でも使えるが、積み重ねてアパートを作ることも可能。ウィルソン氏によると、プレハブ方式のため建築期間は2〜3週間しかかからない。
2017年に販売を開始。広さは352平方フィート(約33平方メートル)、価格は13万9000ドル(約1500万円)。オースティンで開催されたSXSWで、収納スペースを追加した最新バージョンを公開した。価格は据え置き。
詳しく見てみよう。
カシータ(Kasita)の社名は、スペイン語で「小さな家」を意味する「casita」にちなんだもの。
Kasita
広さは352平方フィート(約33平方メートル)だが、白い壁で実際よりも広く見える。
Kasita
ちなみに、車1台分の車庫の平均的な広さは役260平方フィート(約24平方メートル)。
開放的なメインスペースは、リビング兼ベッドルーム。
Kasita
モデルルームには、ソファベッドが置かれている。
Kasita
家具は付属しない。
リビングの向かいには、しゃれたキッチン。
Kasita
IHヒーター、オーブン、食器洗い機がある。
Kasita
角には、バスルーム。
Kasita
とても狭いため、スペースを有効活用する収納を完備。
Kasita
階段の横には引出し。
Kasita
最新技術も採り入れている。例えば、太陽の光に反応して透明度が変わる調光ガラス。
Kasita
アマゾンのEcho Dotが設置されている。音声でスマートホームシステムを操作できる。
Kasita
積み重ねると集合住宅になる。
Kasita
住宅の屋上に乗せることもできる。
Kasita
庭にも置ける。
Kasita
「家を買う時の煩わしさを解消したい。何かの製品を買うのと同じくらい簡単に家を買えたらどんなに素晴らしいか想像して欲しい」とウィルソン氏。
「長期目標は、顧客が住所とクレジットカード番号を入力するだけで済むようにすること」
ウィルソン氏は2014年に1年間、ゴミ収集箱に住んでみた経験からカシータのアイデアを思いついた。
Sarah Natsumi
物をたくさん所有することが負担となり、ほとんどを売り払って、テキサス州オースティンの小さなゴミ収集箱に(住めるように改修した後に)移り住んだ。
Sarah Natsumi
ウィルソン氏は、カシータは「製品であり家」でもあると語った。
Kasita
デザインは顧客のニーズや要望に合わせて進化していく。
Kasita
「家の建築方法、あるいは超高層ビルの建築方法でさえ、100年以上、本質的には変わっていない。建築に対する考え方がアップデートされていないからだ」と同氏は語った。
Kasita
[原文:A Harvard researcher invented these $139,000 stackable homes that can be built in under three weeks]
(翻訳:山口玲子、編集:増田隆幸)