世界有数の資産運用会社ブラックロックのCEOが抱くアメリカの株式市場への懸念

ラリー・フィンク氏

ブラックロック CEO ラリー・フィンク氏

REUTERS/Toru Hanai

5兆1000億ドル(約570兆円)の運用資産残高を有する世界有数の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のCEOラリー・フィンク(Larry Fink)氏は、アメリカの株式市場の先行きに警鐘を鳴らす。

ドナルド・トランプ大統領が昨年11月に勝利を収めて以来、ウォール・ストリートを覆った楽観論によって、アメリカの株式市場はこれまでにない動きを見せ始めた。

S&P500は、昨年11月8日の大統領選挙当日から10.9%上昇、さらに(大統領による)税制改革、規制緩和、景気刺激策などの提案を受け、S&P500の特に、金融業種は18.9%も上昇した。

4月6日木曜日(現地時間)のCNBCのインタビューでフィンク氏は、しかし、「アメリカの株価は経済と市場の現状を反映していない」との考えを示した。「トランプ大統領の税制改革案は、我々が求めているものではない。本当の規制緩和が実施されなければ、今後、景気は後退するだろう」

同氏によれば、アメリカの経済は徐々に減速しつつあり、1.5%未満の成長率にとどまる見込み。「実際のところ、2017年第1四半期のアメリカ経済はG7の中で最も成長率が低くなる。アメリカの株価は実態より高値になっていると言わざるを得ない」

株価が高過ぎると考えているのは、フィンク氏だけではない。4月5日水曜日に発表された連邦公開市場委員会(FOMC)の3月の会議の議事録から、多くの連邦機関幹部が現在の株価は高過ぎるとの懸念を示したことがわかった。

以下は議事録の引用。

アメリカの株価指数は上昇し、株価収益率などのいくつかの基準は歴史的な高騰をみた。株式のリスクプレミアムは低下し、過去30年間でも下から4分の1くらいの水準にある。株価はほとんどの業種で上昇し、 特に金融業界の株価の上昇ぶりは、各指標の水準を上回っている。

[原文:The head of the world's largest investor thinks the stock market is overvalued

(翻訳:Wizr)

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