あなたのその不調、原因はグルテンかも。3週間和食中心にして体調を「観察」してみよう

片頭痛や便秘、下痢、肌のトラブル……。 病気ではないけれど、なんとなく不調、を抱えている人。あなたのその不調は食べ物を変えると、解消するかもしれません。

健康志向が高いハリウッドセレブや、プロテニス選手のノバク・ジョコビッチ選手の食習慣としてその名が広まったグルテンフリー。

スポーツ選手だけでなく、ビジネスをリードするようなエクゼクティブ層にも実践者が広まりつつあるので、気になっている人もいるはず。実際どのような効果があるのか。実践するときの注意点は?など専門家に聞いた。

グルテンの含まれた食品

今村拓馬

グルテンとは小麦粉や大麦、ライ麦などの穀物に含まれるたんぱく質のこと。粘り気や弾力性があって、パンやパスタのモチモチ感、うどんのコシの元になっている。ほかにもラーメンやピザ、お好み焼き、パンケーキ、焼き菓子のほか、天ぷらの衣、カレールーなどの加工品にもグルテンは含まれる。

グルテンフリーとはこれらを食べずに、米やそば、肉、魚、野菜、果物を中心にした食生活を送ることだ。

グルテンを含む食品は身近なものばかりで、長年食べ続けているけど、特にこれといったダメージを感じない、という人も多いだろう。しかしもし、慢性的な便秘や下痢などのお腹の不調をはじめ、最近頑張りが利かない、十分寝ているはずなのに寝起きが悪い、日中も頭がすっきりしなくて頭の回転が遅い、といった症状に心当たりがあれば、グルテンフリーを試す価値は高い。なぜなら、グルテンは免疫力や栄養吸収に関わる小腸を傷つけて、不調の元になる炎症を起こしていると言われるからだ。

ニコチンやカフェインと同様の依存性

炎症を起こすメカニズムについて、治療の一貫としてグルテンフリーを患者に勧めているスクエアクリニックの本間龍介理事長はこう解説する。

「慢性的な不調に悩む人の中には、小腸がグルテンに過敏反応する『グルテン過敏症』や、グルテンをスムーズに消化できない『グルテン不耐症』の人たちがいる。正常な人の場合、小腸の粘膜の細胞は適度につながっていて、必要な栄養素だけを取り込み、不要な毒素や細菌はブロックする。しかし、グルテン過敏症や不耐症の人の場合、グルテンをとると小腸の粘膜の細胞間が緩むため、毒素が入り込んで、炎症を起こしてしまう」

これが慢性的な不調の原因となるという。小腸という必要な栄養を取り込む臓器のトラブルだけに、さまざまな不調につながる。片頭痛やPMS(月経前症候群)、自己免疫疾患のリウマチや橋本病もグルテンによるダメージが一因になっているという。

うつやADHD(注意血管、多動性障害)などの脳疾患との関連性を指摘する専門家も少なくない。3年前に、アメリカの精神科医がグルテンが脳に与える悪影響についてまとめた本『いつものパンがあなたを殺す』が日本でも発売されると、健康意識の高い人の間で大きな反響を集めた。

グルテン過敏症や不耐症は、小麦アレルギーのように食べるとすぐにかゆみや顔が腫れるなどのアレルギー反応が出るわけではない。また、若いうちは体内に溜まった毒素も少なく、毒素を排泄する力も十分ある。だからグルテンを含む食品を食べても大丈夫、と高をくくっていると、そのツケは40代以降に不調として回ってくる。本間氏いわく、「グルテンはタバコのニコチンやコーヒーのカフェインと同様、依存性がある」そうだ。

3週間和食や和菓子中心にしてみる

自分がグルテンによるダメージを受けているかどうかを知るには、3週間グルテンを抜いてみるといい。

現在、国内には保険適用内の検査はないため、自分で試すにはこの方法がオススメだ。

サンドイッチの代わりにおにぎり、ラーメンやうどんの代わりにそばや春雨、米粉でできたフォー、菓子類は大福、せんべいなどを選ぼう。弁当や惣菜を買うときは、唐揚げや天ぷらなどは衣にグルテンが含まれるから避け、グリルした肉や焼き魚、煮物のおかずに。「3週間グルテンを抜いて、体や肌の調子がよくなれば、グルテンによるダメージを受けていたことが分かる」(本間氏)。

万一、3週間グルテンを抜いても不調が改善しない場合は、グルテンと似た構造を持つ、牛乳や乳製品に含まれるたんぱく質のカゼインも抜くといい。

牛乳(カゼイン)

NaturalBox/shutterstock

「グルテンとカゼインはたんぱく質の構造が一部似ている。そのため、体は両者を区別できずに炎症反応を起こしてしまう。グルテンを抜いても、カゼインをとり続けていると不調が改善しきらないケースがある」

逆もあり、これを交差反応と言う。

「どちらか一方を抜くより、まとめて両方抜いたほうが高い効果が望める。健康維持のために薬やサプリメントを飲む足し算の対処ばかりしがちだが、引き算の対処も試みてほしい」(本間氏)

コンビニではバナナを買う

本間氏自身、ラーメンやパンを毎日食べていた学生時代はぜんそくに花粉症、アトピー性皮膚炎に悩んでいたが、グルテンフリーとカゼインフリーによって完治したという。現在、グルテンやカゼインを含む食品を口にするのは、月1回、会食のときぐらいだそう。

外食だとメニューが限られ、材料を特定しきれない場合もあるので、グルテンフリーやカゼインフリーを実践するときは、それらを含まない食材を使って自炊することが理想的だ。

日本人女性がお米を食べる姿

kazoka/shutterstock

とはいえ、食事は外食や弁当で済ませていた人にとって、全て自炊せよ、というのは現実的な提案ではない。だから、利用する店を見直してほしい。なるべく個人経営のおじさんやおばさんの定食屋さんやお惣菜屋さんを選ぶ。そう言った店は手作りで日持ちしない代わりに、食品添加物を多用していない可能性が高いからだ。最近では、コンビニでも生の野菜や果物が多く売られている。食事をする時間がなくて栄養バーを買うなら、バナナを選ぶほうが賢明だという。

(文・茅島奈緒深)

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