イーロン・マスク、火星ロケット工場をロサンゼルスに計画

スペースXの「ビッグ・ファルコン・ロケット」の予想図。

スペースXの「ビッグ・ファルコン・ロケット」の予想図。

SpaceX/YouTube

イーロン・マスク氏がロサンゼルスでとんでもない計画を進めている。

マスク氏は「ビッグ・ファルコン・ロケット(Big Falcon Rocket:BFR)」の開発について何年も言及してきた。BFRは、火星(そしておそらく地球の周り)との間を往復できるよう設計された再利用可能な超大型ロケット。

最近マスク氏は、2019年はじめにはBFRの短時間の上昇・下降テストを開始したいと語った。テストはテキサス州マクレガーにある同社施設で行われる予定。

しかしこれまでスペースXは、場所について、つまり超巨大ロケットをどこで製造するのかは明らかにしていなかった。

3月19日(現地時間)、レディット(Reddit)のサブレディット「r/SpaceX」のユーザーが、ロサンゼルス港湾委員会の奇妙な動きに気づいた。同委員会は最近、ひそかにスペースXの788ページに及ぶ計画書承認した。20万平方フィート(約1万9000平方メートル)の「大型商用輸送船の製造」施設などのために、ロサンゼルス港の18エーカー(約7万3000平方メートル)の敷地をリースするというものだ。

テック情報サイトArs Technicaのエリック・ベーガー(Eric Berger)氏はその後、この施設が「実際には、BFR製造工場」であることを匿名の情報源から確認した

関係筋がBusiness Insiderに語ったところによると、数週間後にはスペースXが正式にリース契約を申し込むようだ。

建設計画、およびスペースXの“最新鋭”の火星ロケット工場の完成予想図を見てみよう。

マスク氏には、再利用可能なBFRで火星を植民地化するという夢がある。BFRは最大100人、あるいは14万ポンド(約64トン)を打ち上げることができる。同氏は最終的に、数十年かけて100万人を火星に植民させたいと考えている。地球のバックアップ・プランとしてだ。

再利用可能なBFRは、スペースXの火星への植民を実現するかもしれない。

再利用可能なBFRは、スペースXの火星への植民を実現するかもしれない。

SpaceX/YouTube

出典 : Business Insider (1,2)

完成すれば、BFRは高さ約348フィート(約106メートル)。自由の女神より約40フィート(約12メートル)高い。

宇宙を目指す「Big F --- ing Rocket:BFR」の予想図。

宇宙を目指す「Big F --- ing Rocket:BFR」の予想図。

SpaceX/YouTube


ロケットの超大型宇宙船とブースターを発射場に運ぶには、船を使う。つまり、カリフォルニア州ホーソーンにあるスペースX本社は、BFRの製造場所には適していない。海に面していないからだ。

スペースX

SpaceX


これが、本社の南東約14マイル(約23キロ)にあるロサンゼルス港の敷地を10年間リースする理由。

地図

Google Earth; Business Insider


同社は、18エーカーの広さのバース240の開発を計画している。同社はすでにロケット改修作業のために、3つのバース(バース51〜53)を使っている。

バース

Google Earth; Business Insider


スペースXは現在、バース51〜53を1エーカーあたり約3500ドル/月でリースしている。同社は、ここをカリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地から打ち上げられたファルコン9のブースターの改修作業に使っている。15階のビルに相当する高さのブースターは、自動運転の洋上船に着陸し、ボートでここへ曳航される。これにより、打ち上げごとに数百万ドルの節約が可能になった。

ロサンゼルス港

Google Earth

出典 :Business Insider

同社が現在使用中のバースは、ロサンゼルス港の東水路(East Channel)にある。「スペースXはすでに約8エーカー、正確には8.1エーカーのバースを確保している」とロサンゼルス港の広報責任者はBusiness Insiderに語った。

地図

Google Earth; Business Insider


スペースXがリースを希望しているバース240は、現状のバースから1マイル(約1.6キロ)弱。歴史的な建物がある。

バース240

Google Earth


バース240は2006年から休眠状態。たまにテレビや映画の撮影が行われる。第2次世界大戦中は、輸送船「Victory ship」を大量生産した。

衛星写真

バース240の衛星写真。2003年8月。

Google Earth


近くにはセキュリティの低い連邦刑務所(写真中央)や釣り場。リース料は安いだろう。

連邦刑務所

Google Earth


計画書によると、同社は古い建物を避け、「ビルA」と名付けた20万平方フィートの宇宙船工場を建設する。

ビルA

Google Earth; Business Insider


438台分の駐車場もある。火星を目指すスペースXのエンジニアや技術者がここで働く。

駐車場

Los Angeles City Harbor Department; SpaceX/Dudek


ビルAの外観が分かる低解像度の3Dレンダリング画像。



別方向の画像では、ファルコン9のブースターの様子が良く分かる。ロケットの台座の建築も計画されている。おそらく再利用可能なロケットを記念するモニュメントだろう。



現在、バース240には大量の泥や砂利、アスファルトの瓦礫がある。区画の一部は化学物質で汚染されており、掘り起こして、どこかに埋める必要がある。

ロサンゼルス港

Google Earth


場所を確保するために、老朽化したポンプ施設を解体する必要もある。

施設

Los Angeles City Harbor Department; SpaceX/Dudek


完成後、BFRのコンポーネントは船で運ばれる。どこに?

完成予想図

Los Angeles City Harbor Department; SpaceX/Dudek


行き先は、同社の南テキサス発射場があるテキサス州ブラウンズビル。どうやって最初のBFRをテストのためにテキサス州マクレガーまで運ぶのかという質問には回答しなかった(トラックでは約640キロの距離がある)。

地図

Google Earth; Business Insider


マスク氏は2022年に最初のBFRを火星に向けて打ち上げ、2024年に初の有人ミッションを行いたいと考えている。だがスケジュールは「理想なもの」と釘を刺した。

出典 :Business Insider

[原文:Elon Musk plans to build huge Mars spaceships in Los Angeles — here are the never-before-seen renderings of SpaceX's future rocket factory

(翻訳:本田直子、翻訳:増田隆幸)

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