メルカリ酒購入に年齢自己申告を必須化 —— 未成年がフリマアプリで酒を購入

メルカリは酒やタバコの関連商品、エアガンなどを購入する利用者に対し、年齢の入力を必須にする(3月下旬を予定)。同社は、こうした商品の未成年者の購入を防ぎたい考えだが、購入者が嘘の年齢を申告する可能性もある。

このような現状で、メルカリが未成年者対策を発表したのは、フリマアプリを巡るトラブルの増加だ。国民生活センターに寄せられるフリマアプリの相談は6年間で約20倍に急増し、特に未成年に関して、センターは同社に対策を呼びかけていた。

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説明会に出席した同社担当者は未成年対策に抜け道があると聞かれたが、歯切れが悪く、何度も質問を受けていた。左から2人目は、小泉文明社長、3人目は、CSの山田和弘氏。

未成年者対策は、メルカリが2018年3月22日に開いた「安心・安全説明会」で発表した。

酒、タバコ関連商品、エアガンについて、商品の購入手続きに進む画面で、生年月日の入力を求める。未成年の場合は、購入ができなくなる。

通常、商品の出品時は、本人確認書類が必要だが、商品の購入のみなら、年齢の情報は必要ない。このため、出品経験のない未成年者が、酒の購入手続きで嘘の年齢を申告しても、メルカリは年齢の照合ができず、取引を成立させてしまう可能性がある。

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これまでも利用規約で、未成年者の利用は親権者の同意を求める、という旨が記載されていた。ただ実際にアカウントを開設する時などに、チェックをする仕組みではない。

この点をどう見抜くのか?

説明会では複数回、この質問があがったが、メルカリ側から明確な答えはなかった。

同社・カスタマーサポート(CS)のグループマネージャーの山田和弘氏は「不適切な取引がありそうな場合は、本人確認書類の提出をしていく」と説明したが、「不適切」の可能性を判断するのは難しく、「その情報(購入時の年齢)を入力された段階ですべてを判断できない。この仕組みで完璧ではなく、引き続き、取り組みは強化していく」と話した。

万が一、未成年者が不適切な物を購入し、事件になった時のことを考えると、アカウント開設時に、本人確認を強化する方法もあり得るが、小泉文明社長は「出品、登録時、早いタイミングで情報をとると善意のあるユーザーにするとストレスになる」ととらえ、「簡単に手軽に、というのがアプリの魅力。手軽さと安心・安全のバランスをどこにとるか」と話した。

メルカリは2017年に盗品や現金が出品されるトラブルがあり、出品時に本人確認を必須化するなど、「確認フローは徐々に前に持ってきている」(小泉氏)、今後は「お客様の利用のされ方をみた上で、変えていくことはあり得る」と話した。

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メルカリでは、これまで現金や盗品が出品されるトラブルが起きてきた。小泉氏は説明会で「社会が求める要求、スピードに対し、十分答えきれていないところがあった」と反省を口にした。

中学生の息子がフリマアプリで酒を購入

なぜ、このタイミングでメルカリは未成年者対策を発表したのか。

メルカリ・リーガルグループのマネージャー城譲氏によると、3月5日に同社と国民生活センターが話し合い、センター側から未成年者の利用対策を要望された。

メルカリでは、未成年者が保護者のクレジットカードを使って、高額な商品をメルカリで購入する事例が起きていた。

さらに、同センターが2018年2月22日に発表したフリマサービスに関する報告書によると、フリマサービスに関する相談件数は、2017年度は3330件、2012年度の173件の20倍近くになっている。

このうち、2012年度〜2018年度(1月末)の相談件数の総数9221件の年代別の割合で、未成年者は、914件を占め、約1割。未成年に関する相談は、2012年度は36件、2017年度は266件で、7倍以上に増えた。

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フリマアプリに関する相談件数の推移。

出典:国民生活センター報告書

未成年者に関する相談事例は、大半がイメージと違う商品が届くなどの、取引上のトラブルだが、中高生の息子が酒を購入した、加熱式タバコ機器を購入していたという保護者からの相談内容もあった。以下は一例。

【中学生の息子がフリマアプリで酒を購入していた事例】

中学生の息子宛の荷物が「割れ物」だったため、不審に思い、開封すると、酒が入っていた。フリマアプリで酒を購入して友人と飲んでいたこと、また靴やゲームの他、家の物を無断で売って得たポイントを別の商品購入に充てていた。出品者に連絡したが、「フリマアプリでは相手の年齢を確認できないので、未成年者だと思わなかった」と言われた。アプリ運営事業者に苦情をしたが、「個人間売買の場を提供しているだけだ」との回答だった。(2016年3月、相談者は30歳前半、男性)

このため、センターでは大手フリマサービス会社に対し、年齢確認が必要な商品の出品・購入時に年齢確認の措置を取るように求めていた。

楽天、ヤフーの対策は

楽天のフリマアプリ「ラクマ」は現在、アカウントの開設時に任意で生年月日を登録する。未成年と入力した場合は、保護者の同意を確認するチェックボックスに回答する。ただ、生年月日の登録は任意。5万円未満の取引(出品、購入)についても、本人確認は必要なない。

同社広報は「(非公開の)一定の条件に触れると、5万円未満でも本人確認を求めることがある。未成年対策は検討の必要がある」と話した。

ヤフオク!は、ヤフーIDを作る際に、生年月日(自己申告)を入力する。18歳未満の利用者については、トイガンやナイフ、車などの購入が制限されている。20歳未満は、アルコールの購入ができない。

ただ、本人確認は出品時(18歳未満は出品できない)に求められるため、購入するだけなら、自己申告した年齢を確かめることができない。


メルカリは22日の説明会でこのほか、以下の点なども発表した。

・不正出品を防止するためにブランドや企業、団体と連携し、2018年1月時点で1054社と連携している。

・ブランドの鑑定経験者やECサイトのCSメンバーら400人体制のCSと、AIを活用した自社開発ツールで、不正出品を監視・防止している。

・商標権に関わる出品総数のうち、商標権を侵害していた出品の割合は、0.46%。同社によると、フリマアプリ全体の同様の出品割合の平均は17%。

(文、撮影・木許はるみ)(編集部より:ヤフオフ!広報からの回答が得られたため、内容を加え、記事を更新しました。)

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