ジョン・ボルトン氏は、北朝鮮への強行姿勢で知られる。
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- トランプ政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めてきたH・R・マクマスター氏が解任され、その後任には元国連大使のジョン・ボルトン氏が就く。
- ボルトン氏はしばしばFoxニュースに登場し、北朝鮮はアメリカにとって差し迫った脅威であり、速やかに対応しなければならないと主張してきた。
- 同氏は、北朝鮮の対話に向けた姿勢には取り合わず、戦争は良い選択肢だと考えている。
H・R・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)が解任され、その後任には元国連大使のジョン・ボルトン氏が就く。
2月後半、北朝鮮と韓国の緊張が緩和され、これまでになく先行きが明るく感じられた頃、ボルトン氏はウォール・ストリート・ジャーナルに「北朝鮮への先制攻撃の法的事例(The Legal Case for Striking North Korea First)」と題した意見記事を寄稿した。
この記事の中でボルトン氏は、北朝鮮はアメリカに対し、同国が一連の核を搭載した大陸間弾道ミサイルを完成させる前に攻撃する以外の選択肢を与えてこなかったと主張した。北朝鮮の大規模砲撃の射程に入っている韓国については、一切触れていない。
専門家は、北朝鮮と戦えば1時間ごとにアメリカの忠実な同盟国である韓国の首都ソウルで数千人が死亡するだろうと見ている。
「北朝鮮の核兵器が突きつける今の『必要性』に、先制攻撃によってアメリカが対応するのは、全くもって正統だ」ボルトン氏は記事をこう結んでいる。
韓国の外交官が、北朝鮮の金正恩氏には核兵器を放棄する意思があると述べた後、ボルトン氏はこれをトリックだと片付けた。
「北朝鮮が真剣に取り組んでいるのは、標的に到達可能な核兵器を手に入れることだけだ」ボルトン氏はFoxニュースで語った。同氏はトランプ大統領のお気に入りの報道局にしばしば登場し、北朝鮮について、独自のタカ派的な発言を繰り返している。
ボルトン氏のツイッターでは、北朝鮮とシリア、イランの兵器開発のつながりを示唆する情報が、定期的に繰り返しフィードされている。
同氏は、北朝鮮がアメリカの脅威となり得る危険な技術の輸出国になったのではないかと考えている。
トランプ政権には、すでにタカ派が —— ボルトン氏はさらに強硬な「超タカ派」
マクマスター氏とトランプ大統領。
AP
マクマスター氏も、北朝鮮に対しては必ずしもハト派というわけではない。北朝鮮への攻撃というアイデアを、同氏も支持してきたと言われる。だが、全面戦争は避けるべきだと考えてきた。
2017年の11月と12月には、トランプ大統領の側近が北朝鮮を限定的に攻撃する「ブラッディー・ノーズ(鼻血)作戦」に傾いているとの報道が相次いだ。軍や政府の高官は、これを思いとどまらせようとしてきた。
3月15日(現地時間)、ハリー・ハリス米太平洋軍司令官は、米軍には大統領の決定事項を実行に移す用意はあるとしながらも、北朝鮮への限定的な攻撃の可能性を否定した。
[原文:Trump's new pick for national security adviser really wants to bomb North Korea]
(翻訳、編集:山口佳美)