無登録のまま日本国内の利用者を対象に仮想通貨の交換業を行っているとして、金融庁は2018年3月23日、香港に拠点を置く仮想通貨取引所バイナンス(Binance)に対して、資金決済法に基づき警告した。同庁は、日本国内の利用者に対する営業をやめるよう求めている。バイナンスがこうした行為をやめない場合は、資金決済法違反で告発する方針だ。
仮想通貨取引所バイナンスのウェブサイト
バイナンスは、取引高で世界最大級の仮想通貨取引所だ。100種類以上の仮想通貨を取り扱っているとされ、世界中から利用者を集めている。
日本でも、一部の仮想通貨の愛好者たちが、比較的安価な手数料で取引ができる国外の取引所を利用する流れがある。こうした愛好者らの人気を集めた海外の取引所のひとつが、バイナンスだ。バイナンスでは、日本語で取引をすることもできたが、2018年1月中旬頃に日本語での取引は中止したとみられている。
一方で、資金決済法上、日本国内に住む人を対象に仮想通貨の交換業を行う業者については、金融庁への登録が必要となる。このため金融庁は、バイナンスに照会状を送るなどして、実態把握を進めていた。同庁は今回、バイナンスが世界最大級の仮想通貨取引所で、日本の利用者への影響も大きいことから、警告が必要だと判断した模様だ。
フォーブスが2月6日に公開した「仮想通貨で最も裕福な人たち」のリストでは、CEOのチャオ・チャンコン氏(Changpeng Zhao)は3位になっており、11億ドル〜20億ドル相当の仮想通貨を保有しているとみられている。