「デザイン思考」で人生を変える

designthinking

やることを考えるのをやめ、やろう。

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ずっと成し遂げたいと思っているのに、できていないことは?

起業かもしれないし、ダイエットかもしれない。

それが何であろうと、家族の世話から忙しい仕事、そして失敗への大きな恐怖感まで、あなたと、あなたの目標の間には乗り越えられない障害があるように感じるのではないだろうか。

だが本当は、あなたの目標は完全に達成できるものだ。ほとんどの場合、成功を邪魔しているのはあなた自身。

これがスタンフォード大学工学部の教授で、同大学のHasso Plattner Institute of Design、通称「d.school」のアカデミック・ディレクター、バーナード・ロスが言いたいことだ。彼は著書『スタンフォード大学dスクール 人生をデザインする目標達成の習慣(The Achievement Habit)』で、いわゆる「デザイン思考」が、あなたの人生にどのようにして意味ある変化をもたらすかを述べている。

デザイン思考はロスとスタンフォード大学のエンジニアたちが生み出したもの。一般的には特定の製品や経験(例えば、電球やオンライン・デートなど)を改善することに用いられる。しかし著書の中で彼は、デザイン思考を自分の内面に向けることで、より大きな幸福や成功を得ることができると語った。

この本は、ロスが50年近く教えてきた「The Designer in Society」という授業がもとになっている。デザイン思考は以下の5つのステップから構成される。

1. 共感:問題が何かを理解する

2. 問題定義:解決すべき問題を明らかにする

3. 創造:解決策を生み出す

4. プロトタイプ:完璧さを捨て、プロトタイプを作る

5. テスト:フィードバックを得る

さらにロス氏は各ステップよりも重要なのは、デザイン思考の原則「行動を重視し、失敗を恐れないこと」と語った。

つまりロス氏によると、デザイン思考は、自らの思考パターンと思い込みへの挑戦。

では、日々の生活の中で、デザイン思考はどのように機能するだろうか?

デザイン思考は真の問題は何かを明らかにしてくれる

ニューヨークタイムズのタラ・パーカー・ポープは、デザイン思考を使って、これまで失敗続きだったダイエットに成功した。

第一段階(共感)では、ロス氏は「この問題を解決したら、私に何が起きるのか?」と自分自身に問うことで、真の問題は何かを理解しようと述べている。

パーカー・ポープは、ダイエットに成功すれば、自分自身に対する良い感情が生まれ、よりエネルギーに溢れ、友人との関係にもより自信が持てるようになることに気づいた。真の問題はダイエットではなく、友人との関係、そして自身のエネルギーをアップさせることだった。

また彼女は、ランチに炭水化物を食べたり、甘い物を食べると疲れやすくなることに気づき、どちらも避けることにした。パーカー・ポープは「目標をダイエットから、自分の人生にのしかかる真の問題へと移すことで、結果として25ポンド(約11キロ)のダイエットに成功した」と記した。

またロスは著書で、彼のワークショップに参加したある母親は、娘が良い大学に入れるかどうかと思い悩むことをデザイン思考を使ってやめることができたと述べた。

ワークショップで母親は、問題は「娘が良い大学に入れると、どうすれば思えるようになるか?」と言っていたのだが、ロスは真の問題(ステップ2. 問題提議)は「どうすれば心配し過ぎないようになれるのか?」だと彼女に気づかせた。なぜなら、娘が大学に入っても、彼女はおそらく、何か別のことを心配するようになるから。

この新しい気づきとともに、母親は自分の心配ぐせを直すという大きな問題に取り組み始めることができた。

デザイン思考は考えることよりも行動することを重視する

もちろんデザイン思考は、仕事での目標達成にも活用できる。

ロスは彼の授業「Designer in Society」の生徒で、かねてから起業を望んでいたパディーの例をあげた。パディーは海兵隊にいた経験もあるジャーナリスト。ロスに自分の心を深く掘り下げ、正直になるよう励まされると、今までやってきたことが何一つとして自分をハッピーにしていないことに気づいた。

「彼は、他人が作った道を上手に歩いてきただけだった」とロス。

そしてロスの授業の生徒全員が、今までやってみたかったが、やっていないことに挑戦するという課題に取り組んだ。

パディーは、自分のラジオ番組を作ることにチャレンジした。

「授業でパディーは、新しいアイデアが湧いてきた時に尻込みしたり、先延ばしにすることをやめ、行動することを学んだ」

パディーはプロトタイプを作り、ラジオ番組「Marketplace」向けの新しいプロダクトをいくつか制作した。その後、彼は経済に関する書籍も出版した。

デザイン思考はパディーに何をするかを考えるのではなく、やることを必然とすることを教えてくれた(だから、ステップ4はプロトタイプづくりなのだ)。

デザイン思考の最も重要な点についてロスは、何か1つ目標を達成できれば、次の目標を達成する勢いを手に入れることができることと語った。つまりそれは「目標達成の習慣」となる。

「人生をコントロールできた経験はあなたの世界を変え、本当にやりたいと思ったことはほぼ何でも達成できるようになる」

(敬称略)

[原文:A Stanford professor explains how 'design thinking' can help you lose weight, stop worrying, and change your life

(翻訳:相馬佳、編集:増田隆幸)

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