アメリカ小売業を襲う閉店スパイラル

メイシーズ

Joe Raedle/GettyImages

小売業が崩壊の危機に瀕している。

アメリカのファッションを象徴するいくつかのアパレルブランドを含め、全米3500以上の店舗が数カ月以内に閉店するという。 「メイシーズ」や「Bebe」、「Payless(ペイレス)」は数十店舗から数百店舗を年内に閉鎖する見込みだ。 ショッピングモールの買い物客が減少し、eコマース市場が拡大するにつれて、多くのアパレルブランドが苦境に追い込まれている。

最近大規模な閉店を発表したのは以下の13社。

Payless(ペイレス)

Paylessのスニーカー

Payless

閉店数:1000

靴のディスカウント専門店「ペイレス」は4月4日(現地時間)、アメリカ連邦倒産法11条(Chapter 11)の適用を申請し、米国とプエルトリコの400店舗を直ちに閉鎖すると発表した。閉店規模はさらに膨れるとみられる。 同社は既存店舗の4分の1あるいは1000店舗の一時閉鎖も含めたリストラ計画について、債権者と数カ月にわたり協議中だ。現在、ペイレスは世界各地に約4400店舗(うち3600店舗は北米)を展開している。 Chapter 11の申請書類によると、資産は10億ドル(約1126億円)を下回り、負債は100億ドル(約1兆1263億円)。

The Limited(ザ・リミテッド)

The Limited

Facebook/The Limited

閉店数:250

レディース向け衣料品ブランド「ザ・リミテッド」は1月初め、250の全店舗を閉鎖した。 公式サイトには「残念ながらザ・リミテッドの全店舗を閉鎖しました。しかしこれはお別れではありません。引き続き、オンラインで24時間お買い物をお楽しみください」とメッセージが書かれている。

source:Facebook

Wet Seal (ウェット・シール)

Wet Seal

Kirsten Acuna/Business Insider

閉店数:171

ティーン向けブランド「ウェット・シール」は、全店舗の閉鎖を今年1月下旬に発表した。 会社更生法の適用を申請する直前の2015年1月、ウェット・シールは全511店舗のうち338店を閉鎖していた。終えんはその2年後にやってきた。当時、ウォール街のアナリストたちはショッピングモールの来客数の減少が、同社の破綻への歩みを加速させたと分析した。

BCBG

BCBG

Shutterstock

閉店数:120

現在、「BCBG」は米国の175、世界各地に570の店舗を構える。閉鎖を決めた120店舗の大半は米国にある。BCBGは今年1月、実店舗展開から撤退し、オンライン販売と他の業者への卸を通じBCBGブランドを維持するとブルームバーグに話していた。

Bebe(ベベ)

Bebe

Bebe

閉店数:170

ブルームバーグは3月、カジュアルブランド「Bebe」がオンライン販売に集中するため、全170店舗を閉鎖すると報じた。Bebeは2月初め、2017年中に25店舗を閉鎖する計画だと発表していた。ここ数年、Bebeの売上高は低迷している。直近四半期の既存店売上高は前年同期比10.5%減少、売上高は2.5%減少した。

Guess(ゲス)

Guess

Instagram/Guess

閉店数:60

「Guess(ゲス)」は3月中旬、年内に60店舗を閉鎖予定と発表した。同社はすでに直近四半期に閉鎖した10店舗を含め、過去2年間で62店舗を閉鎖。CEOのVictor Herrer氏は3月、「国内の収益性向上に注力していく」とアナリストに語った

source:Instagram

アバクロンビー・アンド・フィッチ

Abercrombie & Fitch

Reuters/Benoit Tessier

閉店数:60

「アバクロンビー・アンド・フィッチ」は3月、米国内の60店舗を閉鎖すると発表した。最近の大量閉鎖により、同社の店舗総数は2013年に比べて20%減の674店となった。CEOのフラン・ホロウィッツ(Fran Horowitz)氏は「競争激化で販促費がかさみ、粗利益率が減った」と述べ、「まだ改革途上ではあるが、前進している」とした。

アメリカン・アパレル

アメリカン・アパレルの店舗

REUTERS/Brendan McDermid

閉店数:110

「アメリカン・アパレル」はカナダの衣料品メーカーGildan Activewear(以下、ギルダン)に買収されたが、その後の展開は正式発表されていない。 ギルダンの買収提案に、米国内で展開する110店舗は含まれていなかった。もし買い手が見つからない場合、これらの店舗はおそらく閉鎖となる。全店舗の即時閉鎖という噂が飛び交っていたが、アメリカン・アパレルはこれを否定。広報担当のArielle Patrick(アリエル・パトリック)氏は1月中旬、「ギルダンとのライセンス契約に基づき、少なくとも数カ月の間は、店舗の閉鎖はないだろう」とBusiness Insiderに語ったが、それ以降コメントしていない。

シアーズ

シアーズの売り場

Wikimedia Commons

閉店数:42

百貨店「シアーズ」は、4月までに42店舗を閉鎖予定。業績悪化に歯止めがかからず、破産申請に追い込まれるとの憶測もあり、一部の卸業者はすでに同社への納品を減らしている。

source:Wikimedia Commons

Kマート

Kマートの売り場

Gary Hayslett

閉店数:108

シアーズ・ホールディングスは、4月までに108のKマート店舗を閉鎖。

メイシーズ

メイシーズの売り場

Reuters

閉店数:68

百貨店「メイシーズ」は、2017年初めから68店舗の閉鎖と従業員約4000人の解雇に着手している。今後数年以内に、全店舗数の15%にあたる約100店舗を閉鎖する計画だ。 同社は、eコマースの攻勢で苦戦を強いられており、ウォール・ストリート・ジャーナルは2月初め、メイシーズがカナダの大手百貨店チェーンのハドソンズ・ベイから買収提案を受けたと報じている。

クロックス

クロックスの商品

Marina Nazario/Business Insider

閉店数:158

現在558店舗を展開するクロックスは3月、2018年末までに店舗数を400店近くまで減らす計画を発表した

JCペニー

JCペニー

shutterstock

閉店数:138

百貨店のJCペニーは3月、数カ月以内に閉店する138店舗のリストを発表。これは全店舗の14%にあたる。多くの店舗が4月中旬から閉店セールをスタートし、6月までに閉店する。

[原文:We are about to find out what happens when a nation becomes so uncertain about its economic future that it suddenly stops buying clothes

(翻訳:本田直子)

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