Hollis Johnson/Business Insider
- オーダー・オートメーション(Order automation)がファストフード業界に急速に広がっている。セルフオーダー端末やモバイルオーダーなどがマクドナルド、スターバックス、パネラ・ブレッドなどの大手ファストフードに導入されている。
- MSNの調査によると、ほとんどのアメリカ人はセルフオーダー端末よりも店員による対応を好む。
- だがオーダー・オートメーションは待ち時間を短縮し、注文のミスを減らす。また一般的に考えられているほど労働市場への悪影響はない。
レジの店員から「特大サイズはいかがですか?」と尋ねられる時代は終わった。
煩わしい“お勧め”がなくなっただけでなく、ファストフード店のレジ係はますます珍しいものになりつつある。マクドナルドは2015年、アメリカ国内でセルフオーダー端末の導入を開始した。2020年までに1万4000店のほとんどに導入する予定。
パネラ・ブレッド(Panera Bread)もデジタル注文システムを導入している。確か、私が2015年に初めてデジタル注文を試してみた時は、ひどいものだった。だが今では、かなり快適でスムーズになっている。
MSNの調査によると、ファストフードチェーンの客はセルフオーダー端末があまり好きではない。78%の客は、セルフオーダー端末がある店に行こうとは思わないと答えた。
一般的にセルフオーダー端末やモバイルオーダーはレジ係から仕事を奪うために導入され、最終的には人件費の高騰に直面している企業のコストを削減すると言われている。だが、データはそれが真実ではないことを示している。
こうした話が当てはまる企業もあるかもしれないが、ほとんどのファストフードチェーンは店内の労働力を再配分しているだけ。そして現在の逼迫した労働市場では、多くのファストフードチェーンが顧客対応を行う従業員の雇用に苦心している。
一般的にアメリカ人は、自動化はそれほど脅威ではないと考えている。MSNの調査の回答者のうち、わずか21%だけが自分たちの仕事がいつかロボットに奪われるだろうと考えている。そしてファストフードチェーンは、正確性と効率性が向上することからオーダー・オートメーションを好んでおり、さらに同時に多くのチェーンがキャッシュレス化を目指している。
だが現状では、1つ疑問が残る。セルフオーダー端末は実際、客にとって良いものなのだろうか? それを調べるために、マクドナルドで最新のセルフオーダー端末を試してみた。
ニューヨークの金融街にある当社オフィスの近く、チェンバーズ・ストリートにあるマクドナルドは、大規模な改装を行い、セルフオーダー端末とモバイル・オーダーを導入した。
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ランチタイムで店内は混雑。幸運なことにセルフオーダー端末はレジ前の長い行列と比べて、かなり回転が速いようだ。
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セルフオーダー端末の使い方は簡単で、びっくりするほどユーザーフレンドリー。
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画面にタッチして注文開始。常に下にアシストボタンが表示される。分からないことがあれば、端末の近くには大体、スタッフが4〜5人いる。
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最初の選択は簡単。店内で食べる? それともテイクアウト?
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店内で食べる時は、テーブルに小さな番号札を持っていく。注文の最後に、端末に番号札の番号を入力する。
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メニューは、ドリンク、バーガー、朝食メニュー(1日中オーダーできる)などに分かれている。さらにチキン、フィッシュ、バーガーなど、好きなものを選ぶためのサブカテゴリーがある。
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私はブランチをテイクアウトしたいので、朝食メニューを選んだ。
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セルフオーダー端末の本当のメリットは、カスタマイズが簡単なこと。レジ係に何度も繰り返し伝えるよりもはるかに簡単。商品を選んで、カスタマイズボタンを押して、好きなものを選ぶだけ。
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私はソーセージと卵、さらにデフォルトの卵焼きではなくマックマフィン式の「目玉焼き」が入ったチーズマックグリドルが食べたかった —— これがテイクアウトのベストメニューだ。
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マックナゲットを注文する時も心配無用。お好みのソースを選べる。別々のソースを2つ選ぶこともできる。セルフオーダー端末でのカスタマイズは、あなたの思うがまま。
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欲しいものを選んだら、支払いへ。カスタマイズと注文内容が表示されたプレビュー画面で、注文の確認もできる。カロリーも表示されている。いくつかのカロリーは無視したいところ。
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前述のとおり、かなり簡単。支払いには、デビットカード、クレジットカード、ギフトカード、さらにほとんどのモバイル決済システムが使える。さもなくば、現金やクーポンで支払うために列に並んで待つことになる。
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今回は列に並ばないための実験なので、カードで支払った。
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支払い方法自体は、よくあるもの。カードをスワイプするか、挿入するか、タップする。
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支払いが済むと端末から注文番号が書かれたレシートが出てくる。レシートを取って、受け取りカウンターで待つ。
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この店でのランチタイムの混雑は、かなり長い待ち時間を意味する —— 注文までに10分はかかる。
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だが、セルフオーダー端末が、より多くの客をより早く捌いていることはすぐに分かった。受け取りカウンターは常に大忙しだった。
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一方、レジ前の行列は時間とともに長くなり、氷河のように動きが遅かった。セルフオーダー端末で私が注文し始めた時に列に並んだ人が、私が商品を受け取った時にようやくレジにたどり着いていた。
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さて、どちらが良いだろうか? 私はこうした端末に慣れているので、こちらを選ぶ —— より早く、より正確で、カスタマイズも簡単。もし迷っても手助けしてくれるスタッフがいるので、セルフオーダー端末がどのように仕事を奪うのか、今のところ、私には分からない。
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マクドナルドが大好きな人におまけ:セルフオーダー端末なら、とても恥ずかしいテーブルいっぱいの商品の注文も、はるかに簡単。
マックナゲット20ピースとビッグマック1個をお1人でご注文の方は?
(翻訳:本田直子、編集:増田隆幸)