脱炭素とはなにか
Reuters / Keith Bedford
- アメリカのテック株はここ数週間、一方的な売り圧力に晒され、指標に大きな影響を及ぼしている。
- Facebook、アップル、アマゾン、テスラといった市場で人気の企業にまつわる大きな問題が同時に起こり、9年にわたる強気相場支えてきた企業が、市場で発揮してきたその強さを奪われる恐れがある。
- Facebookはプライバシー問題が激化し、アマゾンはトランプ大統領の怒りを買っている。アップルとテスラは製品にかかわる問題に直面している。
大手テック企業がどこまで耐えられるのか、投資家は見極めようとしている。
テック企業の占める割合が多いナスダック100指数はこの7日間で7.7%下落、S&P 500種やダウ工業株30種平均も下落した。28日（現地時間）もナスダックは1.8％下落、一方、他の主要指標はもみ合いとなった。
個別に見れば、下落の原因は明らか。Facebook、アップル、アマゾン、テスラといった株価の高い企業が市場の低迷を招いた。
まさに今、問題なのは、これらの企業が同時に、深刻かつビジネス上の変更をもたらしかねない課題に直面していること。
Facebook、アップル、アマゾン、テスラが直面している問題をまとめた。
Facebookは、データ分析会社ケンブリッジ・アナリティカが2016年の大統領選挙中に5000万人のユーザーデータを不正に入手していたことが明らかになって以来、非難に晒されている。
同社の株価は、16％下落。Facebookページを削除しようという｢#DeleteFacebook｣ムーブメントも大きく広がっている。ウォールストリートのアナリストたちも同社への見解を極めて慎重なものへと劇的に変えた。また最大で50億ドル（5300億円）に上る広告収入を失う可能性があると見られている。
Facebookが直面しているプライバシーに関する問題は、大手IT企業がユーザーデータを収集し、利用することへの不信感が大きくなっていることを示している。
・7日間での下落：マイナス16％
Tesla
テスラの売り圧力の理由を正確に捉えることは難しい。様々な問題があるからだ。恐らく最も大きな理由は、モデル3の生産についての懸念だろう。同社CEOイーロン・マスク氏は自らその状況を｢生産地獄｣と呼んだ。
またテスラ車による新たな死亡事故も報告された。ウェイモとジャガーのEVに関する新たな提携による影響はないだろう。
同社の株価は2日間で15％下落。万一、来週、モデル3の生産に関する新たな情報が市場の失望を生むような内容なら、売り圧力は一層、大きくなるだろう。
・7日間での下落：マイナス19％
Amazon
アマゾンの様々な領域での大きな影響力を考えると、ここで取り上げられていることは少し不思議。だが28日の出来事は、アマゾンでさえ、こうした事態から無縁ではないことを示した。
ニュースサイトAxiosによると、トランプ大統領はアマゾンに｢強い関心｣を示し、同社への課税の強化、あるいは独占禁止法の適用を検討している。この影響を受けて、同社の株価は7.4%下落した。
トランプ大統領が最終的にアマゾンの指数関数的な成長ペースを妨げようとするなら、長期的には同社の企業価値に大きな影響を与える可能性がある。
なお、1つ指摘しておくと、アマゾンはスタンダード＆プアーズ（S&P）の基準では、テック企業に分類されておらず、一般消費財企業とされている。だが、ナスダック100とナスダック総合指数の両方に組み込まれており、同社の株価は指標に大きな影響を与えている。
・7日間での下落：マイナス8％
Apple
アップルの最近の問題は、上の3社とは異なる。スキャンダルも、生産地獄も、大統領の特別な関心も存在しない。アップルの問題はよくある類のもの、すなわち、重要な新製品が特に大きな注目を集めていないことだ。
これは27日の取り引きで浮上した。同社は教育市場をターゲットにした新しいiPadを発表したが、株価は3％以上下落した。
Business Insiderのトロイ・ウォルバートンは新しいiPadを｢完全な失敗｣と呼び、アップルは子どもたちのデバイスの使い方や学校のニーズを理解していないようだと述べた。
関連記事：アップルは教育市場を見誤ってはいないか？ —— 新iPad、辛口レビュー
そしてスティーブ・ジョブズが亡くなって以来、投資家を悩ませている懸念が再び浮上した。アップルは魅力的な製品を作り続けることができるのか？ という懸念だ。最近のマーケットの動きを見ていると、投資家は疑問を感じ始めているように思える。
・7日間での下落：マイナス5.1％
（翻訳、編集：増田隆幸）
