ここ20年で世界は数々のイノベーションを目の当たりにしてきた。
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- 世界はこの20年で劇的に変化した。発展とイノベーションがもたらした変化だけをとっても数え切ることはできない。
- 20年の間に、テクノロジー、政治、人口など様々な面で変化が起きた。
- こうした変化が常に良いものとは限らない。だが、20年前と今とでは大きな違いがあることは間違いない。
この20年は、驚異的な発展とイノベーションに満ち溢れていた。
考えてみてほしい。1998年、携帯電話はまだ珍しく、自動運転車は夢の話で、インターネットは普及し始めたところだった。
20年経った今、世界にどれだけの変化が起きたかは明らかだ。
わずか20年で世界に起きた劇的な変化を見てみよう。
世界の人口は爆発的に増加。
REUTERS/Ajay Verma
1998年、世界の人口は59億人、60億の大台に乗る直前だった。そして、翌年に60億人を超えた。
20年たった今、世界の人口は76億人に達したと推計されている。
都市部に住む人は増える一方。
REUTERS/Stringer
都市の人口にも大きな変化が起きている。世界銀行によると、20年前、都市部に住んでいたのは、世界の人口の半分以下のみ。
しかし、その割合は2007年には50%を超え、今では世界の人口の55%が都市で生活している。
また国連の報告書によると、その数は2050年までに最大66%に達する可能性がある。すでに危機的状況に追い込まれている都市にさらなる負担がかかると見られている。
建物は、想像を超えた高さに。
ドバイのブルジュ・ハリファ。
Shutterstock/RastoS
1998年、マレーシアのペトロナス・ツインタワーは、高さ1483フィート(452メートル)を記録し、シカゴのシアーズ・タワー(現ウィリス・タワー)をわずか33フィートの差で追い抜いて、世界で最も高いビルとなった。
それ以降、世界各地で超高層ビルの数は爆発的に増えおり、高さは増すばかり。現在、世界一の記録を持つのは、ペトロナス・ツインタワーよりも1000フィート以上高い、ドバイのブルジュ・ハリファ。ペトロナス・ツインタワーの記録は、今では世界15位にまで落ちてしまった。
インターネットは私たちの生活を変えてしまった。ありとあらゆる面で。
AP
今、インターネットのない世界を想像するのは難しい。しかし、20年前は違った。
ピュー・リサーチ・センターによると、現在、アメリカの成人の89%がインターネットを利用しているが、1998年は、わずか41%。
ちなみに、グーグルが誕生したのも1998年、今とは少し違ったデザインだった。
ソーシャルメディアが台頭し、覇権を握った。
Jason Howie/Flickr
ソーシャルメディアは、インターネットを利用したサービスの中で最大級の影響力を持つ。
その中で最も人気のあるFacebookは、現在アメリカ人の3分の2以上が使っている。3年後、ソーシャルメディアのユーザーは、全世界で30億人を超えると予想されている。
20年前からは全く想像できない話だ。当時、今のソーシャルメディアに最も近かったのは、AOLのメッセンジャーとジオシティーズの自作ウェブサイトくらいだった。
携帯電話は実質、必需品で、ほぼ全員が持っている。
Reuters/Charles Platiau
現在、アメリカにおける携帯電話の所有率は1998年の60%未満から大きく伸びて、過去最高の95%。
また、アメリカ人の77%がスマートフォンを所有している。スマートフォンは電話をただの連絡手段から、ポケットサイズの本格的なPCへと変身させた。
アメリカ同時多発テロ事件は、アメリカ社会に深刻な影響をおよぼした。
Ezra Shaw/Getty Images
2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件が世界におよぼした影響は計り知れない。
事件は西洋世界に、アラブ人やイスラム教徒へのネガティブな感情を生み出した。その感情は間違いなく、まだ沈静化していない。
また、同時多発テロ事件はイラクやアフガニスタンでの戦争につながった。後者はいまだに続いている。これらの戦いは海外でのアメリカの評判を傷つけた。また航空業界も劇的な変化を強いられ、英語という言語にも変化をもたらした。
しかし、世界にもたらされた最大の変化は、おそらく人々のテロリズムに対する考え方だろう。同時多発テロ事件以前、アメリカ政府はテロ容疑者を軍事裁判所ではなく、刑事裁判所で裁いていた。また、テロリズムは政治論争やニュース報道の中心では決してなかった。
アメリカ同時多発テロ事件がもたらした影響がすべて明らかになっているわけではない。しかし、すでに現代社会の様々な面に大きな爪痕を残している。
もはや銀行は信用されていない。
Reuters/Pawel Kopczynski
1990年代は、1991年から2001年まで続いたアメリカ史上最長の好景気の時代だった。
今や状況は変わった。そして金融機関に対する信用は過去最低。タイムによると、金融機関を信用していると答えた人は、2016年にはアメリカ人のわずか8%のみ。若い世代が銀行に対して特に不信感を持っている。
ついに、自動運転車が現実に。
Toyota
わずか2、30年で、自動運転車は遠い夢の話から現実になった。
今では、テスラ、GM、フォード、ウーバー、グーグル、アップルといった企業がそれぞれ独自に自動運転車を開発しており、すでに世界各地の大都市で走行実験を行っている。
気候変動が恐ろしい現実になりつつある。
Luke MacGregor/Reuters
研究者たちは地球の気候に変化が起きていることを数十年間認識してきた。しかしここ数年で、壊滅的な影響が極めて明確になってきた。
気候に関する記録は異常なペースで更新されており、過去4年間の平均気温は観測史上、最も高かった。また平均気温だけでなく、月間の平均気温が観測史上、最も高い月もここ数年でいくつか観測された。
2015年のパリ協定が最も顕著なものだが、環境問題は国際政治でも重要度を増している。
数々の社会問題が注目を集めている。
Getty Images/Scott Eisen
各世代それぞれが新たな社会問題を提起しており、近年では数々の社会問題が注目を集めている。
「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命もまた大切)」などの団体は、刑事司法制度に存在する不平等を浮き彫りにした。そして、2017年に始まった「#MeToo」ムーブメントは、日々のあらゆる場面でセクハラや性的虐待を受けてきた女性にスポットライトを当てた。
また、LGBTの権利擁護者が権利拡大や法的保護を求めて活動してきた結果、2015年、アメリカ連邦最高裁判所は同性婚を全50州で合法化した。
[原文:11 dramatic ways the world has changed in the last 20 years alone]
(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)