べゾス、バフェット、マスク…… アメリカで最も裕福なCEOたちの「引退計画」

ブライアン・チェスキー氏とグウィネス・パルトロウ

世界有数のお金持ちの「リタイア」の捉え方は違うようだ。写真は、AirbnbのCEOブライアン・チェスキー氏と女優のグウィネス・パルトロウ。

Mike Windle / Getty

  • 引退は避けられないものだ。それが世界で最も裕福な人々であったとしても。
  • アマゾンのCEOジェフ・ベゾス氏、バークシャー・ハサウェイのCEOウォーレン・バフェット氏、テスラのCEOイーロン・マスク氏も、いつかはリタイアする。
  • 世界で最も裕福な人々の、夢のリタイア計画とは?

世界で最も裕福なCEOたちが自身の築き上げた帝国から引退するのは、想像しづらい。

バークシャー・ハサウェイのCEOウォーレン・バフェット氏のような一部の人々も、想像できないのだろう。一方で、ビル・ゲイツ氏のように、迷うことなく権力を譲り渡す人たちもいる。

ただ、大企業のCEOたちの「リタイア」の捉え方は、仕事であれ趣味であれ、一般人とは少し違うようだ。

しかし、だからといって彼らの引退後の計画が、わたしたちの老後にひらめきを与えないとは限らない。

世界で最も裕福な12人のCEOたちの「引退」に対する考え方とそこから学べるアイデアを紹介しよう。


ジェフ・ベゾス氏 —— アマゾンのCEO

ジェフ・ベゾス氏

Drew Angerer/Getty Images

フォーブス400ランキング:2位

以前、もし自分が今の"ジェフ・ベゾス"でなかったら、何をしていると思うか尋ねられたベゾス氏は、「バーテンダーになってたんじゃないかな。カクテルには自信があるんだ」と語っている

「バーテンダー、ベゾス」は、引退後の夢としては言うことなしに思える。常に新しいこと、今までと違うことを追求したい人は、引退後に何か別のことを始めることが多い

一歩踏み出して、自分の情熱や才能をいかした別の仕事を始めてみよう —— カクテル作りのような。

ウォーレン・バフェット氏 —— バークシャー・ハサウェイのCEO

ウォーレン・バフェット氏

AP Photo/Nati Harnik

フォーブス400ランキング:3位

「もし今日、仕事を辞めたら……という人は、よくいる。彼らは丸々1週間をかけて散髪の予定を立てているが、それはわたしの考える生き方ではない」バフェット氏はかつてこう語っている。自身の仕事を手放すことは「クレイジー」だとも。

87歳にしてバフェット氏は今もバークシャー・ハサウェイの舵取りをしている。バフェット氏のように自分の仕事を愛しているなら、続けるのも良さそうだ。

研究によると、まだ働ける年齢での引退は認知能力に悪影響を及ぼすといい、定年を超えて働き続けることで、死亡率も下がるという。

マイケル・デル氏 —— デルのCEO

マイケル・デル氏

Drew Angerer/Getty

フォーブス400ランキング:14位

「50歳で元気なら、(引退や後継は)すぐに起こり得るシナリオではない」デル氏は2015年、Economic Timesに語った。「充実した時間を過ごしているし、ビジネスも順調だ。永遠に続けることはできないが、うまくいっているし、問題はない」

早期リタイアを夢見る人もいれば、できるだけ先延ばしにしたいと願う人もいる。仕事がうまくいっていて幸せなら、早く引退する必要はない。

イーロン・マスク氏 —— テスラ・モーターズのCEO

イーロン・マスク氏

Noah Berger/Reuters

フォーブス400ランキング:21位

「引退して生活をするにはいい場所だろう」マスク氏はかつてガーディアンに語った。火星の話だ。マスク氏はスペースXを通じて、火星に100万人を移住させたいと考えている。

あなたがリタイアする頃までには、マスク氏がこの目標を実現させているかもしれない。あなたも残りの人生を同氏と一緒に火星で過ごせるのだ。

だが、夢が実現しなくても、重要なことが1つある。大きな夢を持ち、冒険を忘れずに生きることだ。引退後の生活に備えて、海外にセカンドハウスを持つことを考えてみるのもいいかも?

スティーブ・コーエン氏 —— ポイント72のCEO

スティーブ・コーエン氏

Point72

フォーブス400ランキング:34位

若くして引退した自身の父親について、コーエン氏はフォーチュン誌に対し、「リタイアしないというつもりはないが、自分が彼のように(若くして)引退するのは想像がつかない」と語り、ほとんど活動もせず、目的も持たず、時間を無駄遣いしている父親の姿を見るのは忍びなかったと話している。

人々が長く働くのは、そうしなければならないからではなく、そうしたいからだ。ピュー・リサーチ・センターの調査によると、2016年5月の時点で、65歳以上のアメリカ人の18.8%が働き続けていることが分かった。2000年の調査から5%増えている。そして、この数字は今後5年で32%まで伸びると見られている。

引退後も、パートやアルバイトをすることで活動を続けたり、目的を持つことができる。Transamerica Center for Retirement Studiesによると、アメリカの労働者の56%が引退後もパートやアルバイトとして働きたいと考えている。

ジャン・コウム氏 —— ワッツアップ(WhatsApp)のCEO

ジャン・コウム氏

女優のリリー・コリンズさんと。

Steve Jennings / Getty

フォーブス400ランキング:48位

コウム氏ヤフーを辞めた後、1年の休暇を取って旅をした。まるでミニ・リタイアだ。

「約1年前にセミ・リタイアしてから、本当によく旅をしたんだ。海外で飛行機に乗っているときに、誰かが連絡を取ろうとしてくるのが嫌で仕方なかった」コウム氏は以前、書いている。その直後に WhatsAppが生まれた。

休暇が少なく、じっくり物を考えたり、旅をしたり、何らかの活動をする時間が足りない人もいるだろう。引退に対する考え方を変え、人生の最後にまとめてではなく、その時々でこうした時間を持つ方が、あなたのライフスタイルに合っているかもしれないし、コウム氏のような成功につながるかもしれない。

ブライアン・チェスキー氏 —— エアビーアンドビー(Airbnb)のCEO

ブライアン・チェスキー氏

Scott Olson/Getty Images

フォーブス400ランキング:186位

「(自分が引退するときは)エアビーアンドビーが1億人の新たな起業家を世に生み出したと言えたらいいな」チェスキー氏はニューヨーク・タイムズに語った

リタイアについて考えるときは、自分がどう記憶されたいか、後世に何を残したいかも忘れずに考えておこう。キャリアの中では、それは新たなシステムを生み出したり、リーダーシップを築くことかもしれない。引退後なら、財団を作ったり、寄付をすることかもしれないし、プライベートでは、子孫を残すことかもしれない。

ジュディス・フォークナー氏 —— エピック・システムズのCEO

ジュディス・フォークナー氏

Judy Faulkner

フォーブス400ランキング:219位

「ぜいたくな生活を送る裕福なビリオネアになりたいと思ったことはありません。保有するエピック社の株から入るお金は財団へ、というのがわたしの相続の計画の一部です」フォークナー氏はギビング・プレッジ(Giving Pledge)へのレターで書いた。

「昔、わたしが子どもに親からもらう必要のある2つのものは何かと尋ねたら、子どもたちは『食べ物とお金』と答えました。わたしは『根っこと羽ね』と言いました。慈善事業に自身の財産の99%を約束することで、わたしは他の人たちに根っこ —— 食べ物、暖かさ、住まい、医療、教育 —— を支援して、彼らにも羽を手に入れてもらいたいのです」フォークナー氏は書いている。

医療関係のイノベーターである同氏は、ギビング・プレッジにコミットする最初のビリオネアではないが、最も多くの寄付をしている1人だ。言うまでもなく、同氏にとっての引退は与えること、そしてシンプルに生きることなのだろう。

破産しないために、リタイア後の生活に向けて十分な蓄えをしておくことは重要だが、その生活は必ずしも大きな家やぜいたくな暮らしを意味しなくていい。引退後、よりシンプルでコンパクトな暮らしを求める人もいる。

金利の低い今、どんなに蓄えてもお金は増えない。シンプルな暮らしは悪いアイデアではない。

ホルヘ・ペレス氏 —— Related GroupのCEO

ホルヘ・ペレス氏

Joe Raedle/Getty

フォーブス400ランキング:264位

不動産業界の大物であるぺレス氏は、会社を継がせるべく息子たちを育てている。「会社の中で彼らはそれぞれの地位を築こうとしている。もちろん、わたしの願いは、数年後に彼らが会社を経営するようになることだ」同氏はブルームバーグに語った。「ある意味、本当に会長のようになって、自分のやりたいことをしたい」ペレス氏は旅行や慈善事業、芸術にもっと力を注ぎたいと言う。

リタイアすれば、時間はいくらでも手に入る。今こそ、自分が何に関心があるのか模索しよう。ゴルフをしたり、読書会を始めたり、世界を旅したり……何でもいい。ちなみに、リタイアした人の約70%は、旅行が人生を楽しむ助けになると話している。

メグ・ホイットマン氏 —— NewTVのCEO、ヒューレット・パッカード及びeBayの元CEO

メグ・ホイットマン氏

夫のグリフィス・ハーシュ氏と。

Drew Angerer / Getty

フォーブス400ランキング:264位

「検討を重ねた結果、わたしたちはサクラメントのメジャー・リーグ・サッカー(MLS)への加盟を支援したいと考えています」ヒューレット・パッカードから引退する2カ月前、ホイットマン氏は夫グリフィス・ハーシュ氏と出した声明文で述べている。「サクラメントは自らをMLSに加盟するに足る、優れたサッカーチームであることを証明してきました」

リタイアは、コミュニティーを支援し、恩返しするのに良いタイミングだ。ホイットマン氏のような大きな支援は提供できなくても、何かを教えたり、誰かのメンター役を務めたり、地元の自治会などに参加したり、地元の企業やチャリティーでボランティアをすることを考えてみよう。リタイアした人の多くは、こうした「お返し」は充実感をもたらすという。

マイケル・ルビン氏 —— KyneticのCEO

マイケル・ルビン氏

NFLのオデル・ベッカム選手(左)と。

Joe Scarnici / Getty

フォーブス400ランキング:278位

「自分が一生懸命働いていないシナリオが見えない」ルビン氏は41歳のとき、Entrepreneur.comに語った。引退は頭にないという。

「リラックスするのが下手なんだ。わたしの強みの本質ではない。何日か前、誰かに言われたんだ。わたしが寝ているのかって。実際、あまり好きじゃないね」

ルビン氏は精力的だ。もしあなたも同じタイプなら、リタイア後は趣味をちょっとしたビジネスに育てることを考えてみよう。いくばくかの副収入を得ることができる。好きなだけ自分の努力をつぎ込めるのも、引退の利点だ。

リード・ヘイスティングス氏 —— ネットフリックス(Netflix)のCEO

リード・ヘイスティングス氏

Facebook/Reed Hastings

フォーブス400ランキング:359位

2011年、ネットフリックスの経営者はBusiness Insiderに語った。「間違いなく言えるのは、今年の引退は考えていないということだ。だが、10年も経てば、いろいろなことが変わってくる」

ヘイスティング氏は正しい。特に早期リタイアを考えている場合、さまざまな要素が絡んでくる。Business Insiderが以前報じたように、最も重要な要素は自身のライフスタイル —— つまり、今と将来それぞれのお金の使い方だ。計画的に貯蓄できているか、このガイドラインで確認しよう。

[原文:What a dream retirement plan looks like for 12 of the richest CEOs in America]

(翻訳、編集:山口佳美)

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