サハラ砂漠を6日で駆け抜ける! 「地球上で最も過酷なマラソン」に参加してみた

砂漠を走る人たち

Matt Turner

6日間でサハラ砂漠を駆け抜ける「サハラマラソン(The Marathon des Sables)」は、"地球上で最も過酷なフットレース"だ。

33回目となる2018年の大会は、4月8日~13日(現地時間)の6日間で、250キロメートルを走る。

強い心の持ち主でなければ、立ち向かうことはできないだろう。

そびえたつ砂丘や干上がった川床、岩山の上り坂がランナーたちを待ち受ける。

1日に走る距離はフルマラソンとほぼ同じで、最も距離の長いステージでは、その2倍の距離を完走しなければならない。

気温40度を超える中、走ったり歩いたりしながら、参加者は自身の1週間分の食料も運ぶ。水は配給される。塩分補給の錠剤も欠かせない。

参加者は野営テントで寝るが、夜になって気温が下がると暖かいとは言えず、砂嵐の影響を受けることもある。

完走できない者が多く出るのも当然だ。砂漠は苛酷で、生き残るには運も必要だ。

筆者は2016年の第31回大会に参加し、完走した。「地球上で最も過酷なフットレース」を紹介しよう。


サハラマラソンに参加するには、かなりの装備が必要だ。少なくとも1日あたり2000カロリーの食事を7日分運ばなければならず、その大半はフリーズドライの食べ物だった。いざというときのため、毒抜きの吸引具からシグナルを送るための鏡まで、サバイバルキットも持ち運ばなければならない。

パッキング

Elizabeth Fournier

2016年4月8日、最初の野営地に到着。飛行機でモロッコのワルザザートに着いた後、さらに車で6時間かかった。

空港

Matt Turner

野営キャンプには170前後のテントが張られ、最大で8人の参加者が1つのテントで寝る。テントは国籍ごとに分けられていて、イギリス人とフランス人がキャンプの大部分を占めていた。筆者は3人の友人と、バスで出会ったデイブ(Dave)という名前のイギリス人ランナーと一緒に泊まった。

キャンプ

Matt Turner

砂漠で過ごす初日の夜は、夜間の気温を知り、それに応じて荷作りを調整するいい機会になった。思っていたより寒かったので、超軽量のジレを追加した。

寝袋

James Bowkett

2016年4月9日、持ち物の検査があった。レース番号と追跡装置も受け取る。バッグの重さも計測。荷物は最低でも6.5キログラム(もしくは14ポンド強)は必要なので、できるだけその重量制限に近づけるのが大事だ。計量後、わたしたちは必要でないものをいくつか捨てなければならないことが分かった。

テントの前で記念撮影

Matt Turner

2016年4月10日午前8時30分、レースが始まった。AC/DCの「地獄のハイウェイ(Highway to Hell)」がかかっていた。

スタート

Matt Turner

最初のステージの距離は比較的短く、21マイル(約34キロメートル)ちょっと。ただ、その途中にはエネルギーを消耗する10マイルほどの砂丘があった。

砂丘

Matt Turner

わたしの場合、水と塩分を適度に取るのに苦労した。こんなに早く疲れてしまうとは思わなかった。

疲れ切ったランナー

Matt Turner

レース2日目。少し気楽に行くことにした。水分補給の戦略を見直し、後半に備えてエネルギーを温存。このステージの距離25マイル(約40キロメートル)のほとんどを友人と一緒に走った。走り終わった後は、まだまだ行けると思ったが、足は消耗し始めていた。

砂漠

James Bowkett

レース3日目。このステージは比較的平坦な地形を走り抜ける。23マイル(約37キロメートル)のコースを再び友人と進んだ。足首から上は問題ないが、下は思った以上に腫れて、靴がきつくなってきた。靴擦れもだんだんひどくなる。

テーピング

James Bowkett

各ステージは通常、午前8時頃に始まる。夜明けからその日のレースが始まるまでは、キャンプが参加者の拠点だ。

準備をする人々

Matt Turner

2016年4月13日。すっかり重くなった足でいくつもの岩山を越える52マイル(約84キロメートル)の道のり……長い1日だ。ここが大きな試練になることは分かっていた。

ランナー

Matt Turner

最も過酷な上りは、6マイル(約10キロメートル)ほど走ったところでやってきた。この「エル・オトファル(El Otfal)」の勾配は平均12%で、最後の550ヤード(約500メートル)は30%にもなる。

目の前の急勾配

Matt Turner

21マイル(約34キロメートル)ほど進んだところにある「チェックポイント・スリー(CP3)」で、水で戻したビスケット、グレイビー、行動食のクリフバーを食べるために休憩を取った。太陽が落ち始めていたので、ヘッド・ライトをオンにして、暗闇の中を走り続ける。28マイル(約45キロメートル)地点にある「チェックポイント・フォー」では3時間の仮眠を取ると、午前2時30分に再び走り始めた。

疲れた表情

Matt Turner

34.5マイル(約56キロメートル)地点にある「チェックポイント・ファイブ」では、グラノーラを食べ、アールグレイの紅茶を飲むために止まった。遠くの砂丘から太陽が昇ってくるのを、座って見ることができた。

夜明け

Matt Turner

レース中、友人や家族もわたしたちの動きをMdSのウェブサイトで追跡することができた。バッグに着けた追跡装置が、ピンポイントで位置情報を伝えていた。

ウェブサイト

Julia La Roche

長いステージを走り終え、食べ物をおなかに入れて少し休んだ。その後、キャンプにいる全員で最後のランナーのゴールを祝った。

肩を組むランナーたち

Matt Turner

「Doc Trotters」による医療サポートは、本当に素晴らしかった。毎晩、痛みを抱えてキャンプにたどり着くわたしを、次の日の朝には再び出発できるよう、どうにか回復させてくれた。

医療サポート

Matt Turner

だが、ここで終わりではない。ステージはまだ残っている。レース6日目の地形は前半戦に比べればやさしいが、暑さと疲労の蓄積もあり、きついことに変わりはない。

土埃が舞うコース

James Bowkett

2016年4月16日、イベントは国際連合児童基金(UNICEF)の11マイル(約18キロメートル)のチャリティー・ステージをもって終了。当日の朝、きれいなTシャツが参加者全員に手渡され、それを着たわたしたちは、ゆっくりと足を引きずりながらフィニッシュ・ラインまで歩いた。

ユニセフのTシャツを着た参加者

Matt Turner

やった! 完走だ。

メダル

Matt Turner

バスでワルザザートのホテルに戻ると、プールでひと休みするチャンスがあった。

プール

Matt Turner

[原文:I ran 'The Toughest Footrace on Earth,' which covers 160 miles through the Sahara desert in 6 days — and it was absolutely brutal]

(翻訳:Setsuko Frey、編集:山口佳美)

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