アンダーアーマーの創業者でCEOのケビン・プランク氏。
Reuters/Steve Marcus
- アンダーアーマー(Under Armour)の株価がまた下がっている。今回は、アメリカの金融街のアナリスト2人が、同ブランド最大の取り扱い店の1つであるディックス・スポーティング・グッズ(Dick's Sporting Goods)で地歩を失いつつあるとの見方を示した後のことだ。
- 数日前には、同社の人気アプリ「MyFitnessPal」の個人情報が流出したと報じられていた。
4月2日午前(現地時間)、アンダーアーマーの株価が最大で5%下がった。同ブランドの売り上げの低迷が、ディックス・スポーティング・グッズの決算に影響を及ぼすだろうと、金融街のアナリスト2人が警告した後のことだ。アナリストらは、プライベートブランドがアンダーアーマーに取って代わるだろうと見ている。
モルガン・スタンレーのシメオン・ガットマン(Simeon Gutman)氏とクレディ・スイスのセス・シグマン(Seth Sigman)氏は2日(現地時間)、それぞれが書いた顧客向けのメモの中で、ディックス・スポーティング・グッズの売り上げに占めるアンダーアーマーの売り上げの割合が10%以下に減ったと述べた。2017年は12%だった。
「DKSにとって、こうした国内ブランドは依然として非常に重要である一方で、同社はプライベートブランドに関する大きな計画を持っている。比較的短期間で20億ドル規模、売り上げの20%程度の成長を目指している」クレディ・スイスのシグマン氏は指摘する。
モルガン・スタンレーのガットマン氏は、ディックス・スポーティング・グッズでのアンダーアーマーの売り上げが2017年、11~17%減ったと見ている。
アンダーアーマーをめぐっては、ちょうど2日前に同社の人気アプリ「MyFitnessPal」が「権限のない第三者」によってハッキングされたことを発表していた。ユーザー1億5000万人のユーザーネームやEメールアドレスといった情報が流出したが、支払いの詳細は含まれていないという。
アメリカの金融街ではここしばらく、同社の株に対し、弱気な見方が広がっていた。ブルームバーグの調べによると、アンダーアーマーの株を「買い」と判断していたのは、アナリスト35人中7人のみだ。その目標価格の平均は14.56ドルと、3月30日の終値を10%下回っている。
アンダーアーマーの株価は2018年に入ってから、6.6%上がっている。決算発表は4月26日の見込みだ。
(翻訳、編集:山口佳美)