Benjamin Zhang/Business Insider
- エミレーツ航空は、数多くのボーイング777やエアバスA380を保有する。
- エミレーツ・エンジニアリングの役割は、これらの航空機を安全かつ効率的に運航できる状態に保つこと。
- ドバイ国際空港にある工場を見てみよう。
過去30年以上をかけて、エミレーツ航空は世界でも有力な航空会社となった。アラブ首長国連邦のドバイを拠点とするエミレーツ航空は、数多くのエアバスA380やボーイング777を運航している。
エアバスA380の保有機数は102機、2番目の保有機数を誇る会社の5倍に達する。さらにエミレーツ航空は少なくとも77機のA380を発注している。
また160機以上のボーイング777を運航、これは過去25年に製造された同機の12%がエミレーツ航空のフラッグをつけて飛んでいる計算になる。
これらの航空機を安全かつ効率的に運航できる状態に保っているのが、エミレーツ・エンジニアリング(Emirates Engineering)、エミレーツ航空のメンテナンス部門だ。
エミレーツ・エンジニアリングは日常的な点検からエンジンのメンテナンス、航空機を分解して行われる総合的な点検、客室の改修、そして航空機のアップグレード計画にも携わる。さらに、機体のカスタムペイントのための塗装工場も保有している。
エミレーツ航空の素晴らしいメンテナンス部門は「when in doubt, ask for help」というチームワークを重んじるカルチャーを持ち、予防整備の重要性を理解している。
ドバイ国際空港にはエミレーツ・エンジニアリングの格納庫や工場、オフィスなどの施設がある。3億5000万ドル(約370億円)のこの施設は、2006年から稼働している。
エミレーツ・エンジニアリングの内部を見てみよう。
エミレーツ・エンジニアリングはドバイ国際空港の北端にある。管理棟や格納庫からなる約55万平方メートルの複合施設。
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8機分の格納庫がある建物は世界最大級の建物。
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最初に訪れたのは、エアクラフト・アピアランス・センター(Aircraft Appearance Center)。塗装工場に留まらない施設で、航空機の外装をチェックし、清掃し、塗装し、さらに追加の特別塗装などを行う。
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新たな塗装を待つA380。
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メンテナンスハンガーの中では……
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エミレーツ航空が保有する10機のボーイング777-200LRのうちの1機を見ることができた。
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11月にドバイ航空ショーで発表した新インテリアにするために、客室は何もない状態。
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木箱の中には新ビジネスクラスのシートがあった。
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客室から撤去された古いシート。
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こちらは777-300ER、リース会社に返却する準備をしている。
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リース会社との契約に従い、内装を元に戻している。
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シートはそのまま、しかしエミレーツ航空のカーペットは取り払われ、青いカーペットに。
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ハンガーの中央には、ボーイング777のGE90ターボファンエンジン。
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次はエアバスA380。エミレーツ・エンジニアリング以上に同機のメンテナンス実績を持つところはない。エミレーツ・エンジニアリングはその高い技術を活用して、同機を運航する世界中の航空会社に、サービスを提供しようと計画している。
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2階建てのA380は巨大!
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エンジンを取り付ける支柱を交換中。
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スタッフは三輪自転車に乗って施設内を移動する。
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別のA380。自分の目で確かめるまで、その大きさは完全には理解できない。
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ハンガーで出会った最後の航空機は777-300ER、ランディングギアを交換中。
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見学の最後は、エンジン工場。
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A380に搭載されるロールス・ロイス製トレント900エンジン。同社のA380はこれまでエンジン・アライアンス製GP7200エンジンを使用してきたが、数年前にロールス・ロイス製エンジンに切り替えた。
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エミレーツ航空はドバイ国際空港から約40キロ離れた場所に新しい、エンジン・メンテンナンスの専用施設を保有している。なので、こちらのエンジン部門は最近はそれほど忙しくない。
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[原文:Inside the $350 million Emirates complex designed to fix the Airbus A380 superjumbo]
(翻訳:塚本直樹、編集:増田隆幸)