アメリカでデニムに復活の兆し —— アスレジャーがもたらした、これまでにない変化とは?

デニム

デニムが帰ってきた!

Shutterstock/Vastram

  • デニムに復活の兆しが見えてきた。
  • ギャップやJ. クルー、アバクロンビー&フィッチといった複数の小売業者は、その第4四半期決算でデニムの売り上げが好調だとしている。
  • これは、アスレジャー市場の今後に影響を及ぼす可能性がある。

デニムがわたしたちのワードローブに戻ってくる日も近いのかもしれない。

ここ数年、ファッション業界を席巻してきたのは、ストレッチの効いたアスレティック・ウェアだ。ウェルズ・ファーゴのアナリストによると、こうした「アスレジャー」は2011年から2016年にかけ、全てのアパレル及びフットウェア市場の30%を占めるまでに成長した。一般的なアパレル部門が1年に1%成長する中、アスレジャーは7%と驚異的な成長を遂げてきた。

ルルレモン(Lululemon)やアンダーアーマー(Under Armour)、ナイキ(Nike)といったアスレティック・ブランドがその流行をリードしたが、ギャップ(Gap)やJ. クルー(J. Crew)、フォーエバー21(Forever 21)といったより伝統的なアパレルも、自身の売り上げを伸ばそうと流れに乗ってきた。

2017年になるとアスレジャーは大流行し、国勢調査のデータによると、アメリカではストレッチの効いたパンツの輸入量がブルー・デニム・ジーンズを初めて上回った。

しかし今、デニムに復活の兆しが見えてきた。

3月末に発表した最新の決算で、カルバン・クライン(Calvin Klein)やトミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)の親会社であるPVHは、2017年、ジーンズの売り上げが「驚異的に回復」したと述べた。特にカルバン・クラインのジーンズは、「素晴らしい強さと、我々の見込みを大きく上回る成長」を見せたと、CEOのエマニュエル・キリコ(Emanuel Chirico)氏は投資家向けの収支報告で語った。

ただ、90年代ファッションの復活で再び注目されているのは、カルバン・クラインだけではない。

アメリカで最も有名なジーンズ・メーカーのリーバイス(Levi's)は、2017年に売り上げが8%伸びたといい、ここ10年で最大の成長率となった。同社は、古着屋でリーバイスのジーンズに何百ドルも払ってくれる、流行に敏感な消費者がけん引するビンテージ・スタイルの復活に資本を投下している。

こうした流れに乗り、リーバイスは「リーバイス・オーソライズド・ビンテージ(Levi's Authorized Vintage)」として知られる1960年代、1970年代、1980年代のジーンズを使った限定コレクションを作った。これらのジーンズは1本300ドル(約3万2000円)で販売されている。

「我々は歴史あるアイコンを活用しきれていなかった」リーバイスの幹部ジェームズ・カーレイ(James Curleigh)氏は2017年、ウォール・ストリート・ジャーナルに語った。

だが、デニムの復活を経験しているのは、90年代を象徴するブランドだけではない。J. クルーの姉妹ブランド「メイドウェル(Madewell)」やギャップ、アバクロンビー&フィッチ(Abercrombie & Fitch)、アメリカン・イーグル(American Eagle)といった主流のアパレル企業も、第4四半期決算でデニムの売り上げが好調だとしている。

アバクロンビー&フィッチは、2017年の第4四半期で既存店売り上げがプラス成長する前、6年にわたって業績が低迷していた。CEOのFran Horowitz-Bonadies氏は投資家向けの収支報告で、この成長の背景の1つとしてさまざまなブランドでデニムの売り上げが伸びたことを挙げ、中でもホリスター(Hollister)のデニムの売り上げは「歴史的な1年」になったと語った。

一部のアナリストたちは、アスレジャーはピークを超えたと言う。なぜなら、市場には今や選択肢があふれているからだ。

2017年には、同カテゴリーの成長にも陰りが見え始めた。NPDグループによると、アメリカのアクティブ・ウェアの売り上げは2017年には全体で480億ドルと、2016年から2%増加したが、以前に比べるとその成長は緩やかになった。

しかし、アメリカの消費者にストレッチの効いたパンツを捨てる様子はない。そのため、小売業者はエラステイン(elastane)やライクラ(lycra)といった素材を使った、よりストレッチの効いたジーンズを作っている。

ジェギンス

アメリカン・イーグルの「ジェギンス」には、エラステインが2%使われている。

American Eagle

アメリカン・イーグルも、オンライン・ストアでストレッチの効き具合によってジーンズを分類できるアパレルの1つだ。ストレッチのレベルだけなく、豊富なスタイル、異なるテイストのジーンズが用意されている。

「我々のゴールは、アメリカにおけるジーンズの権威になることだ」グローバル・ブランド・プレジデントのチャド・ケスラー(Chad Kessler)氏は3月、投資家向けの収支報告で述べた。「そして、我々はそれに情熱を注いでいる」

[原文:A dominant American clothing style is back from the dead — but athleisure has changed it forever]

(翻訳、編集:山口佳美)

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