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技術×営業×デザイン —— パナソニック「画像処理・センシング技術」はこうしてソリューションに進化した

前回の記事で、パナソニックの画像技術の多様なソリューション展開を紹介したが、これらはどこから生み出されているのか。

画像技術をどのようにソリューションにつなげているのか、その中で2015年に設立された“イノベーションセンター”という組織がどういう意味を持つのか —— 。パナソニックのBtoB事業をの中核を担うコネクティッドソリューションズ社(以下、CNS社)イノベーションセンター センシング事業統括部統括部長の大橋政宏氏に、その実情を聞いた。

新しいソリューションを生み出す画像技術とは

羽田のゲート

羽田空港の帰国手続きで導入されている顔認証ゲート(日本人用)。「初心者や高齢の人でも使いやすい」をコンセプトに開発された。

「画像技術とは、一言でいえば、画像データにデジタル信号処理をかけて、望みの結果を得るもののこと。大きく分けて2つあります。1つは、画像のノイズの除去や階調補整などで、画質を向上する“高画質化技術”。雨や雪などの悪天候や、蛍光灯のちらつき、ピンボケなど、画像に混入した外乱を補整する"外乱除去技術"などがあります。 そしてもう1つは“画像センシング技術”です」(大橋氏)

後者の画像センシング技術とは、カメラで写した画像の中から人の顔など特定のカテゴリーの物体を検出、認識する技術。監視カメラが撮影した映像をデータベースと照合して危険人物を発見する、売場の映像を分析して顧客の属性を知るなど、セキュリティやマーケティング分野で活用されている。

「例えば、2017年10月から羽田空港で日本人の帰国手続に導入されたパナソニックの『顔認証ゲート』。その場で撮影した本人の顔画像と、パスポートのICチップに保存されている顔画像を利用して本人確認を行うものです」

人物の検出と同時に、その属性を推定する「人物属性推定技術」は、パナソニックのイノベーションセンターがもつ画像センシング技術の特徴の一つである。

「この技術によって、車椅子に乗っている人やベビーカーを押している人、杖をついている人などをリアルタイムで検出できます。駅構内やデパートなどで、困っているお客様をサポートすることが可能になります」

さらに、人物の動線を分析することで公共施設における不審者の動向を把握する、店舗内のお客様の購買行動を分析するなど、広範囲の応用が可能である。

画像、音声、無線……技術の組み合わせが価値を生む

アメリカ国立標準技術研究所

メリーランド州にある、アメリカ国立標準技術研究所。

Shutterstock.com

パナソニックでは、デジタルカメラ登場以前からテレビやビデオ製品の開発を行っており、長年にわたり画像処理技術の開発に携わってきた。

画像センシング技術については30年近く前から研究開発を進めてきた。特に近年では、ディープラーニングを使った画像による顔認識の精度において、アメリカ国立標準技術研究所(NIST IJB-A)のコンペティションで世界最高水準の精度(※)を実現している。

※2017年4月28日に公開されたNIST公式の評価レポート (IJB-A Face Verification Challenge Performance Report、IJB -A FaceIdentification Challenge Performance Report)における評価において

パナソニックの強みはそれだけではない。画像だけでなく、音声や無線の技術など多種多彩な要素技術を保有している。それらはコンシューマー向け製品だけでなく、BtoB向けのソリューションにも展開され、幅広く応用されている。

「多くの技術を組み合わせて使えるのが、我々の強みです。例えば画像技術に、『音声』や『無線』の技術を組み合わせたマルチモーダルセンシングを活用し、店舗の様子、従業員やお客様の状況を音と映像で確認することで、作業の効率化分析や、マーケティング分析に活用するなどさまざまな分野への展開も期待できます」

特徴ある画像技術、音声や無線の技術、そしてこうした技術の使い方についてのアイデアを組み合わせることで、新しいソリューションが生み出されているのだ。

技術とアイデアの出合いを起こす“仕掛け”

イノベーションセンター概要

技術がソリューションからビジネス・プロジェクトへと広がっていく。(クリックすると拡大されます)

どのようにして技術とアイデアが出合うのか。それにはイノベーションセンターの存在が大きい。イノベーションセンターは、パナソニックグループ内のBtoB事業の中核を担う社内分社「CNS社」の傘下にある。

2015年に設立された同センターは、パナソニックの先端技術を生かしたソリューションをお客様企業に提案していく役割を担っている。

「パナソニックが持つコンシューマー視点のノウハウや発想力、技術開発力は、お客様企業のビジネス上の課題解決に役立つものが少なくありません。この、当社の強みである家電のDNAを継承しながら、お客様のビジネスの現場に合った新たなソリューションを生み出していきたい 」と大橋氏。

イノベーションセンターのコンセプトは「新しいアイディアと新しい技術で、お客様との共創イノベーションを加速させる」。技術者、SE、マーケティングといった職種を越えた人たちが集まる、パナソニックグループ内でもユニークな立ち位置の部門である。

技術者が「自分たちの耳で」お客様の声を聞く

ディスカッションしている風景

Shutterstock

「センターが設立されるまで、研究開発部門のメンバーは、営業とは物理的にも組織的にも距離があり、お客様との接点は多くはありませんでした。しかしセンター設立時に、マーケティング、SE部門と同じフロアに集結して、机を並べて働くようになりました。一緒にお客様の現場に足を運ぶことが多くなり、直接お困りごとを伺うように変化してきています。自らお客様とコミュニケーションをとり、市場のニーズを肌で感じ取る機会が増えています。中には10年間で2、3回だったお客様への訪問が月に2、3回まで増えている者もいます。それが技術者の意識改革にもつながっていると思います」

技術開発陣にとってのモチベーションである「自分たちが開発した技術が製品に搭載されること」に、「お客様との共創」が加わり、それがまた新たなモチベーションへとつながっている。

技術の「細分化」をどのように防いだのか

イノベーションセンターの誕生で、社内の部門間の協力体制も大きく変わった。その一例がデザイン部門と技術部門との関係である。明らかにコミュニケーションを取る機会が増えたと大橋氏は言う。

「ユーザビリティに配慮したデザインは重要です。それをお客様にわかりやすい形に仕上げるのは、やはりデザイナーのデザイン力。 羽田空港の顔認証ゲートの開発にあたっても、初めて使う人や高齢の人でも迷わず使えるような工夫がいくつも施されています。例えば、パスポートリーダは規定の置き方以外でも対応できるようになっている。旅行客の荷物を置くスペースなども確保したり、設置場所に応じてフレキシブルにレイアウトを変更できる設計になっています」

部門ごとに技術やノウハウが縦割り的に細分化し、うまく連携が取れなくなりがちな点にも留意した。

「イノベーションセンターでは、お客様のお困りごとを解決するための技術を集約し、組織の壁を越え、組織や担当者間で横連携をしながら開発を進めています。これからも、柔軟な姿勢でお客様の課題解決に役立っていきたいと考えています」

社内の組織を横断的につなぐ役割を担うイノベーションセンターだが、外部の企業との交流にも積極的だ。

パナソニック 大橋氏

パナソニック コネクティッドソリューションズ社 イノベーションセンターセンシング事業統括部統括部長の大橋政宏氏。

「お客様とはもちろん、社外のベンチャー企業との共創も、今後は積極的に進めていきたいですね」と大橋氏は未来に向けての抱負を語る。

パナソニックのBtoB事業を支える新しい力は、こうした現場の取り組みから生み出されているのだ。


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