Noah Berger / AP Photo
- テスラとスペースXのCEOを務めるイーロン・マスク氏は、人工知能(AI)が人類を滅亡させると警告している。
- マスク氏は、AIが「絶対に逃れることのできない不死身の独裁者」を作り上げるために使われる可能性があると、新たなドキュメンタリー作品『Do You Trust This Computer? (あなたはこのコンピューターを信用しているか? )』の中で指摘している。
- このドキュメンタリー作品(全編)は、動画の公式サイトで期間限定で見ることができる。
人工知能(AI)は、人類を永遠に支配するロボットの独裁者の誕生を促す可能性がある —— 。ビリオネアのイーロン・マスク氏は、新たなドキュメンタリー作品の中で言った。
「ある企業もしくは小さな集団が神のような超知性を開発すれば、彼らは世界をその手中に収めることができるだろう」マスク氏は語る。
「悪魔のような独裁者は、少なくともいつかは死ぬ。だが、AIに死が訪れることはない。永遠に生きる。つまり、絶対に逃れることのできない不死身の独裁者が現れるようなものだ」
マスク氏の発言は基本的に、政府や他の組織が人間の指導者よりも長生きする、永遠に破壊されることのない危険なAIを作り出す危険性があると指摘するものだ。そして、それを避ける1つの方法がAIの民主化だと言う。
ドキュメンタリー作品『Do You Trust This Computer? (あなたはこのコンピューターを信用しているか? )』は、AIが人間よりも賢く進化し、所有者を超えたら何が起こり得るかといった、AIの潜在的な危険性を描いている。
「我々は急速に、どんな人間をも超えるデジタルの超知性へと向かっている」マスク氏は言う。「それは明らかだ」
その上で、同氏は付け加える。「我々に残された時間は5年だ。デジタルの超知性は、わたしが生きているうちに誕生するだろう。100%、間違いなく」
超知性AIの問題点は、人間よりAIが賢くなったとき、我々がテクノロジーをコントロールできなくなる可能性があるからだ。このドキュメンタリー作品は、人間が賛成しないような目標をAIが設定したとき、我々にはそれを止める手段がないのではないかと指摘する。
「AIが人類を破滅させるのに、必ずしも悪魔的である必要はない。AIに目標があって、そこに人類が触っていれば、何の感情もなく、迷うこともなく、AIは人類を破滅させるだろう」マスク氏は言う。「まるで我々が作っている道路に、アリ塚があったようなものだ。アリのことが嫌いなわけではない。ただ道路を作っているだけだ。そしてアリ塚に別れを告げる」
マスク氏の警告は、AIの非常に危険な性質を指摘した、同氏の過去の手厳しい予測を反映したものだ。
同氏は2017年9月上旬、「AIの優位性を国家レベルで競い合うこと」は第三次世界大戦の原因となるだろうと指摘、AIは文明が直面する最大のリスクだとツイートしている。
(翻訳、編集:山口佳美)