ニミッツ級、ズムウォルト級、ワスプ級……アメリカ海軍艦艇、全級を紹介

空母ジョージ・ワシントン

空母ジョージ・ワシントンが、合同演習で空母打撃群と海上自衛隊を率いる。2013年11月28日。

US Navy

アメリカ海軍は、世界最強の海軍。

その歴史はアメリカ合衆国の歴史よりも古く、アメリカ独立戦争中の1775年に大陸海軍として設立された。

アメリカ海軍は、これまでに10を超える大きな戦争に参加し、世界中に派遣されてきた。

海上艦艇は16の級(クラス)の艦艇からなり、強襲揚陸艦、空母、掃海艇、駆逐艦、沿海域戦闘艦などがある。

就役中の海上艦艇、全級を見てみよう。

ジェラルド・R・フォード級空母

ジェラルド・R・フォード級空母

F/A-18Fスーパー・ホーネットが空母ジェラルド・R・フォード(CVN 78)への着艦体制に入った。2017年7月28日。

US Nay

ジェラルド・R・フォード級空母(Gerald R. Ford-class aircraft carrier)は、アメリカ海軍の最新鋭空母。今後、ニミッツ級空母を更新していく。

全長1106フィート(337メートル)、艦載機は75機以上。主力はF-35Cだが、開発の遅れにより配備は保留されている。

フォード級は、従来の蒸気式カタパルトに代わる電磁式カタパルトなど、数々の新技術を採用。アメリカ海軍の最新鋭空母として、今後数年間でレーザーなど新兵器が搭載される見込み。

1隻が就役中、2隻が建造中で、さらに2隻が発注済み。

関連記事:世界最大の空母ジェラルド・R・フォードを見学! 実際に乗ってみた

関連記事:空母「ジェラルド・R・フォード」就役、40年ぶりの最新鋭空母の実力は?

ズムウォルト級ミサイル駆逐艦

ズムウォルト級ミサイル駆逐艦

大西洋で試験中のミサイル駆逐艦ズムウォルト(USS Zumwalt:DDG-1000)。2016年4月21日。

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ズムウォルト級ミサイル駆逐艦(Zumwalt-class destroyer)は、アメリカ海軍で就役中の艦艇の中でも最も新しいクラスで、様々な任務をこなすステルス艦。

主な任務は、地上、および海上での火力支援。だが、先進砲システム(Advanced Gun System)に必要な砲弾が高額すぎると判断され(1発80万~100万ドル)、運用できない状況にある。

アメリカ海軍は2018年3月、対空、対艦、弾道ミサイル防衛に使用可能な新しいミサイルを搭載する計画を発表した。

関連記事:米海軍新鋭艦の「1発1億円」主砲は高すぎて撃てない!

アメリカ級強襲揚陸艦

アメリカ級強襲揚陸艦

ハワイ周辺で任務につく強襲揚陸艦アメリカ(LHA 6)。2016年7月30日。

US Navy

アメリカ級強襲揚陸艦(America-class amphibious assault ship)は、老朽化したタラワ級強襲揚陸艦を更新する新鋭艦。他の強襲揚陸艦とは異なり、1番艦(アメリカ)と2番艦(トリポリ)にはウェルドック(ドック式の格納庫)がない。

アメリカ級強襲揚陸艦は、F-35B、AV-8BハリアーII、V-22オスプレイ、AH-1Z ヴァイパーなど、様々な艦載機を搭載可能。

就役中の1隻、試験航海を控える1隻、そして建造中の1隻を含む、計12隻の配備が計画されている。

フリーダム級沿海域戦闘艦

フリーダム級沿海域戦闘艦

Mass Communication Specialist 1st Class James R. Evans

フリーダム級沿海域戦闘艦(LCS:Freedom-class littoral combat ship)は、アメリカ海軍で就役中の2タイプの沿海域戦闘艦のうちの1つ。沿海域戦闘艦(LCS)は、その名のとおり沿海域での運用に特化している。

LCSのコンセプトは過去に激しい批判を集め、不満の声があがった。だがアメリカ海軍は同級の装備のモジュール化を進める計画を進めており、大きな活躍がかかっている。

フリーダム級沿海域戦闘艦は、3タイプの戦闘シーンを想定して設計された。つまり、対潜戦、掃海(対機雷戦)、そしてイランやイエメンの反政府組織フーシ派が使用したような小型高速艇の排除だ。

現在、5隻が就役中、7隻が建造中。サウジアラビアは同級のより重装備な艦を次期フリゲート艦に選定した

インディペンデンス級沿海域戦闘艦

インディペンデンス級沿海域戦闘艦

南カリフォルニア沖で任務にあたる沿海域戦闘艦インディペンデンス(LCS-2)。

U.S. Navy/Lt. Jan Shultis

インディペンデンス級沿海域戦闘艦(Independence-class littoral combat ship)は、もう1タイプの沿海域戦闘艦(LCS)。フリーダム級と同様、インディペンデンス級も装備のモジュール化を進めている。

同艦は三胴船(トリマラン)型の船体が特徴。フリーダム級と同じく、MH-60R/S シーホークヘリコプター1機、あるいはMQ-8 ファイアスカウト2機の搭載が可能。6隻が就役中、7隻が建造中。

サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦

サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦

バージニア沖の大西洋を航行するドック型輸送揚陸艦サン・アントニオ(LPD 17)と同ニューヨーク(LPD-21)。2011年6月9日。

US Navy

サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦(San Antonio-class amphibious transport dock)は、水陸両用作戦のために数百人の海兵隊員、車両、装備を運ぶ。また、MV-22オスプレイ 2機も搭載している。


同艦は多くの問題を抱えてきた。国防総省は2010年、戦闘下ではなく「安全な環境下」でのみ運用可能というレポートを発表した。

現在、11隻が就役中、2隻が建造中。

ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦

ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦

インドネシアのスマトラ島沖で大きく旋回するドック型揚陸艦フォート・マクヘンリー(LSD 43)。2005年1月17日。

Wikimedia commons

ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦(Whidbey Island-class dock landing ship)は、水陸両用作戦のために海兵隊とその車両を運ぶ。同艦は、海兵隊が戦車や車両を上陸させるために使用する大型のホバークラフト、エア・クッション型揚陸艇(LCAC)を最大4隻搭載可能。

1985年から就役、最大500人を運ぶことができる。

ハーパーズ・フェリー級ドック型揚陸艦

ハーパーズ・フェリー級ドック型揚陸艦

太平洋上で海上補給を行うドック型揚陸艦ハーパーズ・フェリー(LSD 49)。2013年6月18日。

US Navy

ハーパーズ・フェリー級ドック型揚陸艦は、前述のホイッドビー・アイランド級の改良型。主に、武器弾薬、スペアパーツ、医療機器などの物資の運送に使われる。

そのため、エア・クッション型揚陸艇(LCAC)の搭載は2隻のみ。しかし、ホイッドビー・アイランド級と同様に、最大500人を運ぶことができる。

サイクロン級哨戒艇

サイクロン級哨戒艇

ペルシャ湾での演習で編隊を組む哨戒艇ハリケーン(PC-3)、同チヌック(PC-9)、同タイフーン(PC-5)。2014年3月17日。

Wikimedia commons

サイクロン級哨戒艇(Cyclone-class patrol ship)は、アメリカ海軍およびフィリピン海軍で就役している。4隻がアメリカ沿岸警備隊に4年間貸し出されたが、2011年に海軍に返却された。

同級は沿海域での運用が可能で、沿岸警備、海上阻止、監視の任務につく。また、特殊部隊ネイビーシールズの支援も行う。そのため、アメリカ海軍特殊戦コマンドに所属している。

現在、海軍が保有する13隻のうち10隻がイラン監視のためにペルシャ湾に派遣され、3隻はフロリダに配備されている。

アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦

アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦

アラビア湾にて空母セオドア・ルーズベルト(CVN 71)の後を航行するミサイル駆逐艦プレブル(DDG 88)、同ハルゼー(DDG 97)、同サンプソン(DDG 102)。2018年3月24日。

US Navy

60隻以上が就役中のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦(Arleigh Burke-class destroyer)は、海軍を支える存在。対艦、対空、対潜など様々な任務を遂行可能。

同級は主砲としてMk.45 5インチ砲を1門装備しているが、主力はミサイル。最大96基の垂直発射システムから、トマホーク巡航ミサイル、RIM-66、シースパロー、RIM-174、ハープーンなどを発射可能。

同級のうち25隻は、イージス弾道ミサイル防衛システムも搭載している。

ワスプ級強襲揚陸艦

ワスプ級強襲揚陸艦

強襲揚陸艦キアサージ。エア・クッション型揚陸艇(LCAC)と護衛艦を率いて航行中。

US Navy

ワスプ級強襲揚陸艦(Wasp-class amphibious assault ship)は、水陸両用作戦を支援する。同級は約1800人の遠征部隊を上陸用舟艇、装甲車、ヘリコプターと合わせて運ぶことができる。

また、垂直離着陸が可能なAV-8Bハリアー IIと同じくF-35Bも搭載可能。現在、8隻が就役中。

関連記事:「我々の任務は非常に特殊。他の艦船とは違う」強襲揚陸艦キアサージ

アヴェンジャー級掃海艦

アヴェンジャー級掃海艦

環太平洋合同演習(RIMPAC)でハワイ沿岸を航行する掃海艦アヴェンジャー(MCM-1)。2004年7月10日、

US Navy

アヴェンジャー級掃海艦(Avenger-class mine countermeasures ship)は、重要海域での掃海任務にあたる。

兵装は軽く、甲板上に12.7mm機関銃2挺のみ。

タイコンデロガ級巡洋艦

タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦

タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦カウペンス(CG 63)が太平洋上でドローンにむけてスタンダード・ミサイル(SM)2ミサイルを発射。2012年9月20日。

REUTERS/Paul Kelly/U.S. Navy photo

タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦(Ticonderoga-class cruiser)は、1978年から就役している。同級は対艦、対空、対潜など、様々な任務をこなす。空母の護衛が主な役割。

タイコンデロガ級は、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦に次ぎ、アメリカ海軍において2番目の規模を誇る。22隻が就役中(攻撃能力のない艦を含む)。

関連記事:新たな任務につくタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦モンテレー、その装備とは

ニミッツ級空母

ニミッツ級空母

Jackie Hart/US Navy

ニミッツ級空母(Nimitz-class aircraft carrier)の就役は1975年。キティホーク級とエンタープライズ級を更新した。1980年代からアメリカ海軍空母の主力であり、現在10隻が就役中。

同級は、乗員は航空要員も含めて約5000人、艦載機は85~90機。

ニミッツ級空母は、アメリカのパワーの象徴となっており、世界中に配備されている。

関連記事:異例の太平洋3隻展開、ニミッツ級空母は何を“運んで”いるのか?

関連記事:現在、3隻が西太平洋に展開中 —— アメリカの原子力空母を捉えた21カット

ブルー・リッジ級揚陸指揮艦

ブルー・リッジ級揚陸指揮艦

us navy

ブルー・リッジ級揚陸指揮艦(Blue Ridge-class command ship)は、艦隊司令官および大規模な展開を指揮する高官向けの専用艦。

現在、同級はブルー・リッジ(LCC 19)とマウント・ホイットニー(LCC 20)の2隻。ブルー・リッジは、配備可能な艦としてはアメリカ海軍で最も古い艦で、その任務はベトナム戦争までさかのぼることができる。

コンスティチューション

コンスティチューション

Hunter Stires/Wikimedia Commons

コンスティチューション(USS Constitution)はアメリカ海軍で最も古い艦で、同時に航海可能な世界最古の海軍就役艦。アメリカ海軍向けに建造された6隻のうちの2番艦。

コンスティチューションのニックネームは「オールド・アイアンサイズ(Old Ironsides)」。米英戦争中の1812年、イギリス艦ゲリエール(HMS Guerriere)との戦闘中に、船体はイギリスの砲弾を跳ね返し、乗組員の1人が「バンザイ、船腹は鉄製だ!」と叫んだことがその由来とされている。

58年間の就役中、コンスティチューションは3度の戦争(フランスとの擬似戦争、バーバリー戦争、米英戦争)を戦い、33回の戦闘で勝利、負けはない。同艦はまた世界中を航海し、初期のアメリカのパワーの象徴となった。

現在は記念艦として、ボストン港に係留されている。

[原文:Here's every class of ship in the US Navy

(翻訳:Conyac、編集:増田隆幸)

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