AIを身につける「Xperia Ear Duo」はAIアシスタントによる“人体拡張イヤホン”だ

Xperia Ear Duo

2017年2月にコンセプト発表されていた「Xperia Ear Open-style CONCEPT」が「Xperia Ear Duo」として日本での正式発売が決定した。

ソニーモバイルコミュニケーションズは、新製品の左右独立型ワイヤレスイヤホン「Xperia Ear Duo XEA20」を4月21日に発売する。直販価格は2万9880円(税別)で、4月11日から予約を開始する。

ソニー本体も参戦している独立型イヤホン市場で勝ち残れるか

ソニーモバイルの黒川氏

ソニーモバイルコミュニケーションズジャパン コンパニオンプロダクト営業部 ビジネス企画課 統括課長の黒川直通氏。

ワイヤレスで完全に左右で分離されているイヤホンは、ここ数年で増加の一途を辿っている。ソニーモバイルのビジネス企画課統括課長の黒川直通氏によると、国内における独立型イヤホンの販売数量は約1年で20倍に急増した(2017年12月時点)。

今後、さらなる拡大が期待される市場だが、すでに競合他社は多くいる。ボーズなどの老舗音響メーカーはもちろん、アップルやソニー本体も展開している。

そんな激しい競争環境の中、Xperia Ear Duoの差別化ポイントとは何か。それは以下の2つの要素だ。

  • 外音をあえて混ぜる「デュアルリスニング」機構
  • 最大3つのアシスタントを使い分けられる

自分にしか聞こえないスピーカーを身につける感覚

Xperia Ear Duo

Xperia Ear Duoは管があり、耳元の部分には穴がある特徴的な形をしている。

Xperia Ear Duoは、ソニー独自の音導管設計を採用している。一般的に耳栓型などと呼ばれるイヤホンは外音を物理的に遮断するが、本機の場合は“栓なし”のような状態で耳に装着し、機器本体からの音は管を通して耳まで伝えられる。そのため、外音と音楽や操作音などが混ざって聞こえるようになる。

外音をあえて混ぜるというのは、少し不思議な感覚ではあるが、「自宅などのパーソナルスペース以外でも、自分にしか聞こえないスピーカーで聴けるようになる」とイメージすると理解しやすい。

Xperia Ear Duoを装着しているところ

Xperia Ear Duoを装着している様子は、話し相手側から見てほかの耳栓型のイヤホンより「話しかけやすく」見えるかもしれない。

また、耳を塞がないことで、電車のホームなどのアナウンスを聞き逃したくない場所や、職場など他人の声を気にしなくてはいけない場所でも利用しやすくなる。

「話しかけてくるアシスタント機能」を搭載

Xperia Ear Duoのスライド

Xperia Ear Duoにはスマートアシスタントが搭載されている。

そして、Xperia Ear Duoのアイデンティティーとも言えるのがアシスタント機能だ。Xperia Ear Duoのアシスタントは「Assistant for Xperia」と呼ばれ、スマートフォンに届いた通知の読み上げはもちろん、音声通話の発信、音楽再生、ルート検索など機能は多岐にわたる。

基本的には本体の側面のセンサー部を長押しして、アシスタントを呼び出し、ユーザーがやりたいことを伝える方式での利用となるが、Xperia Ear Duoならではの機能も存在する。

Xperia Ear Duoのデイリーアシスト

デイリーアシスト機能はスマートフォン側の位置情報とXperia Ear Duoの各種センサーを組み合わせることで実現している。

それが「デイリーアシスト」と呼ばれる、アシスタント側からユーザーに話しかけてくる機能だ。これは、スマートフォンの位置情報とXperia Ear Duoのセンサー情報を組み合わせることで実現しており、「自宅から会社へ出発したときに天気やニュースを読み上げる」「会社で仕事中に次の予定を読み上げる」といった動作をする。

これにより、基本的にユーザーからの操作が必要なスマートフォンやスマートスピーカーとは違ったユーザー体験が得られるだろう。

音声で「LINEの送信・返信」もできる

Xperia Ear Duo発表会のLINEのPOP

ソニーモバイル主催の発表会だったが、LINEの説明員が常駐する体験ブースも設けられていた。

加えて、Xperia Ear Duoでは前機種「Xperia Ear XEA10」では実現できなかったLINEの送信機能に対応する。これは、LINE製アシスタント「Clova」を同時に搭載したことによるもので、Clovaを搭載するウェアラブルデバイスはXperia Ear Duoが初めてだ。

アシスタント機能は、Android端末(Android 5.0以上)と接続した場合は、LINEのClovaのほかにソニーの「Assistant for Xperia」とグーグルの「Googleアシスタント」を呼び出すこともできる。

Xperia Ear Duoの設定画面

Xperia Ear Duoの操作はスマートフォンのアプリ側でカスタマイズできる。デフォルトで呼び出すアシスタントも指定できる。

なお、本機はiPhone(iOS 10以上)にも対応するが、その場合、アシスタントの呼び出しはSiriのみになるほか、デイリーアシスト機能などの一部機能は利用できないので注意が必要だ。

個人だけではなく企業も注目する「人体拡張デバイス」

Xperia Ear Duo

Xperia Ear Duoはゴールドとブラックの2色を用意。連続使用時間の公称値は、本体で4時間、ケース側に3回分のバッテリーを搭載するため、合計16時間となる。

Xperia Ear Duoは単なる「音楽を聴くための道具」ではない。アシスタント機能によりさまざまな情報を耳元で確認でき、進行中の作業を妨げない。

前機種でも同様のコンセプトだったが、片耳式だったため長時間の利用には耐えられず、外からの音には集中しづらかった。しかし、本体形状やデュアルリスニング機構により、Xperia Ear Duoではこの問題を解消している。

まさに、人間の能力を拡張するためのウェアラブルデバイスとして活躍するだろう。

Xperia Ear DuoのJALの事例

Xperia Ear Duoは日本航空などでも、活用されようとしている。

また、同社は個人向けだけではなく企業向けの展開を予定している。日本航空では、飛行中の客室乗務員間のコミュニケーション効率化を目的に4月から機内での実証実験を開始。東京都港区にある八芳園では、施設内の庭園ガイドとしてXperia Ear Duoを期間限定で導入するという。

(文、撮影・小林優多郎)

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