おつりを資産運用に回すサービス「トラノコ」を展開するスタートアップのTORANOTEC(本社:東京都・港区)は、楽天キャピタルと東京電力エナジーパートナーを含む国内5社から資金を調達した。「トラノコ」の普及をさらに加速させる。関係者への取材で分かった。
今回の資金調達ラウンドに参加した企業は、楽天が運営するベンチャーキャピタルと東電エナジーの他に、東海東京フィナンシャル・ホールディングスとだいこう証券ビジネス、パラカ株式会社。調達額は明らかにされていないが、関係者によるとTORANOTECと5社は今後、提携の詳細に関する協議を進めていく。楽天は、楽天グループが展開するサービスとの連携を狙う。
TORANOTEC HPより
TORANOTECは2016年8月に設立。以来、買い物をするついでに無理のない、簡単な資産形成を可能にするサービスの開発を進めてきた。2017年6月にスタートさせた「トラノコ」は、買い物をする度に生じる「おつり」の相当額を投資に回してくれるサービスで、注目を集めた。
ユーザーはまず投資口座を開くと、本人のおつりデータを計算させるため、銀行口座や電子マネー、クレジットカードなどの情報を登録する。トラノコは本人のおつり相当額を、ユーザーが選んだファンドに投資してくれる。ロボアドバイザーと異なるのは、トラノコはTORANOTEC子会社の投資顧問が3つのファンドを運用する。ユーザーはその3つのファンドから投資先を選択する。
マネーフォワードやMoneytreeなどが運営する家計簿アプリのデータを連携させることも可能だという。また、月の投資金額の上限を設定することもできる。TORANOTECによると、トラノコのユーザーは20代、30代の投資未経験者が半数以上を占めるという。ユーザー数は開示していない。
(文・佐藤茂)