Russian Ministry of Defense
アメリカは4月13日(現地時間)、イギリス、フランスとともにシリアの化学兵器関連施設への空爆を行った。
トランプ大統領は14日朝に「これ以上の成果はない。任務完了」とツイート。一方、ロシアは空爆前に、高性能ミサイル防衛システムS-400をはじめとする防空システムで、あらゆるアメリカのミサイルを撃ち落とすと公言。同じく14日に100発以上のミサイルの大部分を撃ち落としたと発表した。
ロシアの防空システムの一端を担うのが、A-50U早期警戒管制機。ロシア国営メディアのロシア・トゥディ(Russia Today)によると、同機はアメリカのミサイルの撹乱およびロシアのミサイルの目標捕捉を支援する。
空爆前、ロシア・トゥディは「ロシア軍はA-50Uを限定的に使用して、アメリカ艦艇による目標捕捉や位置情報の取得、さらにはイージス対空システムに対する妨害行動を行う可能性がある」と伝えた。
また同じくロシア国営メディアのスプートニク(Sputnik)は以前、A-50Uは「空を飛ぶ巨大なデータ処理センター」で、「戦闘機、爆撃機、弾道ミサイルや巡航ミサイルなどの空中目標、戦車などの地上目標、艦艇などの水上目標」の探索と追跡に使用されると伝えている。
またA-50Uは「司令部に空中と海上の最新状況を伝え、戦闘機や爆撃機に指示を伝える」とも伝えた。
ロシアの早期警戒管制機、A-50Uを見てみよう。
初飛行は2011年、ロシアが1989年に運用を始めたA-50をアップグレードした機体。
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出典 : Sputnik
大型輸送機イリューシンII-76がベース、最大186マイル(約300キロメートル)先の地上/水上目標、最大373マイル(約600キロメートル)先の空中目標を追跡できる。
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上部にある直径36フィート(約11メートル)のレーダー「シュメーリM(Shmel-M)」は乗員から「マッシュルーム」と呼ばれている。2つのアンテナが毎分6回転している。
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乗員は約15人、「パイロット2人、ナビゲーター、エンジニア、通信手、追跡オペレーター3人、ガイダンス・ナビゲーター3人など」。
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機内にはギャレーとトイレが設置されている。
2017年5月、イスラエルがシリア上空を飛ぶA-50Uを確認。
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2機のミグ31(MiG-31)を従えるA-50U。
2017年4月、アメリカが巡航ミサイルでシリアを空爆した後、ロシアはA-50Uをフメイミム空軍基地に展開した模様。
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59発のトマホークミサイルがフメイミム空軍基地から44マイル(約71km)地点に着弾した。
ロシアは2011年から2017年までに4機のA-50Uを導入したと伝えられる。だがスプートニクは、ロシア空軍はそのうち3機しか保有していないと伝えている。
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出典 : The National Interest, Sputnik
(翻訳:塚本直樹、編集:増田隆幸)