ヤフーグループが仮想通貨交換業に本格進出する。
撮影:今村拓馬
ヤフーグループが仮想通貨交換業に本格進出する。
ヤフーグループのZコーポレーションは2018年4月13日、仮想通貨交換業者「ビットアルゴ取引所東京」への資本参加を正式に発表した。2018年秋の取引所としてのサービス開始を目指すとしている。
ビットアルゴ取引所東京は、シーエムディーラボの100%子会社。ウェブサイトによると、シー社の事業は「金融、医療、農業に関わる研究、システム開発およびエンターテインメント事業」という。
Z社は、シー社からの株式譲渡と第三者割当増資で、ビットアルゴ取引所東京の株式を取得。出資比率は、シー社が60%、Z社が40%となる。具体的な出資額は非開示。
2018年1月24日に社長交代、Zコーポレーションの代表取締役社長に付く旨を発表した宮坂学氏(写真左)。
撮影:小林優多郎
Z社はヤフーの100%子会社で、既存事業にとらわれない新事業に取り組む目的で設立された。ヤフーの前社長で、現在は会長を務める宮坂学氏がZ社の社長を務めている。
1月にヤフーの社長交代を発表した際、宮坂氏は「ヤフーでやれなかったことを探っていく」と述べている。
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ビットアルゴ取引所東京は、「ARG」というサービス名でビットコインを取り扱っていたが、2017年8月にサービスを一時休止した。その後、同年12月1日に、資金決済法に基づく仮想通貨交換業者として金融庁に登録された。取引所のサービスは、4月13日の時点でも再開していない。
ビットアルゴ取引所東京は、2018年3月7日に関東財務局が公開した仮想通貨交換業者登録一覧にも記載がある。
出展:関東財務局
Zコーポレーションのリリースによると、ビットアルゴ取引所東京のブロックチェーンに関するノウハウと、ヤフーグループで運営およびセキュリティーのノウハウを融合させ、新しい取引所サービスを展開していくという。
なぜヤフー本社からの出資ではなかったのか、広報の回答
今回なぜヤフーとしてではなく、Zコーポレーションとしての出資となったのか。ヤフー広報はBusiness Insider Japanの取材に対し、「昨今、活用が期待されているブロックチェーン技術に取り組むにあたって、eコマースや広告といった既存事業とは切り離すべきと判断した」と回答している。
「今後、仮想通貨事業とYahoo! JAPAN IDとの連携などを予定しているか」という質問に対して、ヤフー広報は「現在決まっている情報はないが、ヤフーのブランドイメージに恥じない安心かつ安全なサービスを目指す」と話している。
(文・小林優多郎)