「漫画村」問題:MANGA議連が考える「サイトブロッキングの意味」を古屋圭司議員に聞く

漫画村

4月13日、内閣府の知的財産戦略本部(知財本部)が、「漫画村」「Anitube」「Miomio」などの海賊版サイトへのアクセスを遮断する「サイトブロッキング」を実施することが適当であるとの方針を示した。

関係団体やコンテンツ企業は、今回の政府による方針決定に懸念を訴える声明を次々に発表している。では、永田町は一連の動きをどう評価しているのか。超党派で結成される「マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟」(MANGA議連)会長の古屋圭司衆議院議員に聞いた。

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ブロッキングはMANGA議連が推進したわけではない

古屋圭司衆議院議員。

MANGA議連会長・古屋圭司衆議院議員。

まず、今回の政府方針をどう評価するかと問うと、古屋議員は「やむを得ない緊急措置」だと語った。

さらに、「(政府が要請した)ブロッキングというのはちょっと違うと思う。サイトウォーニング(警告)である」と述べ、政府方針はインターネットサービス事業者への「自主的な取り組みのお願い」であり、強制的にサイトブロッキングをさせるわけではないことも強調した。

4月2日の産経新聞の報道によると、MANGA議連はマンガやアニメ、ゲームなどの資料を収集・保管する施設を設立するための「メディア芸術ナショナルセンター整備運営法」を今国会で提出する予定だという。

同記事はナショナルセンターの設置について、「日本の漫画やアニメ、コンピューターゲームの人気が世界的に広がる中、原画の海外流出、模倣品や海賊版の作成を防止し、保護するのが大きな目的」としている。

これに対して古屋議員は「産経新聞の報道は的確ではない。法案には、サイトブロッキング措置などに関する項目は入っていない」と否定した。同センターの主要な目的はあくまで、マンガ・アニメ業界などの人材育成や地方との連携、資料のアーカイブなどだという。

専門家による議論がもっと必要

サイトブロッキングに関する法案について、古谷議員は「懸念だけでルールを作ることはできない。今回の内閣府の決定は(海賊版サイトによる被害の)止血をするもの。今後対策を法制化するにあたっては、憲法・電気通信事業法に合致する範囲で何ができるのか、かなり専門的な見地(からの検討が必要)で、しっかり議論していただきたい」と慎重な構えを見せた。

MANGA議連が中心となってサイトブロッキング関連の法案を提出する可能性はあるのかという問いに対しては、「そういう提案をしていくこともあるかもしれないが、今具体的に何かを準備しているという事実はない」と語った。

また、今回の措置に対して「出版社は甘いと思う。本来であれば(自助努力の中で)違法サイトに打ち勝つような良いビジネスモデルを生み出すべき。その点、動画はうまくやっている」と苦言を呈した。

(文・西山里緒、川村力、写真・西山里緒)

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