ロイヤルウエディングにかかる費用は、約3200万ポンド(約47億円)と試算されている。
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- イギリスのヘンリー王子とその婚約者メーガン・マークルさんは5月19日(現地時間)、ウインザー城の聖ジョージ礼拝堂で結婚式を挙げる。
- イギリス王室では、ロイヤルウエディングの費用は新婦側の家族が負担するのが慣例だったが、今回はケンジントン宮殿が負担する。
- 今回のロイヤルウエディングの費用は、3200万ポンド(約47億円)近くに達するとみられる。その大部分は警備に関する費用だ。
イギリスやアメリカでは、カップルが結婚式にかける費用は平均で2万3700ポンド(約350万円)だ。
数百万円単位の出費は、結婚式がたった1日で終わることを考えるとかなりの額だ。だが、ものすごいお金持ち、中でも多くの資産を持つ王室の一員であれば、話は別だ。
イギリスのヘンリー王子とメーガン・マークルさんは5月19日、ウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂で結婚式を挙げる。挙式に続き、馬車によるパレードを経て、ウィンザー城の敷地内で披露宴が行われる予定だ。
イギリス王室では、結婚式の費用は新婦側の家族が負担するのが慣例だったが、今回はケンジントン宮殿が負担する。
2011年に結婚した兄のウィリアム王子とキャサリン妃のときも、キャサリン妃が支払ったのは、数十万ポンドと言われるアレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)のウエディングドレス代のみだった。2人の結婚式の費用は総額2370万ポンドだった。
結婚式情報サイト「ブライドブック(Bridebook)」の試算によると、ヘンリー王子とメーガン・マークルさんの結婚式の費用は、3200万ポンド近くに達するとみられる。
アメリカやイギリスの一般的なカップルの場合、結婚式の費用の中で最も大きな割合を占めるのは会場代で、全予算の半分近くが費やされている。だが、ヘンリー王子とメーガン・マークルさんの場合、挙式を行う聖ジョージ礼拝堂と披露宴会場のホールは無料で使用でき、祖母であるエリザベス女王所有のロールスロイスやデイムラー、ベントレーといった高級車が使えるため、移動にかかる費用も不要だ。
一方で、ロイヤルカップルにとって最大の出費となるのが警備費だ。新郎新婦はもちろん、多数の招待客や見物人を守るため、ケンジントン宮殿が払う費用は3000万ポンド(約44億円)にのぼると、ブライドブックは推計している。これには狙撃兵や私服警官、軍事技術を使った警備や警備用ドローンの配備費用も含まれる。ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式のときも、同じく警備費が費用の大部分を占めていた。
これらの警備費を除いた結婚式の費用は200万ポンド(約3億円) —— 食事、ウエディングケーキ、エンターテインメント、衣装、ハネムーンなどの費用が含まれる。
ブライドブックの試算による、ロイヤルウエディングの費用の内訳は以下の通りだ。
食べ物と飲み物 —— 47万9000ポンド(約7100万円)。日中に行われる正式な披露宴と親しい友人や親族との夜のパーティーと、2回の宴席が予定されており、どちらもケータリングサービスが必要となる。最高級のシャンパンやワイン、ウイスキーが、王宮のセラーから提供されるだろう。イギリス王室御用達のシャンパン「ボランジェ(Bollinger)」は1本80ポンド(約1万2000円)ほど。パーティーで消費されるシャンパン代だけでも、その金額は13万6000ポンド(約2000万円)にのぼるとみられる。
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ウエディングドレス —— 30万ポンド(約4400万円)。マークルさんが選ぶドレスについては、すでにありとあらゆる噂が飛び交っているが、数十万ポンドはすると見られるドレス代は花嫁自身が負担する。ファッション・アイコンにもなりつつあるマークルさんは、ディテールに個性を出しながらも、伝統的なデザインのドレスを選ぶのではと予想されている。
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特設会場 —— 35万ポンド(約5200万円)。式を挙げる聖ジョージ礼拝堂は無料で使えるが、ホールで行われる披露宴の後のパーティーは、ウィンザー城の敷地内に大勢の招待客を迎えるために、大がかりな特設会場を手配する必要がありそうだ。
ウィンザー城にある聖ジョージ礼拝堂。
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音楽 —— 30万ポンド(約4400万円)。挙式ではオルガン奏者と聖歌隊が音楽を担当、夜のパーティーではDJと生演奏を披露するウエディング・バンドが会場を盛り上げるはずだ。イギリス国防省は、この結婚式で演奏する楽隊のために、銀メッキ仕上げのカスタムメイド・トランペットを複数注文したという。その費用は9万ポンド(約1300万円)にのぼる。
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招待状、引き出物 —— 20万3000ポンド(約3000万円)。ケンジントン宮殿は3月、今回の結婚式の招待状をイギリスの印刷会社バーナード・アンド・ウエストウッド(Barnard and Westwood)に発注したと発表した。この招待状には、プリンス・オブ・ウェールズの紋章が金色のインクで印刷されている。一方、引き出物は、派手さを抑え、2人の個性を反映させたものになるとブライドブックは予想している。
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演出/装飾 —— 13万ポンド(約1900万円)。ロンドンでもトップクラスの制作会社が、ウィンザー城を現代のおとぎ話の舞台へと変身させる予定だ。この価格には、照明やダンスフロア、バー、座席の設営などが含まれる。
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生花 —— 11万ポンド(約1600万円)。ロンドンの一流フローリストが腕によりをかけ、礼拝堂や特設会場を飾りつける。花嫁の付添人が持つブーケも例外ではなく、メインの花としてはシャクヤクが使われるのではと予想されている。
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エンターテインメント —— 5万5000ポンド(約810万円)。写真撮影ブース、子どもたちを楽しませるエンターテイナー、花火などが用意され、パーティーの間、数百人にのぼる招待客を楽しませる。
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ウエディングケーキ —— 5万ポンド(約740万円)。カリフォルニア出身のパティシエ、クレア・プタック(Claire Ptak)さんが作る、バタークリームと生花で飾り付けたレモン・エルダーフラワー・ケーキに、招待客も舌鼓を打つはずだ。
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高級仮設トイレ —— 3万5000ポンド(約520万円)。数百人の招待客を受け入れるには、必ず必要になる設備だ。
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写真/ビデオ撮影 —— 1万7000ポンド(約250万円)。パーティーには、メディアの立ち入りは許されていない。そのため、この日のために雇われたカメラマンとビデオ撮影者が、この晴れの日を記録する責任を負う。パーティーの様子を収めたフォトブックも複数作成される予定で、これにも追加費用がかかる。
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付添人の衣装 —— 1万4700ポンド(約220万円)。花嫁の付添人のためのスタイリッシュなドレスや、花婿の付添人が着るタキシード、さらにはフラワーガールやページボーイを務める子どもたちの衣装も必要になるため、これもかなりの額になる。
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美容 —— 1万ポンド(約150万円)。当日はヘアメイクの担当チームが、結婚式から披露宴、夜のパーティーと、1日を通して花嫁や参列者たちが最高の姿を保てるように常にスタンバイしている。
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結婚指輪 —— 6000ポンド(約89万円)。結婚指輪は、イギリス王室の金庫に保管されているウェールズ産の金塊から作られる。金額だけをみるとあまり高額ではないものの、お金に換算できない価値ある指輪だ。
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ボーナス:ハネムーン —— 12万ポンド(約1800万円)。ヘンリー王子とマークルさんは、まずは挙式前の小旅行を楽しみ、結婚式が終わって落ち着いてから、親しい友人とともにゆっくりと休暇を取るのでは、というのがブライドブックの専門家の見方だ。ハネムーンの費用は、夫となるヘンリー王子への贈り物として、マークルさんが負担すると報じられている。
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Source: Bride Book
[原文:Here's how much Meghan Markle and Prince Harry's royal wedding is expected to cost]
(翻訳:長谷 睦/ガリレオ、編集:山口佳美)