Google Developers Blog
- グーグルのAIYプロジェクト(AIYは「DIY」と「AI」の組み合わせ)の自作キットがグレードアップした。キットの狙いは、コンピューターサイエンスとプログラミングをより一般化すること。
- キットは、音声による操作が可能なスマートスピーカーが自作できる「Voice Kit」、画像認識カメラが自作できる「Vision Kit」の2種類。いずれもグーグルのAI技術を活用している。前バージョンでは別売りだったRaspberry Pi(通称ラズパイ)、USBケーブル、設定済みのソフトウエアが入ったSDカードが同梱されている。
グーグルは、新たにグレードアップした自作AIハードウエアキットと設定用の新しいアプリを発表、また同時に、プログラミングやコンピューターサイエンスのスキルをより多くの教育現場に浸透させていくと述べた。
「当社は、先生たちがAIYキットをSTEM(Science、Technology、Engineering and Mathematics)教育に活用すること、および生徒たちがAIYキットを使って、将来の夢に向けて準備することを支援するための、ほんの第一歩を踏み出したばかり」とAIYプロジェクトのディレクター、ビリー・ラトリッジ(Billy Rutledge)氏は4月17日(現地時間)の発表に記した。
「AIY」キットは、グーグルのトレードマークとなっているダンボールの外装で、Voice Kitは49.99ドル、Vision Kitは89.99ドル。
Voice Kitは、Google Home miniのようなスマートスピーカーが誰でも自作できるというもの。一方、Vision Kitにはカメラが含まれ、人の顔や、バナナ、スクリュードライバーなど1000種類以上の「日常的な品々」を認識できるデバイスを自作できる。
今回、バージョンアップした2つのキットには、以前のバージョンでは別売りだったRaspberry Pi(通称ラズパイ)、USBケーブル、設定済みのソフトウエアが入ったSDカードが同梱されている。また説明もより「分かりやすく」なり、初めて自作する人でも簡単に作れるようになっている。
また、Kitの設定をスマートフォンで行える新しいアプリも発表、Google Playからダウンロードできる。もちろんモニター、マウス、キーボードを使って設定もできる。
コンピューターマニアたちは、新しいキットへの賞賛の声をTwitterに投稿しているが、ラトリッジ氏は、キットは主に教育現場およびSTEMを学ぶ学生向けのものと述べている。
「キットには継続的な需要を見込んでいる。特に教育現場における強力なツールになると考えている親や先生など、STEM教育推進者からの需要に期待している」とラトリッジ氏。
「仕事の性質は今後、ますます変化する。つまり学生たちは、まだ我々が想像したこともないような仕事に就く可能性がある。分析思考やクリエイティブな問題解決スキルなど、コンピューターサイエンスのスキルは間違いなく重要なものとなる」
[原文:Google's DIY kits for building your own AI gadgets just got a big upgrade]
(翻訳:まいるす・ゑびす、編集:増田隆幸)