AmazonのECシェア拡大を食い止める、ほとんど唯一の対抗馬とは?

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今日の記事では、eコマースにおいて買い物の入り口をAmazonとGoogleが取り合っている、という内容を詳しく掘り下げていきたいと思います。

Amazon vs Googleの「買い物の入り口」争奪戦

「Amazon Takes 49 Percent of Consumers’ First Product Search, But Search Engines Rebound」という記事を詳しく見てみましょう。

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この図にある通り、オンラインで買い物をする場合、49%のユーザーがまずAmazonに行き、そこから商品を探し始めます。

一方で35.5%のユーザーは、Googleなどの検索エンジンで商品を検索し始めることになります。

オンラインで物を売ろうとしているEC店舗から見ると、このトレンドを正しく抑えることは非常に重要です。

なぜなら、ユーザーがどこで商品を探し始めるのかに応じて、自社の商品をAmazonに出品する必要があるのか、あるいは自社のECサイトにGoogleからユーザーを獲得していくのが正しいのか、というのが大きく変わってくるからです。

このGoogleとAmazonの買い物の入り口争奪戦は、過去数年にわたって何度も繰り広げられてきていますが、最近では Google Shopping Adsによって少しずつ Googleのシェアが上がってきているというデータもあります。今日は以下のレポートなどを参考にしながら、Google Shopping Adsの現時点での重要な数字を詳しく見てみたいと思います。

The Rise of Google Shopping

Google Shopping Adsとは

Google Shopping Adsとは、いわゆるProduct Listing Ads(PLA=商品リスト広告)のことです。

通常のGoogleのアドワーズでは、ユーザーが検索すると、テキストだけの広告が結果の上や右側に表示されます。

一方でGoogle Shopping Adsは、テキストだけではなく、商品の画像や値段まで表示される広告になります。

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この図でわかるように、通常のGoogleのアドワーズと比べて、よりリッチな広告が表示されます。

EC店舗からGoogleへの広告出稿額のうち76.4%がPLA、パフォーマンスはテキスト広告以上

ではEC店舗は、Googleに広告出稿する際に、Google Shopping Adsと通常のアドワーズに、それぞれどの程度の割合で広告を出稿しているのでしょうか。

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この図によれば、広告出稿額ベースでは76.4%がGoogle Shopping Ads、クリック数で見ると85.3%がGoogle Shopping Adsと出ています。

この数字だけを見ると、Google Shopping Adsの方が 広告出稿額に対するクリック数が多いので、ECの広告主にとってはより効果が高い広告であると言えるでしょう。

スマホではPLAへの予算配分が更に大きく

スマートフォンの面だけに限った場合の数字を見てみます。

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スマートフォンに限ると、アメリカでもイギリスでも、全体に比べて広告出稿額もクリック数もGoogle Shopping Adsの割合が大きくなっていることがわかります。

ECカテゴリーごとのPLA比率

次にeコマースのカテゴリー別も見てみましょう。

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カテゴリーごとにばらつきがありますが、全体的に Google Shopping Adsに偏った広告出稿をしていることがよく分かります。

これらの三つのカテゴリーでは、特に商品の画像や値段が見えることが重要だと言えるのではないでしょうか。

これをさらにデスクトップとスマートフォンで分割して見てみます。

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濃い青色がデスクトップのテキスト広告、濃いグレーがデスクトップのGoogle Shopping Ads、薄い青がスマホのGoogle Shopping Ads、薄いグレーがスマホのテキスト広告になっています。

個人的には、ホーム&ガーデンとファッション・アパレルの二つにおいて、スマートフォンよりもデスクトップにおける広告出稿額が多いことに驚きました。

Google Shopping Adsは、「Amazonの一人勝ち」からEC店舗を救えるのか?

現在の北米でのeコマースのマーケットを見ると、eコマース全体の成長のうち、70%がAmazonによるものであると言われており、いわばAmazonの一人勝ちの状況になりつつあります。

サードパーティのEC店舗から見ると、非常に辛い状況が続いているとも言えます。

これらのEC店舗は、当然Amazonにサードパーティーとして出品することもできるわけですが、Amazonが一人勝ちしている状況だと、手数料などの点で圧倒的にAmazonに有利な状況で、どんどん自分たちのマージンが下がっていくことにしかなりません。

EC店舗から見ると、このGoogle Shopping Adsのように、アマゾンに対抗し得るだけの規模感を持って自社サイトにユーザーを集客してくれるチャンネルが登場してくるのは、非常に望ましいことになります。

そういった意味で、Google Shopping Adsが、EC店舗にとってほぼ唯一のAmazon対抗馬と言えるのではないでしょうか。


シバタナオキ:SearchMan共同創業者。2009年、東京大学工学系研究科博士課程修了。楽天執行役員、東京大学工学系研究科助教、2009年からスタンフォード大学客員研究員。2011年にシリコンバレーでSearchManを創業。noteで「決算が読めるようになるノート」を連載中。

決算が読めるようになるノートより転載(2018年4月17日の記事

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