世界中からバイヤーが集まる、中国最大級の見本市「広東フェア」に行ってみた!

参加者でにぎわう会場

中国の広州にて開催された広東フェアの参加者たち。(2014年4月16日撮影)

Theodore Kaye/Getty Images

広東フェアとしても知られる「中国輸出入商品交易会」は中国最大級の見本市。

1953年に始まったこの見本市は香港の近くにある港湾都市、広州市で年2回、春と秋に開催される。

世界各地から集まる出展者とバイヤーの目的は、15万種類以上の商品の取り引き。会場には、消費財、布地、装飾用品、薬、電子機器、機械類など、ありとあらゆる商品が並び、毎回、数百億ドルの商談がまとめられる。

4月15日(現地時間)に始まった2018年春の広東フェアは、5月まで続く。

多数のバイヤーが訪れる広東フェアはどんなイベントなのか。見てみよう。

今回の広東フェアは、6万475ブースが出展。会場面積は118万5000平方メートル。

会場を上から見た光景

大型機械・設備セクションを見て回る参加者たち。2014年4月16日。

Theodore Kaye/Getty Images

出典:Canton Fair

毎回、約20万人のバイヤーが訪れる。

会場の出入り口

Theodore Kaye/Getty Images

出典:Canton Fair

ツアーで来るバイヤーもいれば、自分で航空券やホテルを予約して来るバイヤーもいる。航空会社やホテルは、そうした需要を狙って、自社のサービスを積極的に売り込んでいる。

警察官と写真を撮る参加者

中国の警察官と写真を撮る、世界各地から集まったバイヤーたち。2014年4月16日。

Theodore Kaye/Getty Images


会場の隣のシャングリラホテルは、客室が704室。

シャングリラホテル内の景色

Shangri-La

会場は広州インターナショナル・コンベンション&エキシビション・センター。

チケットを買い占めて2.5倍の価格で販売しているダフ屋とやり取りしなくてはならないことも。

高速鉄道

WikiMedia Commons

出典:The Atlantic

参加者が多いため、過去には感染の予防策が講じられたこともある。2014年には、エボラ出血熱の感染を防ぐために、入場前に参加者の体温を計った。

入り口に立つ検疫官

REUTERS/Alex Lee


病気の流行は、ときにビジネスになる。2009年、新型インフルエンザの流行で健康関連商品への関心が急激に高まった。


欲しいものが何でも揃っている。

ブースで会話を進める光景

Theodore Kaye/Getty Images


たくさんのプラスチック製おもちゃもあれば、

プラスチック製おもちゃの展示

VCG/VCG via Getty Images


折りたためるキーボードのような珍しい製品もある。

折りたたみ可能キーボード

REUTERS/Bobby Yip


公式のeコマースサイトもある。写真のハンドスピナーの価格は2ドル50セント、月に8800万個生産可能。

フィジットスピナー

Screenshot/ e-cantonfair.com

出典:E-cantonfair.com

ディスプレイが至るところに。

薄型テレビの展示

In Pictures Ltd./Corbis via Getty Images


様々な種類の乗り物も。

様々な車両の展示

In Pictures Ltd./Corbis via Getty Images


警察車両や救急車のライトに特化したブース。

緊急車両用のランプ

Theodore Kaye/Getty Images


産業機器も人気。クランプやチェーンから、

クランプの展示

Theodore Kaye/Getty Images


大型の掘削機まで。

掘削機の展示

Theodore Kaye/Getty Images


スーツケースもちろん人気。

スーツケースの展示

第100回広東フェアで商談を進めるビジネスマン。2006年10月29日撮影。

Guang Niu/Getty Images


どうやら、パイプも人気。

陳列されたパイプ管

REUTERS/Tyrone Siu


クリスマス・デコレーションもある。

クリスマス用の装飾用品

サンタクロースの大きな置物。

REUTERS/Tyrone Siu


そして、中南米で使われる刃物も。

様々な種類のロングナイフやシャベルが並んでいる。

様々な種類のロングナイフやシャベルが並んでいる。

In Pictures Ltd./Corbis via Getty Images



何でもある。

トイレの展示

様々なトイレを見るバイヤー。

REUTERS/Tyrone Siu


キッチンシンクもある。

キッチンシンクの展示

壁一面に陳列されたキッチンシンク。

REUTERS/Bobby Yip


デモンストレーションもあちらこちらで行われている。出展者は機械仕掛けの恐竜とヤシの木から、パントマイムとダンサーの一座まで、ありとあらゆる手段を使ってバイヤーの目を引こうとする。

製品のデモンストレーション

Theodore Kaye/Getty Images

出典:The Atlantic

だから、空いている場所は貴重。

ポータブル空調機の前にしゃがみ込んで電話をする男性。2010年4月15日。

ポータブル空調機の前にしゃがみ込んで電話をする男性。2010年4月15日。

In Pictures Ltd./Corbis via Getty Images


1日中、商談しているとお腹が空く。だが、席がないこともある。臨機応変に対応するしかない。

通路でご飯を食べる参加者

ランチタイムに、通路にしゃがみ込んでハンバーガーを食べる参加者。2010年4月15日撮影。

In Pictures Ltd./Corbis via Getty Images


空港と同じように、VIPクラブに入れるのは一部の人だけ。ビュッフェ形式のレストラン、ランチおよびコーヒークーポン、外交関係者とのミーティング、「素晴らしいお土産」などが提供される。

VIP用スペース

Guang Niu/Getty Images

出典:Canton Fair

会場の外では、アマチュアの通訳や翻訳者が売り込み。

通訳や翻訳者たち

REUTERS/John Ruwitch


2種類の名刺の準備を勧めている企業もある。1つは仕事上の連絡先が記載されている名刺、もう1つは名前、役職、ウェブサイトだけが記載されている名刺。フェア終了後に問い合わせが殺到するのを防ぐためだ。

歩く参加者たち

Theodore Kaye/Getty Images

出典:InTouch

多くのバイヤーはブースにある席に座って、出展者と話し合う。

座って商談を進める参加者

Theodore Kaye/Getty Images


メモを取りながら見て回るバイヤーもいる。

メモを取る参加者

Theodore Kaye/Getty Images


最近では、アマゾンの販売業者が独自のイベントを並行して開催している。

出典:Eventbrite

広東フェアは中国の対外貿易のバロメーターと見なされている。現在、アメリカへの輸出の削減を検討している輸出業者もいる。

プレゼンテーションを見る参加者。2014年4月16日。

プレゼンテーションを見る参加者。2014年4月16日。

Theodore Kaye/Getty Images

しかし、広東フェアの参加者の大部分は、アメリカと中国の間の貿易戦争について懸念していない。

「雷鳴は大きく鳴り響いている」と広州の薄型テレビメーカー、プロビジョン(Provision)でシニア・マネジャーを務めるスティーブン・チャウ(Stephen Chow)氏はロイターに語った。

「だが、雨粒はとても小さいかもしれない」

2017年の春の広東フェアは、取引総額300億ドル(約3兆2400億円)で幕を閉じた。

込み合う会場

人でいっぱいの会場。2014年4月16日。

Theodore Kaye/Getty Images

出典 : Canton Fair

[原文:China's largest trade fair is the size of 71 Walmart Supercenters, where buyers go to stock the world's shelves with toys, TVs, and toilets — here's what it's like

(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)

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