REUTERS/Mark Kauzlarich
- ピュー・リサーチ・センターは、1981〜1996年に生まれた人をミレニアル世代と定義している。
- 世代を定義することで、歴史的な出来事やテクノロジーの変化が人々の世界観にどのような影響を与えたかが理解しやすくなる。
- ピュー・リサーチ・センターはミレニアル世代の“次の世代”を定義するのはまだ早いと考えている。だが、候補として「ポストミレニアル世代」「ジェネレーションZ」などがあがっている。
アメリカ国勢調査局が公式に認めている世代は、ベビーブーマー世代だけ。
だが人口統計学者は、他の世代を定義することをやめてはいない。こうした定義は通常、世界的な出来事やテクノロジーの変化が、人々の世界観や行動にどのような影響をもたらしたかをより深く理解するために行われる。
2018年3月、ピュー・リサーチ・センターはミレニアル世代を公式に定義した(つまり、ミレニアル世代が終わる年を公式に定義した)。
この定義に関して、ピュー・リサーチ・センターのマイケル・ディモック(Michael Dimock )氏は、世代は人々の特徴を定義する厳密なカテゴリーではなく、人々の考え方や視点がどのように変化するかを知るツールと考えた方がよいと記した。
同じミレニアル世代でも、年齢が高いミレニアルと、若いミレニアルでは数々のトピックスについて感じ方が違うだろう。だが、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の時、ミレニアル世代の多くは5〜20歳だった。つまり、9.11とその後の情勢は、ミレニアル世代が成長する過程に大きな影響を与えた。
また、ミレニアル世代の多くが就職した時期に起きた2008年の金融危機(いわゆるリーマン・ショック)も大きな影響を与えた。さらにディモック氏は「ミレニアル世代はインターネットの急成長とともに大人になった」と記した。
ピュー・リサーチ・センターは、現時点で以下のように世代を定義している。
Samantha Lee/Business Insider
各世代の長さは様々。ピュー・リサーチ・センターによると、ミレニアル世代は16年間、ジェネレーションX(Gen X)も同じ16年間、ベビーブーマー(boomers)は19年間、そして沈黙の世代(silent generation)は18年間となる。
もちろん、世代の最後の年を決めることは複雑。どの世代も時間とともに変化していく。
「1つの世代の中での違いは、世代ごとの違いと同じくらいに大きいこともある。また一般的に同世代とされた中でも最も若い人と最も年齢が高い人は、自分の世代よりも、それぞれその後、その前の世代とより共通点を感じることが多い」とディモック氏は記した。
それでも世代を定義することは、各世代が同じような経験によって、どのように形成されたかを理解するヒントとなる。
ピュー・リサーチ・センターはミレニアル世代の“次の世代”を定義するのはまだ早いと考えている。だが、候補として「ポストミレニアル世代」「ジェネレーションZ」などがあがっている。
1997年、あるいはそれ以降に生まれた人々がティーンエイジャーになるまでに、アメリカは主にモバイル端末で、常にインターネットに接続可能になった(iPhoneの発売は2007年)。
ミレニアル世代は、ソーシャルメディアや常にインターネットにつながっていることに当然のように適応しているが、1990年代後半以降に生まれた人々にとっては、これらは生まれた時から存在していた。
そして今、生まれた子どもたちは、ジェネレーションZのさらに次の世代と定義されることになるだろう。
ディモック氏は今後、新しいデータによって、世代の定義が再検討される可能性は常にあると述べた。その一方で、ミレニアル世代の“次の世代”を観察することは極めて興味深いと語った。
「我々は今後数年間、大人になるこの世代を研究することを楽しみにしている。そして、その間もずっと、世代は社会の変化を理解するための“レンズ”であり、人々を単純化して捉えるための“ラベル”ではないことを肝に銘じておく」
[原文:Here's which generation you're part of based on your birth year — and why those distinctions exist]
(翻訳:相馬佳、編集:増田隆幸)