ソニーの完全無線イヤホン「WF-SP700N」は買いなのか? 2.3万円でノイキャン、完全無線、防滴対応 [レビュー]

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付属の専用ケースに収納した状態で充電中の「WF-SP700N」。充電器兼用の箱型収納ケースで充電するスタイルはアップルのAirPodsが出て以降、いわゆる完全無線イヤホンではスタンダードなものになった。

  • 流行の完全無線イヤホンでノイズキャンセル対応、防滴にも対応して2万2880円
  • ノイズキャンセル性能は及第点
  • 音質面をどう評価するかがポイント

ソニーが4月28日に発売する左右分離側のBluetooth無線イヤホン「WF-SP700N」。いわゆる完全無線イヤホンといわれるカテゴリーで、アップルの「AirPods」以降、各社から登場している人気ジャンルの最新モデルだ。

SP700Nは完全ワイヤレスイヤホンを探している人には、ちょっとした注目のモデル。スポーツ対応のIPX4相当の防滴対応、通勤通学向けの利用で人気の高いノイズキャンセル機能搭載、完全ワイヤレス仕様でソニーストアの直販価格2万2880円(税抜き)と、「マーケティング的に強い要素」が全部入りだからだ。実機の使い心地、ノイズキャンセル性能はどんなレベルなのか、試用してみた。

独特の収納方式、ノイズキャンセルの総合性能は◯

この種のイヤホン特有の本体の「収納」と「充電」は、付属の専用ケースで行う仕組み。Bluetoothのペアリングは一般的な手動設定のほかに、NFC搭載のAndroidスマホなら、「かざすだけペアリング」もできる。

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充電器を兼ねるケースと、イヤホン本体。本体への充電をおこなう3つの端子接点が見える。


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付属のイヤーピースは3種類。しっくりくるサイズを使うことで落ちにくくなるほかしっかり密閉した方が音質面でも有利。


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充電器兼用の専用ケース。手のひらサイズだが、イヤホン本体が大きいということもあって、AirPodsと比べるとケースもかなり大きい。Androidスマホをかざしてペアリングする際は、ケースの充電端子の上のロゴ部分にスマホをかざす。

本体を満充電にして使い始めてみる。SP700Nには、スポーツなどの激しい動きに対応するための、耳に引っ掛けるソフトな素材のサポートパーツがついている。

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本体の内側。

装着感は、一般的なカナル型イヤホンと同様の、耳栓をぎゅっと耳の穴に入れるようなスタイルだ。

本体の大きさが単機能な無線イヤホンに比べると少し大きめだが、装着感は悪くない。スポーツ対応というだけあってちゃんと固定もされるし、装着した状態ならイヤホンの重さもほぼ感じない。

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装着したところ。耳からの「飛び出し」は、手に持った印象ほどはない。耳の中でうまく引っかかるサポートパーツのおかげで、装着の安定性は良い。

音楽を聴かない状態で左耳側のスイッチを押してノイズキャンセルを有効にすると、サーっと周囲の音が消えていくノイズキャンセル独特の感覚がしっかりとある。

ノイズキャンセルを有効にして音楽を聴いてみる。

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まず屋内では、周囲の音は大半が聞こえなくなる。人の声については(他社のこの方式と同様に)直接的に消えるわけではないものの、音楽がかき消す形で聞こえなくなる。

電車(地下鉄)の中でも同様で、走行中のゴー音などのノイズは聞こえなくなる。

一番気になるのは、このノイズキャンセルの効きが、ソニーの他製品と比較してどれくらいかということ。

ノイズキャンセルの効きの良さで定評がある「WI-1000X」を普段使いしている編集部の記者に聞くと、

  • ノイズキャンセルの効きの良さで言えば、高価な「WI-1000X」の方が明らかに上
  • とはいえ、音量を50%以上に上げれば、WF-SP700Nでも大部分は遮音できる
  • 通話のヘッドセットとしてみると、声はうまく拾えていた(WI-1000Xは、マイクが首元にあるので、服などがかぶるとうまく音を拾えない場合がある)

という。特にノイズキャンセル+音楽の実質的な遮音性については、2人ともほぼ同評価だった。

ちなみに、右耳側の本体ボタンでは、ある程度の音楽再生の操作(1プッシュで再生・停止、2プッシュで曲飛ばしなど)ができる。特筆するほどではないにしても、電車内などでは便利に使えた。

公称3時間のバッテリー駆動、実際の使用時間は?

次に重要なバッテリー駆動時間だ。

音楽の連続再生は、ノイズキャンセルのオン・オフにかかわらず公称3時間。実使用で、音楽再生をリピートさせて試したところ、約2時間30分で充電を促すアラートとともに電源が切れた。

ボリュームの大きさや個体差などによって多少の違いが出る可能性がある部分だが、公称値からそう大きくズレるということはなさそうだ。

価格なりの「音質」をどう評価するか?

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パッケージに「ヨガをする女性」をデザインするあたりにも、スポーツを意識していることが見て取れる。

最後に、気になる部分の音質について。

一般的なBluetoothイヤホンなので、ピュアオーディオ的な聴き方はしないにしても、ポップミュージックを聴いてる範囲でも、ダイナミックレンジが狭いような、音の鳴りがやや薄く感じるところがある。これはノイズキャンセルをオンにした方が傾向がやや強まる印象だが、トータルの傾向はオン・オフほぼ変わらなかった。

原因が、音質面で有利なaptXコーデックに非対応だからなのか、音質の作り込みによるものなのかは、わからない。

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シリコン的な柔らかい素材のサポートパーツは、ケースに押し込むようにしてセットする仕組み。

なお、装着時の安定性を向上させるサポートパーツは外しての使用も一応は可能だった。ただし、想像以上に耳穴から外れやすくなるので、サポートパーツの重要性がむしろよくわかる。

ノイズキャンセル重視で手頃な無線イヤホンを探している人なら、絶妙にハマる価格。少なくともノイズキャンセル性能そのものに不満が出るようなことはなさそうだから、満足感は高いだろう。

またフィットネスジムなどで音楽を聴きながらトレーニングしたい人にも、防滴対応の本格的な無線イヤホンという意味で、有力な選択肢になる。

一方で、通勤通学などで最強クラスのノイズキャンセル性能が欲しいという人は、きちんと比較検討をした方がいい。ノイズキャンセルの効き方の違いも含めて、上位機種や他社製品含めて、店頭などで聴き比べをしてみるのが良さそうだ。

(文、写真・伊藤有)

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編集部より:初出時、サポートパーツの取り扱いについて誤解を招く表現がありました。お詫びして訂正致します。 2018年4月23日 11:00

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